小野花梨:「初恋、ざらり」で地上波連ドラ初主演 「有紗を愛することで自分のざらりとした劣等感を愛おしく思えた」 苦労も告白

連続ドラマ「初恋、ざらり」で風間俊介さんとダブル主演を務める俳優の小野花梨さん(C)「初恋、ざらり」製作委員会 ヘアメーク:森下奈央子、スタイリスト:髙橋美咲(Sadalsuud)
1 / 3
連続ドラマ「初恋、ざらり」で風間俊介さんとダブル主演を務める俳優の小野花梨さん(C)「初恋、ざらり」製作委員会 ヘアメーク:森下奈央子、スタイリスト:髙橋美咲(Sadalsuud)

 俳優の小野花梨さんと風間俊介さんがダブル主演を務める連続ドラマ「初恋、ざらり」(テレビ東京系、金曜深夜0時12分)が、7月7日からスタートする。今回が地上波の連ドラ初主演となる小野さんは、子役時代の2011年、同局で放送された連続ドラマ「鈴木先生」に出演していたことから、「小学6年生のときにお世話になった『鈴木先生』があって、今の自分がいると思っているので、この枠で初めての主演をさせていただけるということに喜びを感じています」と話す。小野さんに今作への意気込みを聞いた。

あなたにオススメ

 ◇“言葉がすぐに出てこない”部分に苦労も

 ドラマは、ざくざくろさんの「このマンガがすごい!2023」のオンナ編20位にランクインした同名マンガが原作。軽度の知的障害と自閉症がある上戸有紗(小野さん)は、障害を隠して働いているが、仕事でのミスが多いためすぐにクビになってしまう。そんな自分に強い劣等感を抱えていたが、新しいアルバイト先の先輩、岡村龍二(風間さん)と出会い、彼の優しさに触れることで少しずつ変化していく……というストーリー。

 「有紗の劣等感の根源は、知的障害の有無が大きな要素になるので、大切にしなければならないポイントだと思い調べていく中で、10人いれば10人の症状があり、悩みがあるということがわかりました。障害があるからということではなく、有紗はこういうことが苦手なんじゃないか、こういう人生を送ってきたんじゃないか、有紗ならどうするかというような
結局はいつもの役作りと同じアプローチをとっていたなと思います。不器用な有紗が一生懸命に生きて、恋をして愛を知り成長していく。そういう物語になったら良いなと思いました」と話した小野さん。

 有紗が感じる「劣等感」や「不安感」は、小野さん自身も共感できることだといい、「障害がなくても、生きている中で感じる慢性的な劣等感という点はすごく共感できる。軽度知的障害のある有紗特有の感情の流れかのように見えるかも知れないが、実は障害の有無に関わらず多くの人の共感を誘うのがこの作品が愛されるポイントだと思いました」と話す。

 有紗を演じるにあたり、当事者の取材映像を見たり、本を読んだりして、芝居に挑んだというが、有紗の“言葉がすぐに出てこない”という所には、苦労した。

 「小さい頃からこのお仕事をさせていただいてる私は、反射的に何かを言うクセがあって。反射的に言葉が出ない、というのは対極の表現方法で、会話のテンポ感の違いは最初はすごく悩みました」

 ◇風間俊介は「バランス感覚が非常に優れた方」

 今回が地上波の連ドラ初主演となるが、主演として心がけていることを聞くと、「ありがたいことに、全くなく……」と明かした小野さん。「皆さんにお世話していただいて、必死にやっています。毎日健やかに現場に行く、それだけでございます!」とにっこり。

 風間さんにも助けてもらっているといい、「バランス感覚が非常に優れた方で、自分がどう主張するかではなく、皆がどんな状態なのかを見て、それでいて自分がどういう立ち居振る舞いをしたら“最善のピース”になれるのかというのを常に考えていらっしゃる」と印象を明かす。

 風間さんは、『1』も話してないのに『10』まで理解してくださるんです。人間としてできあがった素晴らしいお方」と続けていた。

 「自分がどうしたいか、というよりは、相手のことを考えすぎて空回りする特性」である有紗。「結果的に失敗しちゃうこともあるけれど、相手を思ってという感情の源が魅力的。最終的には有紗という人間が多くの方に愛されるようになればうれしいです」と話した小野さん。

 最後に、視聴者に向けて「たくさんの人に愛されている原作の主人公の有紗を初主演としてやらせていただけるという喜びとともに、自分が実写化するということに対する恐怖心を感じながら撮影をしました。可愛くて、愛される有紗を信頼できるスタッフさんと共演者の方と必死に作ったつもりです。一生懸命生きる有紗を一生懸命にやらせていただきました。どうか多くの人に愛される作品になればいいなと思っています。どうかどうか、よろしくお願いいたします」と呼びかけた。

写真を見る全 3 枚

テレビ 最新記事