ダンダダン
第12話「呪いの家へレッツゴー」
12月19日(木)放送分
手塚治虫の名作マンガ「ブラック・ジャック」の新作が制作され、今秋にマンガ誌「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)に掲載されることが分かった。プロジェクト「TEZUKA2023」と題して、手塚プロダクションのクリエーターと「ブラック・ジャック」を学習したAIが共同で新作を制作する。手塚治虫の“新作”を制作するプロジェクト「TEZUKA2020」が2020年に実施され、手塚プロダクションのクリエーターとAIが新作「ぱいどん」を制作したことも話題になった。今年誕生50周年を迎える「ブラック・ジャック」の新作を“AI×人”で制作することになった。
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同プロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務で開発している技術を活用する。慶應義塾大学理工学部の栗原聡教授、手塚プロダクション取締役の手塚眞さん、はこだて未来大学システム情報科学部の村井源教授、慶應義塾大学理工学部の特任講師・橋本敦史さん、手塚プロダクションの石渡正人さん、日高海さんらが参加する。
「ブラック・ジャック」は1973~83年に「週刊少年チャンピオン」で連載された手塚さんの代表作の一つ。手術の腕は神がかり的だが、法外な代金を請求する無免許医のブラック・ジャックが、医師から見放された難病の患者を次々と治療していく姿が描かれた。医師免許を持っていた手塚さんが、理想の医者として描いたことで知られている。
「TEZUKA2020」に参画したことで、クリエーティブなタスクへのAIサポートの可能性を強く感じたものの、同時に人の創造力に対してまだまだAIの力量が足りないことを痛感しました。この経験が現在の『AIとマンガの共創の可能性』を追求する、NEDOに採択された研究プロジェクトの立ち上げにつながったのですが、研究を進める中、絶妙なタイミングで我々の研究プロジェクトにとって大きな追い風となるChatGPTのような生成AIが登場したことは極めて幸運なことでした。
今回、私たちはインタラクティブなやりとりを通してクリエーターの創造的作業をサポートする、GPT-4を基盤とするAIのコンセプトを提案しております。無論、素晴らしい技術には、今多方面で議論されている負の面に対してもしっかり考える必要があります。この研究プロジェクトを通して、さらに進化していくAIと人・社会がどのような関係を構築することが、今後のあるべき人間社会の実現のために必要であるのかという、根元的な問いへの一つの答えにたどり着けるのではないかと思います。まずは、「TEZUKA2023」により、どのような作品が完成するのか自分自身楽しみです。
「TEZUKA2020」では、「ぱいどん」というマンガを制作しましたが、そのときAIはまだマンガ初心者で、慎ましい関わり方でした。それから3年。AIは飛躍的に進歩しています。もう初心者とは言えないということで、ハードルを一気に高くして、手塚治虫の代表作である「ブラック・ジャック」(BJ)の新作に挑戦します。「BJ」はエピソード数も多く、あらゆるジャンルを含み、手塚治虫のエッセンスが凝縮されている作品。そして、コロナ後の今の時代が一番渇望しているコンテンツと言えます。今回はさまざまなクリエーターが実際にAIと共同制作することで、コンテンツ作りの新たな方法論を生み出せるでしょう。日本のマンガ文化が、また新しい未来を手に入れるのかもしれません。
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