永瀬廉:答え合わせできた“ありのままの良さ” 運命的だった「映画ドラえもん」での声優挑戦

劇場版アニメ「映画ドラえもん のび太と空の理想郷」でソーニャの声優を務めたKing & Princeの永瀬廉さん
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劇場版アニメ「映画ドラえもん のび太と空の理想郷」でソーニャの声優を務めたKing & Princeの永瀬廉さん

 人気アニメ「ドラえもん」(テレビ朝日系)の42作目となる劇場版最新作「映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)」が3月3日に公開される。本作で、ドラえもんたちと出会うパーフェクトネコ型ロボットのソーニャを演じているのが、人気グループ「King & Prince」の永瀬廉さんだ。今回初めて声優を務めた永瀬さんは、自身にとって運命的なタイミングでの挑戦だったと語る。作品への思いと共に、今作で“答え合わせ”できたという永瀬さんの考えを聞いた。

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 ◇「嫌だと思った」自分の声 「だんだん好きになってきた」ワケは

 本作で声優に初挑戦した永瀬さん。「小学生の頃、学芸会の映像を見て、自分の声がすごく嫌だと思ったのを覚えています。いつも自分で聞いてる声と違って違和感があって。それからどことなく、声というものは遠ざけていたかもしれないです」と語る。

 その後、12歳でジャニーズ事務所に入所し、芸能活動を開始。「この世界に入ってからは自分の声を聞くことが多くなり、ようやく『恥ずかしい』とか『嫌』だと感じることがなくなりました」と、声への意識が変わっていった。

 19歳でKing & PrinceとしてCDデビューし、20歳頃からはドラマや映画など、映像作品に相次いで出演。2019年からは冠ラジオ番組「King & Prince 永瀬廉のRadio GARDEN」も担当している。

 「ラジオもそうですが、いろいろな作品に出させていただくようになり、『声がいいよね』と言ってもらえることが増えました。褒めていただいたことで、だんだん自分の声が好きになってきたような気がします。その矢先に、声優にチャレンジする機会をいただけて、自分の声が武器になるのはすごくうれしいなと思いました」

 ◇黒猫のソーニャは「僕っぽい」 心情の変化が物語の軸に

 そんな永瀬さんが声優として参加することになったのが「映画ドラえもん」。幼い頃はよく「ドラえもん」を見て元気をもらっていたため、彼自身も思い入れのある作品だという。

 「もちろんプレッシャーはありましたが、とても楽しみでした。ソーニャを通じて、いろいろな世代の方に『ドラえもん』の良さを感じていただけるよう力を尽くせたら、という気持ちのほうが大きかったです」と明かす。

 演じたソーニャは、何もかも完璧な理想郷・パラダピアで、街の人の安全を守っている。最初はパラダピアを訪れたドラえもんたちを敵だと思って攻撃するが、次第に打ち解けて友情を育んでいく、というキャラクターだ。

 「『人間じゃないんだ!』とは思いましたが(笑い)、黒猫であること、ビジュアルも含めて僕っぽいなと。メンバーカラーも黒ですし、猫に似てると言われることもあるので、黒猫のネコ型ロボットという役はうれしかったです」

 ソーニャの性格については「スマートで紳士、分かりやすく言うと『仕事ができる』イメージ」だと話すが、台本を読んでいくうちに印象が変化。「実は根がすごく優しくて、誰よりも人間らしいんです。ドラえもんたちと出会ったことで、自分がもともと持っていた“心”を思い出していくのですが、ソーニャの変化はこの物語の軸にもなっていて、とても大事なキャラクターだと思いました」

 ◇アイドルとして大事にする“自分らしさ” 「一緒に乗り越えてきた」存在も

 本作のテーマを担う重要な役どころを務め上げた永瀬さん。改めて完成作を見て「大人だからこそ、すごく刺さってくるせりふがありました」と振り返る。特に永瀬さんの心に刺さったのは、ドラえもんの「そのままののび太くんでいいんだ」といった言葉だった。

 「この言葉は映画の核だと思っていて。パーフェクトを目指すことも大事ですが、その中で自分らしさがなくなってしまったら、その人の良さがそがれてしまうのと同じような気がして。悪いところも含めて“その人”で、無理に変える必要はない。そのままのあなたを好きになって、愛してくれる人がこんなにいるというところにグッときましたね」

 「実は僕、ドラえもんよりも少し先にそれに気付いていました(笑い)」とおちゃめな一面ものぞかせつつ、永瀬さんは続けてこう語った。

 「僕もアイドルをしている上で、きっとダメなところがたくさんある。でも僕の場合、直そうとすると逆にボロが出てしまうんです。2年前くらいにそう気付いてからは“このまんま”でいようと。それで好きになってくれる人を大切にしようというマインドになりました。だから、この映画で自分は間違ってなかったんだと自信が持てました」

 いろいろな気持ちと向き合いながら、自分の在り方を模索してきた永瀬さん。ここまで活動を続けられたのは、友達の存在があったからだという。

 「職業柄、周りと比べられることもありますし、いろんな声を耳にする。今はもう気にならなくなりましたが、10代の多感な時期はメンタル的にしんどかった時期もありました。そういうときに助けてくれたのが親友たちだったり、同期の(西畑)大吾や正門(良規)。当時から今もずっと変わらない関係性で、僕は一緒に乗り越えてきたと思ってます。僕にとって大切な存在です」と、真っすぐな瞳で語った。

 永瀬さんが今もなお自分らしくいられるのは、どんな時も変わらずに“ありのままの永瀬廉”を受け止めてくれる仲間たちがそばにいてくれたからなのだろう。彼らとの絆を心のよりどころに、これからも“永瀬廉らしく”歩んでいく。

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