ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
電撃文庫(KADOKAWA)のライトノベルが原作のテレビアニメ「七つの魔剣が支配する」が7月にTOKYO MX、BS11ほかでスタートした。確固たる信念を胸に秘め名門キンバリー魔法学校に入学した少年・オリバー=ホーンが、仲間と出会い、さまざまな困難に立ち向かう姿を描く学園ファンタジーで、声優の田丸篤志さんがオリバー、貫井柚佳さんがオリバーのクラスメートとなる日の国(やまつくに)出身の“サムライ少女”ナナオ=ヒビヤをそれぞれ演じる。田丸さん、貫井さんに作品の魅力、収録の裏側を聞いた。
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田丸さん 元々、魔法世界を舞台にしたファンタジー作品が大好きでした。この「七つの魔剣が支配する」もイラストや第1話の冒頭を見て「ワクワクする作品だな」と思ったのですが……読み進めていくと、主人公が“ある目的”を持って舞台となるキンバリー魔法学校に入学していたり、魔法使い特有の一生かけて成し遂げたい野望を持ったキャラクターがたくさんいたり。ただ楽しいだけではない、シリアスもうまく融合されている作品だと思いました。
貫井さん 私も魔法ファンタジーが大好きです! いつか魔法を使いたいと思っています(笑い)。「七つの魔剣が支配する」は、私も田丸さんと同じく、冒頭の魅力的な魔法学校の世界観や魔法生物にワクワクしていたら……想像以上にダークな物語が広がり、驚くと同時にさらに引き込まれていく作品だと感じました。作品においての重要なキーワードとなっている「魔に呑(の)まれる」とは一体何なのか……。怖いと思いながらも独特な世界にどんどん読む手が止まらなくなりました。また、中二心くすぐるせりふや呪文がたくさんあって、そこもワクワクぞくぞくします!
田丸さん ありがたいことに、声優という職業に就いていると、魔法や呪文を使う機会が多いです(笑い)。貫井さんと同じく、いつか実際に使えるようになってみたいと僕も思います。
田丸さん これに関しては、作品やキャラクターによりますね。先を知ってしまうことによって演技に余計な感情が入ることがあるので、「知らない」を表現するためには、知らない状態で演じた方が良いと思っています。今回のオリバーの場合は、いろいろなものを抱えて学校に入学してきたという前提があるので、先を知った上で演じた方が良いと思いました。
田丸さん 面倒見が良く、人への思いやりを持った少年です。大人びた雰囲気はまとっていますが、すごく優秀というわけではない、この作品に出てくるキャラクターたちと比べると「普通の少年」という言葉がピッタリなのではないでしょうか。しかし、それは表向きのオリバー。先ほども言ったように、目的を持って学校に入学しているという裏の顔があります。そこだけは唯一普通ではない部分ですね。
貫井さん ナナオも二つの顔……ではないですが、無邪気な表情を見せたかと思いきや戦闘シーンではりんとする、ギャップを持ったキャラクターだと思います。でも揺るがない一本の芯を持っていて、真っすぐで素直な性格が魅力です。魔法学校に通っているのに魔法に無知という異質な存在で、空気が読めない発言をして周囲を驚かせることもありますが、そこが彼女の可愛いところでもあります。また、ナナオのこういった行動・発言によって物語が動くこともありますし、この世界にスパイスを加える重要な存在だという印象を持ちました。
田丸さん きっとナナオはナナオなりに考えて行動しているとは思うのですが、エスメラルダ校長に対してすごく気軽に話すシーンがあって、なぜか僕自身も「やめとけやめとけ!」となってしまいました(笑い)。でも、他の人がそんな態度を取ったら「けんか売ってんのか?」となるのに、ナナオは許してしまう魅力がある。すごく純粋で真っすぐで、オリバーの周りにこれまでいなかったタイプなので、彼もそこに魅力を感じたのではないでしょうか。
貫井さん オリバーは、面倒見が良いお兄ちゃんみたい。みんなのことを支えてくれるので、精神的支柱になっているキャラクターだと思います。落ち着いていますがクールというわけではなく、戦闘シーンで声を張り上げることもあって、そのギャップにひかれます。
田丸さん オリバーを演じる上で「余計なことはしない」と決めました。印象にもつながるのですが、彼は“普通”なので。言葉を強く強調したり、抑揚をつけるとオリバーには不要な“意味”が生まれてしまので、基本的なせりふを発する時はナチュラルさを意識しています。「ここはちょっとこうしてみようかな?」って工夫したくなるシーンもたくさんあるんですけどね(笑い)。でも、やりすぎるとキャラがだんだん濃くなっていくんです。オリバーはそうであってはならないと思い、「余計なことはしない」と常に意識して演じました。
貫井さん 田丸さんの言う「ナチュラル」とは意味合いが違うのですが、ナナオは私、貫井自身のナチュラルなところを生かして演じようと思っています。というのも、声の出し方などが、友達といる時の私の地声に近いんです。私はお芝居をする時、「ここはもっとかれんな音で」「ここは控えめに」など声をチューニングしてそのキャラクターを表現することがあるのですが、主に日常シーンのナナオは、すごく自分の普段のしゃべりに近いところで演じられている感覚があります。といっても性格は全然違うので、頭に浮かんだ言葉をすぐ口に出したり、考えるよりまず行動するという、ナナオの元気で勢いのある性格を表現できるように意識しました。
田丸さん キャラクター性については何も言われず、最初に自分で作っていったものがそのまま採用されました。「ここはもうちょっと元気に」などの細かいニュアンスの指示はたくさんありましたけどね。ただ、ある敵を倒すシーンにおいては、最初は強い憎しみを持って演じたのですが「もっと仕事を淡々とこなすような演技にしてほしい」と言われました。その理由として、彼の生い立ちがあってのことだと説明を受けて「なるほど」と納得しましたね。
――では、特にリテークが入ることはなかった?
