新潟市内で開催中の長編商業アニメの映画祭「第1回新潟国際アニメーション映画祭」で3月20日、アニメ「銀河鉄道999」「幻魔大戦」などで知られるりんたろう監督の新作アニメ「山中貞雄に捧げる漫画映画『鼠小僧次郎吉』」が上映され、トークイベントに同作のキャラクターデザインを担当した大友克洋さんがサプライズで登場した。映画祭のレトロスペクティブ部門では、アニメ「AKIRA」など大友さんの作品を一挙上映しているが、大友さんが登壇することは事前に告知されていなかった。りんたろう監督が呼びかけると、大友さんが壇上に姿を現し、観客から「おお!」という歓声が上がった。
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同作は、1933年に公開された山中貞雄監督の映画「鼠小僧次郎吉 江戸の巻」をりんたろう監督がサイレントアニメ化した。りんたろう監督は、大友さんがキャラクターデザインとして参加することになった経緯を「すぐにひらめいた。近しい人でシネフィル。お願いしたら『いいね、やりましょう!』となった」と説明。大友さんは「好きですからね。なかなかこんな仕事はない。楽しかった。りんさんなんで、やるしかない」と快諾したという。
大友さんは、山中監督の作品について「『丹下左膳余話 百萬両の壺』が面白い。あの丹下左膳は、この作品しかない。山中貞雄のセンスは普通じゃない。無声映画時代から、時代劇は形が決まっているけど、『百萬両の壺』は違う。外した感じにセンスを感じます。生きていたらどんな映画を作っただろう?」と思いを語った。
トークイベントには、アニメを手掛けたスタジオM2の丸山正雄プロデューサー、声優の小山茉美さんらも登壇。大友さんが「(自身の)全集の宣伝をしないと」と会場に集まった観客に自ら販促物を配布する場面もあった。
「第1回新潟国際アニメーション映画祭」は、長編アニメのコンペティション部門を設けたアジア最大の祭典を目指し、新潟から世界にアニメという文化を発信していくのが狙い。「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」「機動警察パトレイバー」などで知られる押井守監督が審査委員長を務めることも話題になっている。3月22日まで。
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