新潟国際アニメーション映画祭:「アニメーションと女性監督」 アニメのジェンダー表現 ステレオタイプではなく自然に

「第1回新潟国際アニメーション映画祭」のトークイベント「アニメーションと女性監督」
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「第1回新潟国際アニメーション映画祭」のトークイベント「アニメーションと女性監督」

 新潟市内で開催中の長編商業アニメの映画祭「第1回新潟国際アニメーション映画祭」で3月18日、トークイベント「アニメーションと女性監督」が開催された。国際的に活躍するジンコ・ゴトウプロデューサー、アニメーション、ジェンダーを研究する横浜国立大学の須川亜紀子教授、アニメーション作家の矢野ほなみさんが、アニメ業界における女性クリエーターの地位向上、ジェンダー表現について語った。

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 アニメ業界で女性監督は増えつつあるが、多くはなく、米国で「レゴ ムービー2」「リトルプリンス 星の王子さまと私」「ファインディング・ニモ」などを手掛けてきたゴトウプロデューサーは、「Women in Animation」などの活動を通じて、アニメ業界の女性の地位向上を目指してきた。

 須川教授は、女性クリエーターが手掛けるアニメについて「当事者として考えられることが強み。しかし、“女性ならでは”と期待される悪循環も生まれる。日本の現場も環境が変わってきていると聞きます。これからも可視化される形で変わっていけば、表現も変わっていく」と語った。

 ゴトウプロデューサーは「ステレオタイプにしないことが大事。女性、黒人の話になるとステレオタイプにしてしまう。自然な形で考え方をストーリーに入れないといけない。無理に入れてもいいものにならない」と指摘。Netflixのアニメ「ミッチェル家とマシンの反乱」を「娘がクィアなのですが、そこをストーリーポイントにせずに描いている」と評価した。

 アニメは子供に大きな影響を与えることもある。日本でも「プリキュア」シリーズのように「男らしさ」「女らしさ」という言葉を使わないなど自然な形で多様性を表現してきたアニメもある。さまざまな人がいるのは当たり前のことで、それを自然に表現していくことが大切になるはずだ。

 「第1回新潟国際アニメーション映画祭」は、長編アニメのコンペティション部門を設けたアジア最大の祭典を目指し、新潟から世界にアニメという文化を発信していくのが狙い。GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」「機動警察パトレイバー」などで知られる押井守監督が審査委員長を務めることも話題になっている。3月22日まで。

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