ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
電子マンガ・ノベルサービス「ピッコマ」で国内累計6億5000万PVを突破するなど全世界で人気を集める「俺だけレベルアップな件」のテレビアニメが1月6日からTOKYO MXほかで放送される。異次元と現世界を結ぶ通路のゲート、ハンターと呼ばれる特殊能力を持つ人間たちが存在する世界を舞台に、最低のEランクのハンターで“人類最弱兵器”と呼ばれる水篠旬が突然、自分だけがレベルアップする力を手に入れ、最弱から最強に駆け上がる……というストーリー。水篠旬役の坂泰斗さん、D級ハンターの諸菱賢太役の中村源太さん、S級ハンターの向坂雫役の上田麗奈さんに、同作への思いや収録で“レベルアップ”したことなどを聞いた。
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坂さん 主人公が泥くさく努力をして、その過程をすごく丁寧に描いています。主人公だけではなくて、登場する全てのキャラクターにそれぞれ理念や信念があることも感じました。
上田さん シビアな世界観で、戦闘も容赦がなく、モンスターたちが恐ろしい存在として描かれています。最弱な旬君がなにくそ根性で進んでいく姿に複雑な気持ちになりつつ、でも励まされる部分もあって、不思議な感覚を味わいました。旬君はどうなってしまうの? レベルアップした先で何を得て、失うの?……と続きがとても気になりました。
中村さん まず、フルカラーなんだ!とびっくりしました。絵のクオリティーが高く、それがずっと続いている、というのが第一印象でした。アニメでもすごく丁寧に描かれていて、アニメならではのよさがありますよね。
坂さん 旬の考え、境遇にすごく共感できるところがありました。僕自身も劣等感がありますし、旬はなにくそ根性を持っているキャラクターで、それが行動理念につながっています。諦めかけていた時に、一つのチャンスをつかみ、死ぬ気になって取り組む。僕らも死ぬ気でお芝居をしますし、そこにすごく共感して、ありのままの自分を出すことができたんじゃないかと思います。
中村さん 最初、明るくて優しい子なのかな?という印象がありました。御曹司ということもあって、悪意がなく、素直に言葉にするところがあります。素直で可愛い印象です。
上田さん S級ハンターで強くて、美しく、格好いい。主人公の旬君が泥くさいこともあって、この世界観の中で少し浮いているようにも感じる、超越した印象を受けました。ただ、すごく真面目な性格で、努力家なところも見受けられます。この世界で生きていかねばならないというどうしようもないところから努力していて、いっぱいいっぱいでもあり、そこがクールな魅力にもつながっている感じがします。
坂さん 旬は、毎話ごとにレベルアップをしていて、見た目、体つきもそうなんですけど、考え方も含めて変化していきます。最初に成長する前の段階のスタート地点を決めなければいけないのですが、「まだ強さが残っている」というディレクションがありました。ジレンマや葛藤があり、実績を重ねることで、自信につながっていきますが、芯の強さは最初から最後まで変わっていないとも思います。結果として弱いという案配を見つけるのが難しかったです。成長するにつれ、見ている方向も変化します。収録中に自分の姿勢も変わりました。最初は、マイクを下の方にしていただき、猫背で、うつむき加減で演じ、レベルが上がっていくにつれ、マイクの位置もだんだん上になっていく……と毎回、わがままを言って調整していただき、ありがたかったです。姿勢が変わると、吸える空気の量も変わり、響きも変わってくるので。
中村さん 諸菱君のランクはD級で、この世界においては強い部類ではありません。武闘派ではなく、勉強を頑張ってきたタイプです。そのため、強さを出さないように意識しました。彼は素直な子なので、素直に感じたものを出していこうとしました。
坂さん 悪気はないんだよね。
中村さん そうなんです。可愛さがあるとも思っていたのですが「そんなに可愛く作らず、普通でいいよ」というディレクションがあり、素直で普通であろうとしました。
上田さん 私は最上さん(平川大輔さんが演じるS級ハンターの最上真)と話すシーンが多かったんですが、彼は雫にとって上司にあたる存在です。掛け合いの中では、自然と、ハンターとして振舞っている真面目さ、ここで頑張るぞ!というけなげさが出たように思います。ほかの人と関わるとどうなるんだろう?という可能性を残しつつ、演じたところもあります。姿勢は、ほかの現場よりもピンとしていました。雫は、元々、スポーツをやっていた人なので、自分がいかに速く走れるかなど、自分との戦いという意識も強いはず。誰かに対してアピールするのではなく、自分の理想を追い求める職人気質みたいなところがあるのかな?と意識しながら頑張りました。
坂さん 似ているところ、共感できるところが多すぎて……。僕は声優という仕事をやらせていただいて7、8年目くらいなのですが、E級の旬の苦しみがよく分かります。できる力があるか分からないけど、挑戦したい、チャンスがほしいという気持ちが痛いくらい分かって、だからこそ、せっかく手に入れたこのチャンスは死ぬ気で全うしようとする。原作を読んでいて、心が痛いところもありました。苦しくて苦しくて、でも笑うしかないというシーンもあって、僕自身苦しくもありました。
中村さん ちょっと調子に乗ってしまうところでしょうか。・
坂さん そうだね(笑い)。
中村さん 直さないといけないと思うんだけど。
坂さん 直さないでいいよ! 中村君のおかげで現場が和むし、なくてはならない存在です。
中村さん もっと言ってください!
坂さん (笑い)。
上田さん 雫はスポーツをやっていたけど、能力の目覚めと共に挫折して、ここで頑張るしかない!という気持ちでハンターとして活躍しているように見えます。余裕そうに見えるんだけど、いっぱいいっぱいで。その一生懸命さに共感しました。私も挫折をきっかけに、いろいろ変化して、声優として生きていきたい!いかねばならない!となり、本当にいっぱいいっぱいで、常に全力でやっている……とその感じが分かる気がするんです。
坂さん 喉が強くなりましたね。ぶっ倒れてもいいくらいの気持ちで演じさせていただき、限界値のレベルが上がった感覚がありました。
中村さん 坂さんのお芝居を近くで見させていただき、ここまでやるんだ!と役者根性を感じました。立ち上がれなくなるくらい叫んでいて、自分もレベルアップして、この領域にいきたい!と勉強になりました。
上田さん お二人と収録で一緒になる機会がなかったので、収録を重ねるごとに、お二人の演技を聞きたいという思いがレベルアップしていました。
上田さん お二人のお芝居は、予想を超える情報が詰まっていたんです。声から生活感、それまでの人生などいろいろな情報が伝わってきました。だからこそ没入感もあるし、世界観に説得力が生まれます。お二人のお芝居のここがすてき!とメモを取っていました。
坂さん&中村さん そのメモ、ほしい!
坂さん、中村さん、上田さんの“S級”の演技にぜひ注目してほしい。
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