テレビアニメ「ライザのアトリエ」:のぐちゆり ライザへの思い 大和田仁美、寺島拓篤と語る収録の安心感

「ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~」に出演する(左から)大和田仁美さん、のぐちゆりさん、寺島拓篤さん
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「ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~」に出演する(左から)大和田仁美さん、のぐちゆりさん、寺島拓篤さん

 コーエーテクモゲームの人気ゲーム「アトリエ」シリーズが原作のテレビアニメ「ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~」が、7月1日からTOKYO MXほかで放送される。「アトリエ」シリーズは、「マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~」が1997年に発売されて以来、25年以上の歴史がある。「ライザのアトリエ)」は2019年に第1作(1)が発売され、第2作(2)が2020年、第3作(3)が今年3月に発売された。ゲームに続き、アニメに出演するライザリン・シュタウト(ライザ)役ののぐちゆりさん、クラウディア・バレンツ役の大和田仁美さん、レント・マルスリンク役の寺島拓篤さんに、「ライザのアトリエ」への思い、アニメについて聞いた。

ウナギノボリ

 ◇驚きのアニメ化

 --アニメ化が決まった際の率直な感想は?

 のぐちさん ゲームの「1」の最初の生放送のおまけコーナーで「夢はでっかくアニメ化!」と言っていたんです。まだゲームを発売もしていなかった時なのに。でも、本当にかなったんです! 言っておくもんだなって(笑い)。うれしかったのですが、驚きすぎて、え!? どういうこと!?といろいろな感情が入り混じりました。信じられないですね。

 大和田さん うれしさと驚きの半々でした。4年前にゲームが始まり、「2」「3」が発売されて、びっくりしたのですが、今度はアニメ化ですから。

 寺島さん 驚きの連続ですよね。

 大和田さん こんなに「ライザのアトリエ」の世界が広がっていくってことが、うれしいけど、驚きも大きかったんです。皆さんに愛されているから、こうやって続いてきたんだ。と実感して、本当にありがたいことですし、アニメを早く皆さんにお届けしたくなりました。

 寺島さん いい意味で毎回、まじで!?となるんですよね。最初から次回作の制作やアニメ化まで想定していたのかが気になりますよね。僕も田舎の出身なので、どんどん広い世界にいくワクワクする気持ちと不安が共感できるんです。ひと夏の小さいけど大きな冒険がまたできることがうれしかったです。近藤(唯)さんが演じるタオとまた一緒にできることもうれしかったです。

 --4年前は想像できなかった?

 のぐちさん そうですね。私はゲームの主人公が初めてでしたし、歴史ある「アトリエ」シリーズの主人公を任せていただくことが本当にうれしかったんです。「1」を録(と)り終わった後、終わっちゃったな、という寂しさがすごくあって、この気持ちは一生忘れない……となっていたのですが、「2」「3」もあって、今度はアニメになるなんて不思議ですね。何度も同じことを言ってしまいますが、驚きでしかないです。

 --ファンの大きな反響も感じていた?

 のぐちさん 最初にゲームのライザのビジュアルが発表された時から反響が大きかったですよね。声が出るまえにビジュアルが出て、どんな声なの!?となっていて、プレッシャーがありました。「2」「3」が発表される度に話題になっていて、作品の人気の高さを感じていました。

 ◇初回は緊張で空回り

 --アニメのアフレコの様子は?

 寺島さん ライザの原風景はこれだ! そうそう、そうだった!と安心感がありました。どうやって動くんだろう?というワクワクもありましたが、安心感がすごかったですね。

 大和田さん 「3」を経て、アニメでは最初の出会いに戻ります。「3」で一つの旅が終わった後のアニメなので、思い出をたどるようで、すごく懐かしくなりました。「1」で新鮮に感じていたものが、よりいとおしくなったんです。クラウディアは、ライザやみんなの話を受けることが多いのですが、ゲームは一人で収録していましたし、アニメでみんなの声を聞きながらしゃべることがすごく楽しかったです。

 のぐちさん 今回は「3」まで演じ切って「1」に立ち返ることになり、ゲームと同じくナレーションもあるんです。アフレコ当日、私はすごく緊張してしまって、気合が空回りしてしまい、なかなかOKが出なかったんです。ライザの知らないことへのワクワクを大切にしないといけないのですが、私が「3」まで経て、何もかも分かっているようなナレーションになっていたんですね。音響監督さんと話していくうちに、あの頃の気持ちに戻って、一つ一つ丁寧に見つめ直すと、思い出してきたところがありました。「1」のテンポ感は、こういう感じだった、と徐々に見えてきて、そこからは楽になって、楽しくなりました。

 大和田さん 私も最初、クラウディアを取り戻すのに時間が掛かりました。

 寺島さん みんなそうだったんじゃないの。僕も「歴戦の勇者感が出ています」とディレクションがありました。「3」までやっているから、自分の中でレントが成長し過ぎちゃっていたんです。

 ◇声優陣のコンビネーション

 --掛け合いをする中で刺激を受けたところもあった?

