田牧そらさん主演で、7月3日にスタートしたBS松竹東急の連続ドラマ「カメラ、はじめてもいいですか?」(月曜午後10時半)に出演している手島実優さん。初の連ドラレギュラーで、主人公の女子高生・池田ミト(田牧さん)の隣人のカメラマン・綿矢チサトを演じている。「フイルムもデジタルも、私生活ではカメラというものに一度も触ったことがなかった」と明かす手島さんが、撮影を通じて新たに触れたカメラの世界とは? 役どころや共演の田牧さんの印象とともに語ってもらった。
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「カメラ、はじめてもいいですか?」は、人気イラストレーター・しろさんの同名マンガが原作。田牧さん演じる自分に自信が持てない女子高生・池田ミトが、カメラの奥深さを知り、カメラを通じて少しずつまわりと打ち解けていく姿を描く、青春ドラマだ。
手島さん演じるチサトは、ミトにカメラの奥深さを教える、ミトにとって憧れの存在だ。カメラの扱いに関しては、劇中と同じタイプのものを貸してもらい、撮影まで練習を重ねた。
「お借りしたものでマニュアルで撮っていくうちに、いろいろな人が口にする“ファインダー越しの世界”というものを初めて理解できたというか。普段見ている自分の家の中や近所も、ファインダー越しに見るとすごくよくて。自分の好きなものもより鮮やかになる感じ。これが、みんながカメラにハマる理由なのかもしれないと感じました」
カメラに対する興味は元々ゼロで、「iPhoneでいいかなと思っていた」という手島さんが、“自分のカメラ”の購入を考えるまでになった。
「カメラという写真を撮るためだけの機械があって。それにみんながとりこになる理由、みんながみんな造詣が深くなっていく理由を、練習の時点で知ることができたのも、とても大きかったです」
劇中には、さまざまな種類のカメラが登場。カメラについての説明もたくさんあり、カメラ好きにはたまらない内容である一方で、手島さんは「物語のメインはコミュニケーション」と考える。
「私自身は、大切な人とどう向き合うか、自分とどう向き合うかがメインテーマのような気がして。カメラはそれを助けてくれるもの、というか。カメラを通して、よくも悪くも自分が出る、という印象も持ちましたし、チサトとミトちゃんの場合、カメラをツールに、今までよりも世界を広く感じるようになるっていうお話にもなっていると思います」
演じるチサトについては「悪くいえば八方美人。いろいろな人によく思われたいというか。そういう気持ちが根本にあるのは自分と同じ」と共感を寄せる。
「それが吉と出るか、そうならないかはシチュエーションにもよるのですが、基本的にみんなにいい印象を持ってもらいたい気持ちは自分も分かりました。それゆえの葛藤、自分で自分の首をしめてしまう部分もすごく理解できました」
そんなチサトを慕うミトと、ミトを妹のように可愛がるチサトの関係性や二人のやりとりは、ドラマの見どころにもなっているが、演じるにあたって意識したこととは……。
「自分について考えるシーンとミトちゃんに対してのシーン、そのほかの人たちとのシーンと、それぞれの接し方をしっかりと演じ分けられたらいいなとは思っていました。そのベースには、チサトの人に好かれたいという気持ちがある、というふうにしたかったので、カメラを上手に扱えるかどうかも気を付けたのですが、それ以上にキャラクターが生き生きと見えたらいいなと。お芝居って対人との行為なので、当たり前のことではあるのですが、役の気持ちの伝え方は結構、意識して分けたりはしました」
チサトという役を通して、主人公のミトとのコミュニケーションを重ねていくうち、「すごく認めてもらえた感があった」とも話す手島さん。
「チサトが一番やりたいカメラや写真のことと向き合って、初めて自分の内面や他者との接し方を考えさせられるという、そのコミュニケーションによって(自分の心が))“ほどかれていく感じ”が終わったときありましたし、それが映像に出ていたらいいなって」
そういった意味でもやはり、ミト役の田牧さんとの共演シーンはドラマにとって重要。現在25歳の手島さんは、16歳の田牧さんから、どんなことを感じ取ったのだろうか。
「そこまで年齢が下の子とお芝居をするのは初めてでしたが、田牧さんが本当に素晴らしくて。純度がすごく高いんですよ。感情の純度、ピュアさが全身から伝わってきて、そこの破壊力に圧倒されました、『16歳ってこんな感じなんだ』と。もちろん、田牧さんが特別なのもしれないのですが、そのピュアさ、素直な状態での強さってあるんだと、1カ月感じっぱなしでした」