鬼頭明里:アニメ「虚構推理」 3年ぶり新作で成長も 2023年も「駆け抜けたい」

「虚構推理 Season2」に出演する鬼頭明里さん
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「虚構推理 Season2」に出演する鬼頭明里さん

 「月刊少年マガジン」(講談社)で連載中のミステリーマンガが原作のテレビアニメ「虚構推理」の第2期「虚構推理 Season2」が、1月8日からTOKYO MXほかで順次、放送される。テレビアニメ第1期が放送されたのは2020年1~3月で、約3年ぶりに新作が放送されることになった。主人公・岩永琴子の声優を務める鬼頭明里さんに、同作の魅力、約3年の自身の変化、成長、2023年の抱負について聞いた。

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 ◇口が回らなくなる しゃべりまくる琴子を熱演

 「虚構推理」は、城平京さんの小説を片瀬茶柴さんがマンガ化。幼い頃、神隠しに遭い、片目、片脚と引き換えに怪異や妖怪たちの知恵の神となった琴子、幼い頃に妖怪である件(くだん)と人魚の肉を食べ、未来をつかむ力と不死の体を手に入れ、人ならざる者となった桜川九郎が、ミステリアスな事件に立ち向かう姿を描いている。

 鬼頭さんは同作の魅力を「どうやって解決するんだろう?と考える面白さがあります。私はミステリーにはあまり触れてこなかったのですが、すごくとっつきやすいんです。それに琴子という存在が魅力的で、九郎先輩との掛け合いが笑えますし、ずっと見ていられます」と語り、約3年ぶりの新作が放送されることになり「第1期の放送中に第2期のお話を聞いたので、また演じられることが素直にうれしかったです」と喜ぶ。

 約3年ぶりではあるが、すんなりと役に戻ることができた。

 「久しぶりに演じる感じはあまりなかったです。第1期の頃から映像がキレイにできた状態で収録できたので、スムーズに演じられたところもありました。第1期で、めちゃくちゃしゃべったのでもう染みついてたのかもしれません。第2期は、第1期よりも登場人物も増えて、ほかにしゃべるキャラクターも多いので、皆さんが『大変だね……』と言っているのを聞いて、私だけじゃなかった!となって(笑い)。皆さん、苦労する作品なんです。第1期の頃、しゃべりすぎて口が回らなくなってしまって。ガヤの収録の時、音響監督さんに『参加しないでいいから休んで』と言っていただくこともありました。台本をめくってもめくっても琴子がずっとしゃべっているんです。息も続かなくなりますし……」

 確かに琴子はよくしゃべる。鬼頭さんは試行錯誤しながら役に挑んだ。

 「第1期は、 鋼人七瀬が大きなエピソードとしてあって、第2期に比べると登場人物もそんなにたくさんいなかったですし、本当にずっとしゃべりっぱなしでした。台本のチェックが今までにないくらいすごく大変だった思い出があります。第1期で推理のシーンは台本に読み仮名をしっかり振って、めちゃくちゃ書き込んでいました。そうすると、台本が読みにくくなってしまって……。あんまり書き込まない方がいいのでは?と気付き、読めるようになったところで第1期が終わったんです。その教訓を踏まえ、第2期はそんなに苦戦せずにできたところもあります。第1期の頃から3年たっていますし、成長して演じることができたのかもしれません」

 琴子は、難しいことも言っているのだが、しっかり理解できるのは、鬼頭さんの演技力によるところも大きい。

 「琴子は本当に頭のいい子なので、知的に聞こえるようハキハキとしゃべることを心がけています。琴子は堂々とウソを言って、いかにも本当っぽく言わないといけないですし、真実を淡々と伝えます。伝えたいワードをしっかり伝えるために、重要なワードを事前にチェックしていました。推理シーンに挟まってくる九郎先輩との掛け合いもすごく楽しみでした。先輩との掛け合いは、思いっきりギャグに振り切っています。そこが作品の魅力なので、先輩を振り回しつつ、推理をしっかりするというメリハリを意識しています」

 ◇宮野真守に助けられ やっぱりすごい方!

 琴子、宮野真守さんが演じる九郎の掛け合いも作品の魅力になっている。コミカルなシーンも多い。収録では、宮野さんに助けられていたという。

 「こんなにしゃべることはなかなかないですし、推理のパートをどうしよう!?となっていたのですが、宮野さんが国語の先生みたいに教えてくださり、助けていただきました。第2期では、推理パートについて話し合うことはそんなになかったのですが、休憩中に、九郎先輩と琴子の関係性、この二人は一体どこに向かっていくんだろう?というディスカッションをしていました。宮野さんは『こうだよね』と自分の考えを言うのではなく、問いかけてくださるので、考えさせてくれて、一緒に考えようとしてくださるんです。宮野さんはやっぱりすごい方です。ありがたいな!と感謝しています」

 第1期の放送から約3年がたった。鬼頭さんは、約3年で成長を実感しているところもあるという。

 「いろいろな作品に出演させていただき、やれることが増えたようにも感じています。今までこういう役はやったことがない、どんなふうにやればいいのか分からない?となる役にも挑戦させていただき、その辺は成長したのかな? 第1期の放送から3年たちましたが、ずっとラジオを配信させていただいていましたし、ずっと『虚構推理』と共にあったと感じています」

 第2期で琴子、九郎がどんな活躍を見せてくれるのか? 二人の関係は? 気になっているファンも多いはずだ。

 「第1期がすごくいいところで終わっていたので、どんなふうに始まるんだろう?と思っていたら、いい意味でいつも通りなんです。いつもの九郎先輩と琴子がいて、でもバディー感が強くなっていて、いいな!と思いました。九郎先輩は琴子にあらがっていましたが、ちょっと諦めが入っている感じもありますね(笑い)。第1期の最終話があったからなのかな? やれやれ……と言いつつも、琴子のことをすごい分かっているんだろうな!というシーンも端々に見られて、何だかんだ仲いいじゃん!と思っています。見ていてほほ笑ましいシーンが増えましたね。琴子のおてんばなところも見られますし、120%で演じたので、楽しんでいただけるとうれしいです」

 鬼頭さんは「虚構推理」はもちろん、さまざまな作品で大活躍中だ。最後に2022年を振り返っていただきつつ、2023年の抱負を聞いた。

 「本当にありがたいことに、いろんなことをやらせていただき、ずっと駆け抜けてる感じがします。昨年は免許を取りました! 教習所と共にあった一年でした(笑い)。学校に通っているみたいで楽しかったですね。まだ怖くて、仕事には乗っていっていませんが、仕事終わりに車でちょっと温泉に行ったりしていて、楽しいですね。今年も引き続き駆け抜けたいです。また新しいこともやっていきたいです。止まりたくはないです。駆け抜けられるように頑張りたいです!」

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