 のぐちさん すごくありました。ゲームで皆さんの声をいっぱい聞いてはいたのですが、初めて生で聞いた感じで、ホンモノだ!となった。幼なじみの3人のシーンは会話のキャッチボールがめちゃくちゃ楽しくて、すごく印象深いですね。

 寺島さん 表情を出しやすいところもありました。ライザは、周囲を振り回すので、それによってテンポが生まれ、より生き生きしたように感じました。

 大和田さん レントが振り回されているのが可愛いですよね。頼りになるお兄さんなのに、結構振り回されるんです。

 寺島さん やれやれやってやるか……じゃなくて、やるの!?となっているんですよね。

 のぐちさん 物語の中で初めて敵と遭遇した時、「ちょっと緊迫感がありすぎる。もうちょっと剣の振り方も分からない感じで」というディレクションがあり、その時の3人の“抜け方”がすごかったんです。子供のけんかみたいにドタバタして、すごく楽しくて、この感じ!とうれしくなりました。あの空気感が出せたから、その後もずっとできたようにも感じています。

 寺島さん プレーヤーが介在するのではなく、3人だけでバタバタしながら進んでいくのはアニメならではですよね。

 大和田さん クラウディアはゲームで「すごいよ!ライザ!」とよく言うのですが、アニメのト書きに「小さな拍手をする」とあったのが、可愛い!と感動しました。細かな動きで、さらに可愛くなっているのもアニメならではで、見どころになっていると思います。

 --声優のコンビネーションはいい?

 寺島さん 多分(笑い)。

 のぐちさん 収録の合間も雑談をしていて、他愛もない話ができることが、この作品には大事なことだと感じていました。ちょっと笑ってそのまま本番にいけて、すごくいい空気でした。アフレコが進んで、大人数で収録できるようになった時もさらに楽しかったです。

 大和田さん 楽しかったです!

 寺島さん のぐちさんのキャラにもとても助けられました。段々と「のぐちさん」から「のぐち」になっていって(笑い)。言葉を選ぶのが難しいけど、抜け感がいい。

 のぐちさん 抜け感(笑い)。

 寺島さん ツッコミどころもあって、それは人柄のよさなんですよ。変に気を使わないでいい。悪く言えば、すきだらけ(笑い)

 のぐちさん えっ(笑い)

 寺島さん それがいいところなんだよ。のぐちさんのように愛される人が主役としてセンターにいてくれる、もしくはすごく頼りになる人がセンターにいてくれるとやっぱり現場がよくなるんですよね。だから、いい現場になったんだと思います。

 大和田さん とても温かい現場で、安心感がありました。仲の良い同期のゆりが主役というのが心強かったです。なんてことのない日々を切りとった作品だからこそ、変に気合入れていくぞ!となるわけではなく、いい意味で少し力の抜けた感覚でできたから、居心地がよかったんです。コンビネーションもよかったと思います。

 のぐちさん 寺島さんが「平和すぎてずっと見ていたい!」と言っていたのが印象的でした。なごやかでしたよね。

 --アニメになって楽しみなシーンは?

 寺島さん 調合シーンを見たいですね。

 大和田さん 結構アドリブを入れたんだよね?

 のぐちさん めちゃくちゃ入れました。どこを使っていただけるか楽しみです。風景も美しいです。草原のざわめく音など夏の音も一つ一つ楽しみにしていただきたいです。

 ◇同期の絆

 --アニメを楽しみにしている人に向けてメッセージをお願いします。

 大和田さん ゲームからプレーされている皆さんがここまで愛してくださり、アニメ化が実現しました。皆さんの応援のおかげでここまでこられました。まだゲームをプレーしたことない方もぜひアニメを見てください。なんてことない日々がいとおしく、輝いて見えて、感動的です。そう感じることができる作品になっています。この夏、ライザたちと一緒になんてことない日々から始まる冒険を楽しんでいただけたらうれしいです。

 寺島さん 夏に放送されるのが、うれしいですね。暑さ、太陽のまぶしさを作品の中でも感じることができると思います。ゲームをプレーしたことがない人はこの機会にぜひプレーしていただきたいですね。役者としては、一度演じたものをもう一度演じる経験は決して多くないので、うれしかったです。僕はオタクなのでタイトルに「ANIMATION」と入っているのが大好きです。このタイトルに喜びと誇りを持って、お芝居させていただきました。絶対面白くなるので、楽しみにしていてください。

 のぐちさん 夏にお届けできるのが本当にうれしいです。何てことのない日々が、すごく壮大なテーマで描かれています。ライザたちのワクワクドキドキは、まだ何も知らない少年少女たちだからこその感覚で、ライザたちと同年代の方に見ていただくと、すごく熱い気持ちになるでしょうし、私たちのような大人が見ても、懐かしさを感じていただけるはずです。ゲームではライザを動かして、冒険をしていましたが、アニメはライザの視点だけじゃなくて、レントやクラウディアの気持ちなどいろいろな角度から客観的にも描かれていて、アニメのスタッフさんたちの愛を感じました。アニメならではのキャラクターの感情もたくさん描かれているので、ゲームをプレーしてくださった方は、2倍も3倍も好きになっていただけると思います。いろいろな発見もできるので、目を凝らして楽しんでいただければうれしいです。

 --のぐちさんにとって「ライザのアトリエ」という作品、ライザというキャラクターはどんな存在になっている?

 のぐちさん ライザみたいな子を演じたい!とずっと思っていましたし、「ライザの人だよね」と言っていただけると、やっぱりうれしいですし、大切な存在です。ライザを演じさせていただけることが決まった時、ひとちゃん(大和田さん)が「ゆりがやりたかったキャラクターだね!」と言ってくれたことをすごく覚えています。当時、ボイスサンプルを一緒に録ったり、相談をしたりしていて、「やりたいことをつきつめていこう!」と話をしていました。ひとちゃんがクラウディアだったこともうれしかったです。

 大和田さん 懐かしいね。

 寺島さん いい話だね。

 のぐちさん やりたい!と言っていたら、本当にかなったことがうれしかったです。

 のぐちさんにとって「ライザのアトリエ」は大切な作品になっているようだ。温かい現場だったようで、アニメからもその空気を感じられるはず。ぜひ、注目してほしい。


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