解説:「機動戦士ガンダム 水星の魔女」 裏主人公? 愛されるグエル Season2で成長

「機動戦士ガンダム 水星の魔女」のプラモデルのジオラマ
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「機動戦士ガンダム 水星の魔女」のプラモデルのジオラマ

 人気アニメ「ガンダム」シリーズの新作テレビアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」。4月にスタートしたSeason(シーズン)2では、人気キャラクターのグエル・ジェタークの成長が話題になっている。“裏主人公”とも呼ばれるほど人気のグエルの成長を解説する。

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 ◇スレッタ声優も人気に嫉妬!?

 Season2が始まる前、主人公スレッタ・マーキュリー役の声優の市ノ瀬加那さんを取材した際、“グエル人気”について「関連ワードがSNSでたくさんトレンド入りしているのを見ると、グエル人気がちょっと悔しいです(笑い)。もちろん、うれしいんですよ! 愛されるキャラクターですよね」とも語っていた。

 主人公の声優が嫉妬するほどの人気のグエルは、アスティカシア高等専門学園パイロット科3年生で、ベネリットグループの御三家のジェターク社の御曹司。無敗のエースパイロットだったが、スレッタが学園に転入してきたのをきっかけに、人生が激動する。

 Season1のグエルは散々だった。スレッタに負け、スレッタに求婚するが逃げられ、ジェターク寮を追放されて野宿をする。行方不明となったグエルは、ボブという偽名を使って作業員になり、テロリストとの戦闘の中で父ヴィム・ジェタークを殺してしまう。

 “ネタキャラ”扱いされ、愛されているキャラクターではあるが、魅力はそれだけではない。異母弟ラウダ・ニールやジェターク寮の仲間に尊敬され、“ボブ時代”に上司や仕事仲間から愛されていたことからも分かるように、根は真っすぐな男なのだ。だからこそ、人気を集めているのだろう。

 ◇挫折、絶望を乗り越える

 Season2に突入してしばらく行方不明だったグエルだが、4月23日放送の第15話「父と子と」で再登場する。グエルは、地球で活動する反スペーシアン組織・フォルドの夜明けの捕虜となっていた。父を殺し、失意の底にあったグエルだったが、戦闘に巻き込まれ、傷ついた少女を助けようとする。絶望からはい上がるグエルの姿は、主人公のようにも見え、SNSでは「グエル」「ボブ主人公」がトレンド入りするなど大いに盛り上がった。

 第16話「罪過の輪」では、宇宙に帰還する。ジェターク社は、CEOだったグエルの父ヴィムが死んでしまったこともあり、ピンチに陥っていた。異母弟ラウダが同社を引き継ぐが、重圧に苦しんでいた。グエルは「あとは俺が引き継ぐ」とジェターク社を再建しようとする。

 第17話「大切なもの」で、グエルは学園に復学。スレッタに対して「今は進める。お前に教えられた」「俺はお前に感謝している」と真っすぐな気持ちをぶつけ、セセリア・ドートに煽られても、大人の対応を見せる。スレッタとの戦いを前に「プライドだけじゃスレッタ・マーキュリーには勝てないさ」とかつては拒んだAIを使って戦うことを決意するなど、グエルの成長を感じさせる場面が多々あった。

 父の死というトラウマ、厳しい現実に向き合うグエルの姿を見て、応援したくなったファンも多いはず。挫折、絶望を乗り越え、成長していくグエルの今後の活躍にも注目が集まる。

 「水星の魔女」は、MBS・TBS系の日曜午後5時のアニメ枠“日5”で放送中。

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