玉置成実:14歳の少女の人生を変えた「ガンダムSEED」 “再会”に感動 20年の変化

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 歌手の玉置成実さんが、人気アニメ「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの完全新作「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」のオフィシャルサポーターソング「Reborn」を担当することが話題になっている。玉置さんは、2003年に「機動戦士ガンダムSEED」のオープニングテーマ「Believe」でデビューし、同作のオープニングテーマ「Realize」、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」のエンディングテーマ「Reason」、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY スペシャルエディション 砕かれた世界」のエンディングテーマ「Result」を担当してきた。玉置さんに「全ての始まりであり、人生に欠かせない作品」と語る「SEED」シリーズへの思いを聞いた。

ウナギノボリ

 ◇“ただの中学生”だったデビュー当時

 「機動戦士ガンダムSEED」は2002年10月~2003年9月、続編「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」が2004年10月~2005年10月に放送された。「Believe」は、「SEED」の第3クールのオープニングテーマで、玉置さんは当時14歳だった。デビューによって14歳の少女の人生が劇的に変化した。

 「当時は早くデビューしたかったので、14歳でも遅いくらいみたいな気持ちがありました。でも、今思うとすごく早かったんですよね」と振り返る。

 「『SEED』が既に放送されている時にデビューが決まりました。2002年のクリスマスです。私は和歌山出身なのですが、東京に呼んでいただき、『SEED』の主題歌でデビューが決まったことを告げられ、親に相談もせずに『上京します!』と勝手に決めちゃって(笑い)。翌年3月に上京して、中学3年生になった4月にデビューしました。本当に駆け足でしたね。母は『ガンダム』シリーズが大好きで、シャアザクのキーホルダーを付けているような人でしたので、『決まったよ!』と報告したら『お母さんが歌いたい!』と言ったことを今も覚えています(笑い)」

 「Believe」のレコーディングのために、和歌山から東京に通った。

 「とりあえず必死で歌うしかなかったんです。何度も何度もテークを重ねました。スパルタなディレクションで、1000本ノック!?というパートもありました。サビ前の『輝いていて』を何度も何度もやったり、体育会系でしたね。鍛えられました」

 14歳の少女にとって過酷だったのでは……と心配になるが、「私はずっとダンスや歌を習っていて、しごかれてきたので、全然大丈夫でした」と笑顔で語る。普通の14歳ではなさそうだが「ただの中学生でしたよ」と話す。

 「しばらくデビューした実感もなく、東京すごい!と毎日のように原宿に行っていました。雑誌に載っているものがすぐに買えることに感動していました。生意気でしたしね。本当にただの中学生でした」

 「Believe」は、MV(ミュージック・ビデオ)の玉置さんの激しいダンスも印象的だった。

 「私は、負けん気が強いものだから、プロのダンサーさんたちを前にして、みんなよりうまく踊りたい!という気持ちでした。生意気ですよね。必死でしたし、気合が入りすぎていました」

 ◇ファンから感じた愛と熱気

 玉置さんは昨年11月に開催されたイベント「機動戦士ガンダムSEED FESTIVAL ~CONNECT あの時代を超えて~」で「Believe」などを披露した。「SEED」シリーズのファンを前にして、感動した。

 「皆さんの『SEED』への愛、熱気が伝わってきて、すごく盛り上げていただき、私の曲が『SEED』と共に皆さんの中に残っていると思うと感動しました。人生の何かのきっかけになったり、彩りになったり……少しでもそういう存在になっているのかと思うとすごくうれしいです」

 玉置さんは「SEED FREEDOM」のオフィシャルサポーターソング「Reborn」を担当することになった。同曲は「SEED」「SEED DESTINY」と「SEED FREEDOM」をつなぐ楽曲だ。「SEED」シリーズのさまざまな楽曲を担当してきた玉置さんは、まさに適任と言えるだろう。同曲のテーマは“再会”で、「Reason」を手掛けたshungo.さんが作詞を担当した。

 「劇場版が公開されることが何よりもうれしいです。私は『SEED』が大好きなので、一ファンとして待っていました!という思いです。『SEED』との再会でもありますし、デビュー当時のスタッフの方とまたご一緒させていただき、そこでの再会もありました。『SEED』を応援してくださっている皆様との再会でもあります。聴いていただいた皆さんの気持ちを当時に戻すような楽曲になればうれしいです」

 ◇今の方が踊れる!

 「Believe」でデビューしてから20年以上たった。約20年で変化したことを聞いてみると……。

 「変わりすぎていますね。逆に同じところは何だろう? 当時は根拠のない自信がありました。今一番ほしいものを聞かれたら、根拠のない自信なんですよね。あの頃の自信は何だったんだろう?と考えることが多いです。いろいろなことを経験して、失敗もして、あの頃のような根拠のない自信がなくなってしまい……。20年で出会いもたくさんあって、すてきな人たちとの出会いにも恵まれ、幸せな人生を歩んでいると感じています」

 一方で変わらないのは「踊れるところです」といい「今の方が踊れる自信があります。今の方がキレキレでフルパワーで踊れます」と笑顔で語る。

 玉置さんは「SEED FREEDOM」のオフィシャルサポーターソング「Reborn」のMVでもキレキレのダンスを見せている。「SEED」シリーズとの“再会”によって生まれた新たな名曲を聴きながら「SEED FREEDOM」を楽しんでほしい。約20年の思いが込み上げてくるはずだ。


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