ドラマ主題歌:2023年冬ドラマ Vaundy、JO1、LE SSERAFIMら紅白初出場組、異色コラボ・香取慎吾×SEVENTEENも

北川景子さん主演“月9”ドラマ「女神(テミス)の教室」の主題歌「まぶた」を担当したVaundyさん
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北川景子さん主演“月9”ドラマ「女神(テミス)の教室」の主題歌「まぶた」を担当したVaundyさん

 2023年1月期のおもなドラマ主題歌を紹介。今年の冬ドラマは、Vaundyさんや「JO1」「LE SSERAFIM」といった昨年末の「第73回NHK紅白歌合戦」に初出場したアーティストの新曲や、「香取慎吾×SEVENTEEN」の豪華コラボ曲、「Snow Man」の新曲など、若手や新鮮な顔ぶれによる楽曲がそろった。そのほか、冬ドラマで注目の主題歌をピックアップした。

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 ◇「女神の教室」の主題歌は月9主題歌初となるVaundyの書き下ろし曲

 北川景子さんが主演するフジテレビ系“月9”ドラマ「女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~」(月曜午後9時)の主題歌は、Vaundyさんの新曲「まぶた」(配信中)。小気味いいギターフレーズが絡む軽快なサウンド、ポップさと哀感を併せ持つメロディーが印象的な仕上がりになっている。

 ドラマの舞台は、裁判官や検察官、弁護士などの“法曹界”を目指す学生が通うロースクール(法科大学院)。裁判官の主人公・柊木雫(北川さん)は、実務家教員として青南大学法科大学院に派遣されるが、司法試験合格という目先のゴールばかりにとらわれている学生たちやロースクールの現実を目の当たりにする。司法試験合格のために徹底した合理的授業を進める教員・藍井仁(山田裕貴さん)に対し、柊木は「法」だけでなく「人」を知るための授業を行い、しだいに周囲の心を動かしていく、というリーガル青春群像劇だ。

 劇中にも登場する法の女神・テミス像が目を閉じているのは、偏見を排除し、貧富の差や権力に左右されず、法は万人に等しく適用することを表している。そこからイメージを得た曲の歌詞は、目をつぶり、まぶたを閉じることで自分を深く見つめたり、見た目や先入観にとらわれずに相手を知ろうとすることの大切さを訴えているかのようで、物語のテーマ性ともリンクする。柊木の授業を通して、学生や教員が、自分の本来の気持ちや人の行動に隠された真の思いと向き合い、少しずつ変化していく。そんな繊細な場面に、楽曲が優しく寄り添っている。

 ◇「しょうもない僕らの恋愛論」はJO1の爽快なポップチューン

 眞島秀和さん主演のドラマ「しょうもない僕らの恋愛論」(読売テレビ・日本テレビ系、木曜午後11時59分)の主題歌は、11人組グローバルボーイズグループ「JO1」の新曲「We Good」(配信中)。はつらつとした爽快なポップチューンだ。

 ドラマは、40代で独身の主人公、筒見拓郎(眞島さん)の前に、20年前に好きだった大学の同級生の谷村安奈の娘、くるみ(中田青渚さん)が現れるところから始まる。くるみは安奈が亡くなったことを拓郎に告げ、なぜ当時、安奈の前から突然いなくなったのかを尋ねる。拓郎は、20年前の安奈との約束が果たせなかったことをずっと後悔していた……。JO1のメンバー、木全翔也さんがくるみの同級生役として出演している。

 楽曲は、過去に残してきた思い、さえない今の日常をステップに、“後悔は人生のスパイス、ないと味気ない”と前を向いて歩んでいくさまが表現されている。心地良いテンポ感とすがすがしいボーカルが、劇中の拓郎や、彼を取り巻く人たちの気持ちを後押ししている。

 ◇「三千円の使いかた」主題歌はLE SSERAFIM初の日本オリジナル曲

 葵わかなさんが主演を務める「三千円の使いかた」(東海テレビ・フジテレビ系、土曜午後11時40分)の主題歌は、5人組ガールグループ「LE SSERAFIM」の初の日本オリジナル曲「Choices」(日本デビューシングル「FEARLESS」に収録)。軽やかなビートに乗せたキュートな歌声と、親しみやすいメロディーが魅力のミディアムナンバーだ。