田丸さん 言いづらい呪文があって、そこにリテークが入ったくらいですね。「フランマ」(※火炎呪文)なのですが、オリバーとしてその言葉を言おうとすると、なぜかうまく言えなくなってしまいました。これまでも多くの作品で呪文や必殺技を使う機会があったのですが、こんなにリテークが入ったことは一度もなかった。「フランマ」だけですよ、僕を苦しめた呪文は(笑い)!
貫井さん ナナオは「魔法って?」「呪文ってなんぞ?」というところから始まるので、あんまり呪文を唱えないんですよ。私は逆に唱えたいのに(笑い)! なので、呪文を使う時は「たどたどしい感じで」という指示をいただきました。
田丸さん 同じ「フランマ」という呪文でも、台本ではナナオの部分だけ平仮名になっているんですよ。
貫井さん そうなんです。他の皆さんはカッコよく呪文をきめていると思いますが、ナナオだけは、同じ呪文でも少し違う響きに聴こえていましたらうれしいです……!
田丸さん 裏がない芝居って、意外と難しいんです。ちょっとせりふに力が入ってしまったり、語尾に少し息が混じってしまうだけで裏があるキャラクターに見られてしまう。でも、貫井さんはそんな裏がないお芝居ができる技量を持った方だと第1話の収録の時に感じました。
貫井さん オリバーのことを「精神的支柱になっているキャラクター」だと言いましたが、田丸さんもそうなんです。お隣にいてくださるからこそ、安心してナナオが演じられる。お芝居でも支えられていました。
田丸さん 僕はすぐ転校すると思います。原作や台本を読んでこれから起こる展開を分かった上で言いますが、人間は絶対にここで生き残ることはできないと思います(笑い)。
田丸さん う~ん、だったら調子に乗らないように気を付けて生活すると思います。先輩たちに目をつけられないように、学校内にある危険な場所に近づかないように……(笑い)。
貫井さん 私は小中高の時、そこそこ成績が良かったので、可もなく不可もなく卒業できると思います(笑い)!
田丸さん 点数が高いと先輩に目を付けられちゃうよ?
貫井さん 目を付けられないぎりぎりのところを狙います! でも、ちょっとは刺激が欲しいので……危ない階層の手前でちょっとケガをするくらいで帰ってきたいですね(笑い)。
田丸さん ちょっとのケガなら魔法で治せるしね。
貫井さん 腸(はらわた)が出てもなんとかなるみたいなので(笑い)。多少のケガを負って、「こんなことがあったんだよ」と武勇伝にします。そういう思い出だけ作って、無事に卒業したいですね(笑い)。
田丸さん ほぼ全てのキャラクターが何かを抱えていて、それにあらがう姿や目的に向かって突き進む姿が魅力的に描かれています。最初に話した作品の印象で「ワクワクとシリアスの融合」と言いましたが、その絶妙なバランスに絶対にハマると思うので、そういったところに注目してぜひアニメを見てみてくださいね。
貫井さん 命がけで学校に通う中で、メインキャラクターの6人や関わる人たちが照れちゃうくらいのまぶしい青春を送っています。その結束力や絆、それぞれの成長に注目してください。バトルシーンの凝ったエフェクトや音楽、演出が本当にすごいです! ぜひ細部まで楽しんでください!
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