名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
人気アニメ「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの完全新作となる劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」(福田己津央監督)が1月26日に公開される。2002年に放送をスタートした「SEED」シリーズは“21世紀のファーストガンダム”とも呼ばれ、ガンプラ(プラモデル)も好調で、小学生を中心に“第二次ガンプラブーム”を巻き起こした。ガンプラは、進化を続けてきた歴史がある。2002年から20年以上がたち「SEED FREEDOM」のガンプラはどんな進化を見せてくれるのだろうか? 「SEED FREEDOM」のガンプラを開発したBANDAI SPIRITS(バンダイスピリッツ)ホビーディビジョン クリエイション部の栗原直也さんに聞いた。
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「機動戦士ガンダムSEED」は、2002年10月~2003年9月に放送され、続編「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」が2004年10月~2005年10月に放送された。「SEED FREEDOM」は「SEED DESTINY」の続編で、バンダイスピリッツの「HG」シリーズから「HG 1/144 ライジングフリーダムガンダム」「HG 1/144 イモータルジャスティスガンダム」が、公開日の1月26日に発売され、その後も新モビルスーツ(MS)のガンプラが続々とラインアップに加わる。
「HG」シリーズは、ガンプラのスタンダードと呼べるブランドで、エントリーユーザーからコアユーザーまで含めた幅広い層をターゲットとしている。劇場版は、2006年に制作が発表されたが、その後は長らく続報が途絶えていたこともあり、長年、公開を待ち続けてきたファンも多い。「ガンダム」シリーズから離れていたが、「SEED FREEDOM」をきっかけに戻ってくるファンもいるはずだ。「SEED FREEDOM」のガンプラは、そんな「SEED」シリーズの全ファンをターゲットとした。
「SEED FREEDOM」のガンプラは、新機構の“SEEDアクションシステム”によって“種ポーズ”とも呼ばれるダイナミックなポージングを実現した。「SEED」の放送当時に発売されていたエントリーモデルは、可動域が広いとは言えず、アニメのような“種ポーズ”はできなかった。進化のポイントとなったのは、可動域の拡大だ。
「現行作品のガンプラを開発するにあたり、進化のポイントを決めています。例えば『機動戦士ガンダム 水星の魔女』では、これからガンプラを始める人に向けてインモールド成形や組み立てやすい機構をポイントとしました。『SEED』と言えば特徴的なポーズが印象的です。SEEDアクションシステムによってダイナミックなポージング、アクションの実現を目指しました。20年ぶりに『SEED』のガンプラを作る方もいらっしゃるはずです。そんな方に、ガンプラはこんなに進化したんだ!と感じていただきたい。放送当時、300円くらいのキットも発売されていて、それをきっかけにガンプラを始めた人も多かったのですが、当時のガンプラは可動域が狭く、作中のアクション、ポーズは再現できませんでした。最新技術でそこを表現しようとしました」
どの可動域を拡張すれば“種ポーズ”を再現できるのか? SEEDアクションシステムで肝となるには「首」「肩」「胴体」だという。
「アニメのポーズ、アクションはどこが動いているのかを研究し、首、肩、胴体の動きが重要であることが分かりました。首を上下左右に動かすことで、相手をにらむような印象を与えることができます。肩の可動は、軸の位置や形状を見直しました。ストレスなく可動し、アニメのような肩が上がるポーズ、顔の横からビーム・ライフルを撃つポーズも可能です。一番重要なのが胴体です。『SEED』シリーズは、猫背になったり、反ったりして胴体が極端に動くポーズ、アクションが特徴です。前傾、後傾だけでなく、横にも動くようにして、ダイナミックなアクションを再現しようとしました」
可動域を広げると、パーツ数が多くなり、組み立ての難易度が上がる。耐久性も確保しなければならない。
「HGシリーズは、エントリーユーザーにも楽しんでいただきたいので、パーツ数を抑えなければいけません。最近ですと、RGシリーズの『RG 1/144 ゴッドガンダム』の可動域の広さが話題になりましたが、上級者向けなので、パーツ数が多くなっています。ゴッドガンダムを参考にして可動域を広げつつ、簡単に組み立てることができるようにしようとしました。軸の位置などを工夫して、これまでのHGシリーズにはない動きを目指しました」
「HG 1/144 ライジングフリーダムガンダム」は、MA形態に変形するほか、背部のウイングや砲塔の展開、腰部レールガンの砲身の伸長などによってハイマットフルバーストを表現できる。ウイングの設計にも苦労したといい「閉じている時も格好よく、ストレスなく展開し、あらゆる角度に動くようにしました。耐久性を考慮すると厚みが必要なので、バランスを取ろうとしました」と明かす。
「SEED」シリーズは、大河原邦男さんが、山根公利さんと共にメカニックデザインを手掛けた。大河原さんは1972年に放送をスタートした「科学忍者隊ガッチャマン」で初めてアニメのメカデザインを手掛け、「機動戦士ガンダム」「装甲騎兵ボトムズ」など数多くのメカを手掛けてきた巨匠で、「SEED FREEDOM」でもデザインを手掛けている。
「『SEED FREEDOM』のMSは、大河原さんの画稿があり、アニメではメカニカルアニメーションディレクターの重田智さんが監修しています。画稿、劇中のMS、ガンプラを並べた時、全く違う印象になってはいけません。デザインのバランスを重視しました。『SEED』のMSは、外連味(けれんみ)があり、リアルロボットながら、人体のようなしなやかさがあるのも魅力です。スラッとしたフォルムも特徴です。元のデザインから逸脱しないようにバランスを取りました」
デザイン以外にもバランスで苦労することも多かった。
「20年待っていたファンの方にも楽しんでいただきたいという思いがあり、妥協したくなかったんです。HGシリーズは色分けなどをオミットすることもあり、取捨選択が必要になります。組み立ての難易度が高くなりすぎてもいけません。これまでのHGシリーズとは違う、ガンプラの進化を見せたいので、バランスに苦労しました。『SEED』のファンの方に絶対にほしい!と思っていただけるようなガンプラを目指しました」
「SEED FREEDOM」は、ファンにとってはまさに待望の公開となった。ファンには約20年にわたって積み重ねてきた思いがあり、そんな思いに応えられるガンプラになっているようだ。約20年で培ってきた技術と新たな発想、そして思いによって、大きく進化したガンプラをぜひ手に取ってみてほしい。
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