 ドラマは、主人公・御厨美帆(葵さん)をはじめとする家族3世代の女性4人が、それぞれの人生や夢のために、お金の節約と貯蓄に奮闘する物語。美帆は、里親を募集している保護犬を街で見かけ、昔、犬を飼っていたことを思い出す。そこで「保護犬を飼うために1000万円をためて一軒家を購入する」という目標を立て、お金に無頓着だった今までの生活を見直すようになる。ドラマのタイトルは、美帆が、子供のころから祖母、琴子(中尾ミエさん)に言われてきた「三千円の使い方で人生が決まる」という言葉に由来している。

 美帆が“1日100円貯金”を始めたり、節約セミナーで出会ったデザイナー志望の沼田翔平(葉山奨之さん)から告白されたりと、人生の節目となる決断の時や、そこから物事が進展していく場面を彩る主題歌の「Choices」。幸せを求めて、自分らしく、本当の価値を見極めて選択をしていこう、と歌う同曲は、夢に向かってたくましく生きる家族3世代の女性たちを鮮やかに表現している。

 ◇「罠の戦争」の主題歌は香取慎吾×SEVENTEENの豪華共演が実現

 草なぎ剛さん主演の「罠(わな)の戦争」(カンテレ・フジテレビ系、月曜午後10時)の主題歌は、香取慎吾さんと韓国の13人組グループ「SEVENTEEN」のコラボレーションによる「香取慎吾×SEVENTEEN」名義の新曲「BETTING」(配信中)。香取さんと、SEVENTEENのメンバー・WOOZI(ウジ)さんらで意見交換を何度も重ね、メロディー、トラック(伴奏)、歌詞の細部にまでこだわって楽曲を完成させた。

 ドラマは、鷲津亨(草なぎさん)が、20年もの間、秘書として尽くしてきた衆院議員の犬飼孝介(本田博太郎さん)に裏切られことで、権力者たちからその力を奪うべく、巧妙なわなを仕掛けて悪徳政治家を失脚させようする復讐(ふくしゅう)劇。鷲津は、息子の泰生(白鳥晴都さん)に瀕死の重傷を負わせた犯人を突き止めるために、この事件を隠蔽(いんぺい)した犬飼に反旗を翻す。

 「BETTING」は、ストリングスの壮麗な音色のイントロから、打ち込みサウンドへの展開が特徴的なナンバー。ボーカルには、香取さんと、SEVENTEENからJEONGHAN(ジョンハン)さん、MINGYU(ミンギュ)さん、SEUNGKWAN(スングァン)さんが参加した。すべてを懸けて権力に挑む鷲津の心情を映し出した歌詞と、リズミカルで多彩なアレンジが交錯し、醸し出されたミステリアスな雰囲気が、ドラマの世界観とシンクロしている。

 ◇Snow Manほかaiko、JUJUら女性シンガー、マカロニえんぴつも

 そのほか、櫻井翔さん主演の「大病院占拠」(日本テレビ系、土曜午後10時)の主題歌はSnow Manの新曲「W」(3月15日に両A面シングル「タペストリー/W」を発売)、菜々緒さん主演の「忍者に結婚は難しい」(フジテレビ系、木曜午後10時)はaikoさんの新曲「あかときリロード」(配信中、3月29日発売のアルバム「今の二人をお互いが見てる」に収録)、竜星涼さん主演の「スタンドUPスタート」(フジテレビ系、水曜午後10時)はJUJUさんの書き下ろし曲「Bet On Me」(2月15日配信開始、3月15日CDシングル発売)。

 NHKの時代劇「大奥」(総合、火曜午後10時)は幾田りらさんの新曲「蒲公英」(配信中、3月8日発売のアルバム「Sketch」に収録)、井上真央さん主演の「100万回言えばよかった」(TBS系、金曜午後10時)は4人組バンド「マカロニえんぴつ」の書き下ろし曲「リンジュー・ラヴ」(配信中、3月8日発売のミニアルバム「wheel of life」に収録)などが採用されている。

 昨年の紅白初出場組や異彩を放つコラボ、ジャニーズの若手や人気上昇中のバンドなど、気鋭なアーティストによる楽曲が並んだ今年の冬ドラマ主題歌。これらの曲がドラマのシーンをどのように彩るのか、ストーリーとともに楽しみたい。(水白京/フリーライター)

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