運命の出会い:福山潤 僕のアイドルは千葉繁 「この人がいなかったら声優になっていなかった」

「魔王軍最強の魔術師は人間だった」で主人公・アイクを演じる福山潤さん
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「魔王軍最強の魔術師は人間だった」で主人公・アイクを演じる福山潤さん

 今をときめく俳優やアーティストに、影響を受けた人について聞く「運命の出会い」。今回は、7月からTOKYO MXほかで放送中のテレビアニメ「魔王軍最強の魔術師は人間だった」で、主人公・アイクを演じる声優の福山潤さんに、「この人がいなかったら声優になっていなかった」という声優の千葉繁さんについて語ってもらいます。

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 僕は、声優以外に何もやっていないので、趣味としてアニメを見ていた頃も含めて、全て千葉繁さんにつながるんです。この人がいなかったら、声優に興味を持っていないし、声優になっていないと思います。

 僕が子供の頃からどのくらい千葉さんが好きだったかというと、「千葉さんが出ているからこの番組を見よう」と思って見ていたくらいですね。千葉さんが元々スタントマンだったっていうのも知っていますし。「大江戸捜査網」という時代劇があったんですけど、タイトルバックで2人の忍者が空中で回転して飛んでくるんですけど、そのどちらかが千葉さんです。千葉さんの実写作品も何度か見ています。好きなんです。僕のアイドルです。

 初めて千葉さんと共演したのは、「電光超特急ヒカリアン」です。もう本当に「負けないようにしよう」という思いと、「たくさんノウハウを盗もう」という思いで臨んだんですけど、盗めるところが何もなかったですね。だって、なぜその表現が出てくるのか、メソッドが分からないんですもん。

 千葉さんはブラックエクスプレスという役を演じていて、毎回最後は主人公たちにやられて飛んでいくんです。その去り際のせりふが台本上は「覚えてろよ」なんですけど、1年通して放送されるから、毎回変わっていく手法だったんです。それで、いざ最終回となると、絶対珠玉の一本にしようと思うじゃないですか? 千葉さんは、最終回なのに、最後に主人公にやられて飛んでいく時に「ラーメンはやっぱり塩だね」と言ったんです。もう意味分からないですよ。それは盗みようがないですよね。ただ、千葉さんの演技を見せてもらって、「これはまねするものじゃないな」と分かっただけでもいい勉強でした。

 「魔王軍最強の魔術師は人間だった」にも、千葉さんが出演されています。僕は、ほかの回の収録では、テストでたくさんふざけていたのですが、千葉さんが出ている回だけは、テストでふざけていないです。ビビっちゃって。もちろん、千葉さんが怖いとかじゃないんです。千葉さんの前で何かアドリブをやって「あんまり面白くないな」とか思われたら、ちょっと舌を噛みそうになりますから(笑い)。僕の中で千葉さんは、尊敬する先輩であり、永遠のアイドルなので、アイドルの前でふざけたことはできないじゃないですか。だから、すっごく真面目にテストをやりました。

 千葉さんと共に、僕が声優になるきっかけになったのが、大塚明夫さんです。大塚さんは声が大好きなんです。僕にとってのアイドルが千葉さんで、格好いい人が明夫さん。2人とも、「ああいうふうになりたい」という憧れじゃないんです。皆さんがアイドルや好きな俳優さんを見ているのと同じ目線です。“繁ちゃん”と“明夫ちゃん”みたいな(笑い)。(談)

 ◇プロフィル

 ふくやま・じゅん。11月26日生まれ、大阪府出身。「コードギアス 反逆のルルーシュ」のルルーシュ、「中二病でも恋がしたい!」の富樫勇太、「暗殺教室」の殺せんせーなど多くの作品で人気キャラクターを演じる。2007年には、「第1回声優アワード」で初代主演男優賞を受賞した。

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