今をときめくスターやアーティストにも、初出演、初イベント、初ライブなど必ず存在する“はじめて”のとき。そんな未経験ならではのドキドキの瞬間から、印象深い出来事、ほろ苦さまでを、本人に振り返ってもらうのが「私のはじめて」です。元「さくら学院」で歌手の武藤彩未さんに“はじめての音楽活動”の思い出を語ってもらいます。
ウナギノボリ
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私は小学6年のときに「可憐Girl’s」というユニットでデビューしたのですが。キッズ服や少女マンガ誌「ちゃお」(小学館)のモデル、CMに出演して子役として“演技”をしていた時期で、その先も芸能活動を続けるかどうかも分からない、ただ楽しいから、という気持ちでやっていた中、オーディションの話をいただいて、それこそノリで受けたら受かってしまって。
オーディションでは、歌とダンスをやったのですが、当時の私は「家族とカラオケにいったことはある」レベル。大塚愛さんの「さくらんぼ」を歌ったのですが、サビの部分の“手振りだけ”という、本当に素人の歌とダンスだったので、まさか選んでいただけるとは思ってもみなかったですし、そこからが本当に大変でした。
こんな素人が、アニメの主題歌を歌ってデビューするってことの大変さを、当時は想像できていなかったです。グループは3人組で、あとの二人との実力や経験の差から、余計に自信をなくしてしまって、毎日泣いていましたね。
ダンスの動画がビデオで送られてくるのですが、自分はそれを見て、踊れるレベルじゃなかったので、『できない、できない』と言いながらも、とにかく必死で練習して。だから、大変な思いの方が大きかったのですが、それがあったから、『さくら学院』を経て、ソロデビューできたっていうのはもちろんあるので。その後の自分を導いてもらいました。
そうやって泣いていた記憶の方が大きいのですが、この間、たまたま「可憐Girl’s」の曲を歌う機会があって。そうしたら自然と振り付けが出てきたんですよ、もう10年以上前のことなのに。いちばん練習した曲でもあるので、いまでも体が覚えているというか、(当時)頑張ってよかったなって改めて思えた瞬間でした。
むとう・あやみ 1996年4月29日生まれ、茨城県出身。幼少期よりモデルや、キッズグループ「可憐Girl’s」として活動。アイドルグループ「さくら学院」の初代生徒会長(リーダー)を経て、2013年にソロアイドルとしてデビュー。2015年末に活動休止を発表し、海外に留学。帰国後の2018年からシンガーとして再始動した。ソロデビュー10周年を記念したファースト写真集「最初で最後」(ワニブックス)を、3月12日に発売。10日に池袋AKビル1Fライブハウス(東京都豊島区)で発売記念イベントも開催される。
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