ファイルーズあい:マーベル作品の朗読に挑戦 声で魅せる芝居の難しさ ヒーロー論も

オーディオブック「Marvel’s・ウェイストランダーズ:ホークアイ」でアッシュの朗読を担当したファイルーズあいさん
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オーディオブック「Marvel’s・ウェイストランダーズ:ホークアイ」でアッシュの朗読を担当したファイルーズあいさん

 Amazonの音声コンテンツサービス「Audible(オーディブル)」とマーベル・エンターテイメントがコラボしたオーディオブックシリーズ「Marvel’s・ウェイストランダーズ」の第2弾「Marvel’s・ウェイストランダーズ:ホークアイ」が9月29日に配信を開始した。同シリーズは全6シーズンで、さまざまなマーベルのスーパーヒーローに焦点を当てたストーリーを展開しており、第1弾はスター・ロードのエピソードが描かれた。ホークアイにスポットを当てた第2弾では、声優の鳥海浩輔さんがホークアイ、ファイルーズあいさんが少女アッシュ、朴ロ美さんがアッシュの母・ケイトを演じ、豪華声優陣が集結した。アッシュ役のファイルーズさんに作品の魅力や、朗読ならではの難しさ、ヒーローへの思いを聞いた。

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 ◇ヒーローも1人の人間 助けられる側の身勝手さ

 --「Marvel’s・ウェイストランダーズ:ホークアイ」は、ヒーローが悪党に皆殺しにされた世界を舞台に、アベンジャーズの唯一の生き残りであるホークアイが復讐(ふくしゅう)を果たそうとする姿が描かれます。出演が決まった際の気持ちは?

 私の友達やその周囲でもマーベル作品のファンがたくさんいて、それぞれの作品に対するスタッフさんやファンの熱量の高さを知っていたので、とてもプレッシャーを感じた反面、Audibleという「声で魅せる芝居」という新しい試みにチャレンジすることに、とてもワクワクしました!

 --ストーリーの印象は?

 「1人のヒーローも、1人の人間」ということがとても繊細に描かれている作品だなという印象を受けました。私は正義のヒーローって、人格者で、人気者で、優しくて、愛される人の良さとカリスマ性が求められると思うんですが、それって結局「助けられる側」の民衆のエゴだと思うんです。ヒーローがそこにたどり着くまでにどんな経験したかを勝手な解釈で押し付け、少しでも期待と違えば容易に切り捨てる……そんな人間の身勝手な部分をよく描写していると思いますし、登場人物全員が、実在する人間のようにちゃんと長所と短所があり、それがしっかり描かれています。聞いていて夢中になります。だからこそ、耳からの情報だけで表現するAudibleの作品にピッタリだと思いました!

 --演じるアッシュは、ホークアイと行動を共にし、ヒーロー不在の世界で「真のヒーローとは何か」を学ぶことになります。アッシュの魅力、共感するところは?

 思春期の女の子特有のかんしゃくを起こしたり、もどかしさを爆発させたりと、等身大な女の子だなと思いました。しかしながら、父クリントからは逆境に直面した時の具体的な切り抜け方、母ケイトからは芯の強さを受け継いだとても強い子です。そして彼女自身が今までたくさんの苦労をしてきたからこそ、どんな人も色眼鏡で見ないところが魅力的です。「わたしはわたし、あなたはあなた。」と言う考え方が、自分と似ているかもしれません。

 ◇素晴らしい台本をたくさんの人に伝えられるように

 --朗読する上で意識したこと、大切にしたことは?

 耳からの情報しかない分、脚本家さんや翻訳家さんがとても工夫をして台本を作ってくれています。なので、その素晴らしいお仕事をよりたくさんの方に伝えられるように、音の強弱を変えたり、実際のアッシュの動きをリアルに想像しながら芝居をしました。

 --アニメなど映像作品とは違った難しさや、面白さを感じた部分は?

 今回は通常のドラマCDとは違い、実際に収録済みの英語の音声を聞きながら同じ尺に収まるように演技することが求められました。映画の吹き替えの映像が無い版みたいな。日本語と英語ではアタックを込める場所も違いますし、もっとゆっくりこのせりふを言いたい!と思っても、英語の尺に置いてかれないようにしなければいけなかったり……それが本当に難しかったです! また、映像があればキャラクターの心情を察する材料がたくさんあるのですが、音声のみなのでそこからニュアンスを拾うという作業が本当に難しかったです……が!音響監督のショーンさんがカナダ在住経験があり、そのネーティブの英語スキルを生かしてたくさんのアドバイスをくださって、本当に助かりました!! 文字通り、みんなでアッシュというキャラクターを作っています。

 --自身にとって憧れのヒーローは?

 ある作品で、しかも幸運なことに私が演じる機会を得られたとても大切な女性キャラクターがいます。声優になったきっかけもそうですし、人生を諦めようとした時、いつも私の心の中を光で照らしていてくれたので、彼女の存在無くして今の私はありません! 彼女がいたから声優になれましたし、声優になれたからアッシュにも出会うことができました。そんな彼女も、物語の序盤では父親に反抗していたので、アッシュに似ている部分があるかもしれません(笑い)。

 --「Marvel’s・ウェイストランダーズ:ホークアイ」の見どころを教えてください。

 最初は自分を見失い、常に怒りを抱え続けていたアッシュが、さまざまな出来事や人との出会いを通じて成長していきます。その歩みは遅いかもしれませんが、確実に一歩ずつ進んでいますし、そんなアッシュの姿を一緒に応援していただけたらうれしいです。そしてとにかく登場人物が人間くさくてリアリティーがあり、説得力があるので物語に引き込まれます! ぜひ、Audibleで楽しんでくださいね!

 「Audible」は、小説やビジネス書といった人気書籍などをプロのナレーターが朗読した音声コンテンツで、スマートフォンやパソコンなどで楽しむことができる。「Marvel’s・ウェイストランダーズ」は、今後「ブラック・ウィドウ」「ウルヴァリン」「ドゥーム」を配信予定。

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