渡辺信一郎監督&森田修平監督:「太素(TAISU)」でテレビシリーズではできないチャレンジ 自由な発想で新しい映像を

「第1回新潟国際アニメーション映画祭」に登場した渡辺信一郎監督(左)と森田修平監督
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「第1回新潟国際アニメーション映画祭」に登場した渡辺信一郎監督(左)と森田修平監督

 渡辺信一郎監督のオリジナルアニメ「A Girl meets A Boy and A Robot」、森田修平監督のオリジナルアニメ「弦の舞」が、長編商業アニメの映画祭「第1回新潟国際アニメーション映画祭」のオープニング作品として3月17日、新潟市民プラザ(新潟市中央区)で上映され、渡辺監督、森田監督がトークイベントに登場した。両作は、日本、中国、ニュージーランドのクリエーターによるプロジェクト「太素(TAISU)」の一環として制作された。渡辺監督は「普通のテレビシリーズではできないことができた。どちらも実験的な手法で、新しい映像にチャレンジした」と自信を見せた。

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 「A Girl meets A Boy and A Robot」は「カウボーイビバップ」などの渡辺監督が手掛け、「呪術廻戦」などのMAPPAが制作した。「弦の舞」は「FREEDOM」「東京喰種トーキョーグール」などの森田監督が手掛けた。

 同プロジェクトのコンセプトは「万物の根本にある時間と空間を超えることができる宇宙元素である太素に導かれ、時間と空間を旅しながらそれぞれの物語を目撃する」。森田監督は「1980、90年代のOVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)が好きだけど、そういうことがなかなかできない。これがテレビシリーズだったら、もうちょっと分かりやすく……となる」、渡辺監督は「自由にできる機会はあまりないので、いい機会だった」と話し、コンセプトはあるが、自由な発想で制作したという。

 「A Girl meets A Boy and A Robot」は絵本風のアニメ、「弦の舞」はCGを駆使したアニメで、渡辺監督は「森田君はデジタルの粋を凝らしていて、(自身の作品は)とてつもなくアナログ。両極端です」と語り、「昔から絵本のようなアニメを作りたかったけど、なかなかできなかった。絵本をそのまま動かしたような映像を目指した。物語を伝えるだけではなく、風景から何かを感じ取ってほしい」と呼びかけた。

 「A Girl meets A Boy and A Robot」は、フランス、英国、米国などのアニメーターが参加した。渡辺監督は「一度も会わずオンラインで打ち合わせをした。デジタル時代になり、海外のアニメーターと仕事ができるようになった。予想外の原画が上がることもあり、驚きがあり、面白かった」と明かした。

 「第1回新潟国際アニメーション映画祭」は、長編アニメのコンペティション部門を設けたアジア最大の祭典を目指し、新潟から世界にアニメという文化を発信していくのが狙い。「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」「機動警察パトレイバー」などで知られる押井守監督が審査委員長を務めることも話題になっている。3月22日まで。

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