テレビアニメ化もされたなもりさんの人気マンガ「ゆるゆり」のスピンオフ「大室家（おおむろけ）」が原作の劇場版中編アニメ2部作「大室家 dear sisters」「大室家 dear friends」の収録が実施され、メインキャラクターの大室三姉妹を演じる大室櫻子役の加藤英美里さん、大室撫子役の斎藤千和さん、大室花子役の日高里菜さんが参加した。同作は、「ゆるゆり」シリーズの約4年ぶりとなる新作アニメで、加藤さんらは再会を喜び、作品への思い、収録の裏側を語った。

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　－－アニメ「大室家」の制作を聞いた時の感想は？

　加藤さん　「ゆるゆり」シリーズのスピンオフとして大室家の三姉妹がピックアップされた時もすごくうれしかったのですが、今回そんな「大室家」がアニメ化されると聞いて、信じられないような気持ちでいっぱいでしたね。原作がスタートしてからずいぶんたっていることもあって、そんな中でのアニメ化は珍しいし、うれしいなと。それはやはりファンの方々が長年にわたって応援してくださったり、アニメ化を望んでくださった声が大きかったからなのかなと思いました。

　日高さん　私は毎年のように「『大室家』アニメ化しませんか」って言い続けていたんです。昨年「ゆるゆり」と「大室家」がアトレ秋葉原さん、アキバ・トリムさんとコラボしましたよね。その館内ボイス収録の時も私は、「大室家の3人をアニメで見たいです」って言っていたんですよ。最後の収録の日も言っていたら、スタッフさんたちの反応にいつもとは違う空気を感じたんですよね（笑い）。もちろんその場では何もおっしゃっていなかったんですけど。ただ毎年言い続けている私としては、「おや？」って。今思い返すと、あの時からもう動いていたのかなって思いました。その後、「大室家」アニメ化を聞いて、やっぱり！と思ったけど、まさか劇場版、しかも2本もあるなんて。まさかまさかの超ぜいたくなサプライズでした。

　斎藤さん　私は、先に「大室家」映画化に関するアフレコ以外のスケジュールを見つけてしまって、「なんだろう？」と思ったのが最初ですね。その後に収録スケジュールが入ったので、「ゆるゆり」の中の1本とかなのかなと思ったんです。あるいは同時上映とか。だから「大室家」だけの作品だと聞いた時はすごくびっくりしました。さらに、2本立てというのはまさにきょう知りました（笑い）。

　加藤さん　私もです（笑い）。

　－－久しぶりにキャラクターを演じていかがでしたか。

　加藤さん　実は大室家3人そろってちゃんとアフレコしたのは、ほぼ初めてなんです。アニメの時に1回ちょっとやったかな、ぐらいで。

　日高さん　「ゆるゆり」が始まってすぐの時に一度だけあったような気がします。それぐらいしかないんですよね。

　加藤さん　私の収録が終わった後にお二人が来たので一瞬だけ3人で録（と）ったことはあったと思うけど、ここまでずっと一緒にやれたのは初めて。アトレとトリムのボイスも個別の収録だったし、一迅社さんのYouTubeの企画で行った“大室家ラップ”（【大室櫻子ch】 櫻子のモーニングルーティーン★平日の朝編【初公開】）も1人ずつ録ったので（笑い）。櫻子は長い間演じているキャラクターですが、学校でも家でも彼女のあのテンションは変わらないだろうと思い、楽しく演じました。自由な櫻子が姉妹の中心にいるような様子も肌で感じることができたのも楽しかったです。

　日高さん　花子を演じるたびに「本当にしっかりしているなぁ」って思うんですが、末っ子だけどお姉さんたちにちゃんとツッコミを入れたり、やれやれってなっているのも相変わらず。一方でちょっと照れたりと可愛らしい部分もあって、このギャップが花子だよねって思いました。

　斎藤さん　撫子は、下の2人がいてこそのこの立ち位置。撫子のせりふだけを聞くとちょっと冷たく感じるような言葉も、2人に向けると温かさが生まれるなと思いました。家族だからこそ分かる、許されるようなやりとりもありますしね。さらに、今作では、撫子の新しい顔が見られるせりふがあるんですが……。

　加藤さん　キュンとしました！

　斎藤さん　ここでの撫子は、家族との話し方とはまた少し違う感じなんです。現場でも3人で「このせりふ、ドキドキする！」と話していました。

　－－最後にファンへメッセージをお願いします。

　斎藤さん　「大室家」劇場アニメ化、本当にうれしいです。きょう初めて三姉妹そろって収録できたのですが、それもすごく楽しかったですね。その雰囲気が作品に乗ったらうれしいなと思いますし、ずっと楽しみに待ってくださっていたみなさんの期待を裏切らないよう、これからの収録も頑張りたいと思います。みなさんと直接お会いできるその日を楽しみにしています。

　日高さん　アニメの続編はもちろん、ファンのみなさんの応援にもありがたい気持ちでいっぱいですね。映画のサブタイトルが「dear sisters」と「dear friends」ということで、三姉妹の家での過ごし方や友達との会話などを私も今から想像しています。今は、これからどんな物語が見られるのかワクワクできる期間ですし、公開されたらまた感想を言い合ったり、楽しんでいただけるだろうなと思います。引き続き応援よろしくお願いします。

　加藤さん　実はこの取材、同席しているスタッフさんたちが作品の大ファンで、映画化に大喜びしたと熱く語ってくださいました。「ゆるゆり」が大好きな方たちが集まって「大室家」が作られていることがきょう分かり、私もとてもうれしいです。私が今感じている安心感とワクワクを公開日までたくさん伝えていきたいですね。そしてもし舞台あいさつがあれば、みなさんと一緒にラップ調で「大室家！」ってコールをしたいな（笑い）。ぜひその日を楽しみにしていてください。応援よろしくお願いします！

　「ゆるゆり」は、「コミック百合姫」（一迅社）で連載中のマンガ。存在感の薄い主人公の少女・赤座あかりや、お調子ものでパワフルな歳納（としのう）京子ら女子中学生4人が、旧茶道部の部室を勝手に占拠して日々をのんびり過ごし、生徒会に目をつけられながらも、だらだらと日常を過ごす……というストーリー。テレビアニメ第1期が2011年7～9月、第2期が2012年7～9月、第3期が2015年10～12月に放送された。

　「大室家」は「コミック百合姫」で連載中。「ゆるゆり」に登場する大室櫻子、大室撫子、大室花子の大室三姉妹の日常が描かれている。アニメは、龍輪直征さんが監督を務め、パッショーネ、スタジオリングスが制作する。2024年公開。