薬屋のひとりごと
第32話 皇太后
2月28日(金)放送分
吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの人気マンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」の新作テレビアニメ「柱稽古編」。最終話となる第8話が6月30日に放送され、鬼殺隊の当主・お館様こと産屋敷耀哉(うぶやしき・かがや)と鬼の始祖・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)が対峙(たいじ)するシーンが描かれた。産屋敷と無惨のこの場面は、ファンの間でも屈指の名場面とされている。産屋敷耀哉を演じる人気声優の森川智之さんに収録の裏側を聞いた。
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森川さんが演じる産屋敷は、鬼殺隊を束ねる当主であり、これまでも鬼殺隊最強の剣士・柱をはじめとした隊士たちを導いてきた。森川さんは、「鬼滅の刃」の最大の魅力を「人の想い(おもい)」だと語る。
「それは他人を敬う気持ちだったり、もちろん家族や友人に対する想い。カタチあるものではない部分を描き、そこを焦点としている。それが『鬼滅の刃』の最大の魅力なのではないかと思います」
「柱稽古編」の第7話、最終話では、病床に伏す産屋敷の元に無惨が現れるシーンが描かれた。産屋敷と無惨が対面するのはこれが初めて。無惨を演じる関俊彦さんとの収録に、どのような思いで臨んだのだろうか。
「ファンの皆さんや柱たちにとっては、この対峙は避けたかったことなのかもしれません。でも彼にとっては覚悟の上だと思います。収録はお館様の内に秘める思いを熱くたぎらせながらも、静かに穏やかな気持ちで臨みました。演出意図を踏まえながら掛け合い部分の収録をさせていただきました。声優としては、この緊迫したせりふの掛け合いの瞬間は、ある種の至福の時でした。僕にとって、最も熱く静かで神聖な戦いでした」
産屋敷と無惨は元々は同じ血筋で、産屋敷は一族から鬼を生み出してしまったことを悔い、無惨打倒を一心に願ってきた。自身を殺しにやってきた無惨に対し、産屋敷は「永遠というのは人の想いだ 人の想いこそが永遠であり不滅なんだよ」と“人の想いの強さ”を説いた。竈門炭治郎役の花江夏樹さんも「このシーン、このせりふが『鬼滅の刃』なんじゃないかと思っている」と語っていた。
「花江くんがおっしゃる通り、このせりふは、まさに作品の核となるものと僕も確信してます。そのせりふを、誰よりもお館様が、鬼の無惨にむけて言ったことに、とても意義を感じます」
お館様が命を賭してつないだ“想い”。「柱稽古編」の最終話では、無惨との決戦の火蓋(ひぶた)が切って落とされた。今後、鬼殺隊と鬼たちの展開に注目したい。
「鬼滅の刃」は、家族を鬼に殺された竈門炭治郎が、鬼に変異した妹・禰豆子を人間に戻すために鬼殺隊に入隊する……というストーリー。原作は、2016~20年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された。コミックスの累計発行部数は1億5000万部以上。
※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となる。
※鬼舞辻無惨の「辻」は点一つのしんにょうが正しい表記となる。
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