PLUTO:浦沢直樹×手塚治虫の名作が初アニメ化 スタジオM2制作 藤真秀、日笠陽子、鈴木みのり出演

アニメ「PLUTO」のロゴ
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 マンガ家の浦沢直樹さんが手塚治虫の「鉄腕アトム」の一編「地上最大のロボット」をリメークしたマンガ「PLUTO」がアニメ化され、2023年にNetflixで配信されることが分かった。同作がアニメ化されるのは初めて。劇場版アニメ「この世界の片隅に」の企画・プロデューサー陣が再集結し、アニメを企画、プロデュースするジェンコを創設した真木太郎さん、手塚治虫が設立した虫プロダクションでキャリアをスタートした丸山正雄さんがエグゼクティブプロデューサーを務める。ジェンコが制作をプロデュースし、丸山さんが創設したスタジオM2が制作する。手塚治虫の息子の手塚眞さんが監修する。

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 メインキャストも発表され、藤真秀さんが主人公でユーロポールのロボット捜査官・ゲジヒトを演じることが分かった。日笠陽子さんがゲジヒトが追うある事件に関わるロボット・アトム役、鈴木みのりさんがロボット・ウラン役として出演する。ゲジヒト、アトム、ウランが登場するPVもYouTubeで公開された。

 浦沢さんは「60年前の発表以来、その言いようのない切なさに私の心が揺さぶられたように、多くの人の『心のマンガ』となった『鉄腕アトム』の挿話『地上最大のロボット』。この作品のリメークがいかに難事業かを身をもって知る私は、今回のアニメ化に挑むスタッフの皆さんの勇気に心から拍手を送るとともに、新たな『心の作品』の誕生に心躍っています。今こそ手塚治虫さんのメッセージが世界中に届きますように」とコメントを寄せている。

 原作「PLUTO」をプロデュースした長崎尚志さんは「60年前、『PLUTO』の原作『地上最大のロボット』が誕生した。最強の戦闘能力を持つロボットたちが競う物語だったが、これまでのアトムにはこの手の対戦形式の作品はなく、当時の少年たちは熱狂した。アトムファンというより『地上最大のロボット』ファンの誕生だ。その渦中にいた私は、この作品が単に誰が強いかを描いた作品ではなく、もっと深い何かを伝えたいのではないか、と感じていた。そして『PLUTO』に挑んだ時、答えが出た。手塚治虫は預言者だったのだ。現代、我々が直面している戦争とは、東西の文化や考え方の違いを理解し、尊重しなかった結果である。『PLUTO』はその手塚哲学を受け継ぎ、ただ反戦を訴えるのではなく、そこには痛みがともなうこと……それでも平和しかないということを世に問いたい作品なのだ」と話している。

 手塚眞さんは「ついに、やっと、『PLUTO』がアニメになる。いつかこれは映像にされるべきだと思っていた。何度も企画が立ち上がりまた消えていったのは、その内容の難易度の故だ。確かにハードルが高い。しかしだからこそ挑戦のしがいがある本物中の『本物』だ。そしてこれは新しい浦沢アニメであると同時に、新しい手塚アニメでもある。アニメの進化形をどのように見せてくれるか、とても楽しみだ」と期待を寄せている。

 東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されるイベント「AnimeJapan 2023」の1日目となる3月25日のBLUEステージに浦沢さんが登場することも発表された。手塚さん、日笠さん、鈴木さんも登壇する。

 「PLUTO」は、2003~09年に「ビッグコミックオリジナル」(小学館)で連載されたマンガ。「鉄腕アトム」の一編「地上最大のロボット」をリメークし、「鉄腕アトム」では脇役だったロボット捜査官・ゲジヒトの視点で描いた。人とロボットが共存する社会で、世界で最も優秀なロボットが次々に暗殺される怪事件が発生し、真相を追うゲジヒトとアトムはやがて世界を破滅へと導く史上最悪の憎しみの存在に気付く……というストーリー。

 コミックス全8巻が発売されており、全世界累計発行部数は1000万部以上。第9回手塚治虫文化賞マンガ大賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第41回星雲賞コミック部門受賞など国内外で数々の賞に輝いた。ハリウッドで実写映画化されることも発表されている。

 ◇スタッフ(敬称略)

 監修:手塚眞▽協力:手塚プロダクション▽アニメーション制作:スタジオM2▽制作プロデュース:ジェンコ

 ◇キャスト(敬称略)

 ゲジヒト:藤真秀▽アトム:日笠陽子▽ウラン:鈴木みのり

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