石田彰:「ガンダムSEED」への思い 普遍的な魅力 20年の変化

「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の一場面(c)創通・サンライズ
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「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の一場面(c)創通・サンライズ

 人気アニメ「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの完全新作「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」が1月26日に公開された。劇場版「SEED FREEDOM」は、2006年に制作が発表されたが、その後は長らく続報が途絶えていた。発表から約18年の時を経て、ついに公開された。人気キャラクターのアスラン・ザラ役の声優の石田彰さんに同シリーズへの思いを聞いた。

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 ◇共演者との同じ釜の飯を食った的な気安さ

 「機動戦士ガンダムSEED」は2002年10月~2003年9月、続編「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」は2004年10月~2005年10月に放送された。これまでの「ガンダム」シリーズのファンに加え、多くの女性層を獲得し、“21世紀のファーストガンダム”とも呼ばれている。

 昨年11月、文京シビックホール(東京都文京区)で開催された「機動戦士ガンダムSEED」シリーズのイベント「機動戦士ガンダムSEED FESTIVAL ~CONNECT あの時代を超えて~」には、石田さんをはじめ、キラ・ヤマト役の保志総一朗さん、ラクス・クライン役の田中理恵さん、シン・アスカ役の鈴村健一さんら声優陣が登壇した。

 会場は、劇場版を待ちわびているファンで埋めつくされ、異様な熱気に包まれていた。一方で、声優陣がトークする姿を見ていると、いい意味でリラックスしていて優しい空気を感じた。共演者の安心感、信頼感があるのだろうか?

 「そういった柔らかい雰囲気を感じられたのだとしたら、20年の時を経ているとはいえ、シリーズを通して同じ釜の飯を食った的な気安さがあったからだと言えるのかもしれません。でも一番大きな理由は一瞬でその場の空気を染め上げる保志君の人間力のおかげだろうというのが個人的な推測です。あとは、そういう空気を許し、生かして進行してくださった司会の吉田さん(吉田尚記アナウンサー)のおかげでしょう」

 ◇「SEED」、アスランという看板は大きかった

 「機動戦士ガンダムSEED」の放送開始から20年以上たったが、改めて見直すと、気付かされるところもある。

 「20年たって気になるところは、例えばシンの妹の持っている携帯電話というような、未来を描く作品が宿命的に持っている現実社会の進歩のスピードに負けてしまうという現象のような枝葉末節の部分を除けば、印象が大きく変わるようなことはありません。それだけ『SEED』『DESTINY』が描いていた内容が普遍的なものだったということでしょう」

 確かに「機動戦士ガンダムSEED」シリーズには普遍的な魅力がある。だからこそ愛され続けているのだろう。

 石田さんは「機動戦士ガンダムSEED」シリーズ以外にも多数の代表作がある人気声優ではあるが、アスランを演じたことによって、その後のキャリア、演技、考え方などに影響はあったのだろうか? 最後に、約20年の自身の変化についても聞いた。

 「『SEED』収録当時から現在までの20年の間のキャリアにおいては『SEED』、アスランという看板は大きかったと思っています。ですが声優としてのスキルについては、もちろんその間に変化という名の成長があってほしいとは思いますが、実際のところはどうなんでしょう。仮に成長しているとすればそれは仕事だけではなくプライベートな経験も含めて培われるものでしょうから、アスラン役を演じてというピンポイントに絞って切り出すのは難しいですね」

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