ダンダダン
第5話「タマはどこじゃんよ」
10月31日(木)放送分
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された堀越耕平さんのマンガが原作のテレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」の第7期の第20話(第158話)「少女のエゴ」が、読売テレビ・日本テレビ系で10月5日午後5時半から放送される。麗日お茶子とトガヒミコが対峙するエピソードで、麗日お茶子役の佐倉綾音さん、トガヒミコ役の福圓美里さんが想いを語った。
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佐倉さん 来たるべき日として頭の端っこで想像はしていたはずなのに、堀越先生の絵でそれを現実として突きつけられた時、ただ呆然として、ごちゃごちゃな涙を流すことしかできませんでした。肯定と否定が自分の中でうずまいて、それでも出会わなければよかったとは思えず、ただただヒロアカとの、トガヒミコちゃんとの出会いに感謝しました。
福圓さん これ以上ない素晴らしい結末に、トガの声優という以前に一読者として圧倒されました。トガちゃんが誰も傷つけず罪を償い社会で生きていくことは可能なのかとここ数年何度も考えたけれど、それは彼女を苦しめ続けた「大多数の普通」の枠に押し込めることになるし……もうご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、まだの方はアニメで彼女たちの生き様を見届けてくださったらうれしいです。
佐倉さん この回のアフレコが来なければいいのに、とずっと真綿で首を絞められているような感覚があって、でもすでに苦しみの最中にある彼女たちの時間を、歩みを絶対に進めてあげなくてはならないという使命感もあって、心がぐちゃぐちゃなままスタジオに到着しました。福圓さんとは通路をあけた隣の席に座りました。隣だけど確実に溝があるその距離感が一番心地がよくて、アフレコに集中することができました。
福圓さん 原作に感動したと共に、これをいつか演るのかぁ……と思ったら正直プレッシャーで。あと終わりたくないのもありまして、なるだけ遅くなったらいいなあなどと思っておりました。当日はなんだかとても静かでした。心も頭の中も。スタジオも。戦いに行く時ってこんな感じなんですかね。不安がなかったわけじゃないけど、綾音ちゃんに会ったらいつもとまとっている空気が全然違くて、この人と真正面からぶつかれるのが楽しみでしかないと思えました。
佐倉さん ずっと泣いていました。収録中、台本の文字はほとんど見えなくなっていて記憶もほとんどありません。絵コンテのトガちゃんの顔だけが脳裏に焼き付いています。芝居というか、生きたという感覚が近かった気がします。容赦なくリテイクは飛んできた気がするのですが、あまり覚えていません。どのテイクがチョイスされたのか、私もオンエアでないと分かりません。休憩に入っては、先輩たちが「すごいね」「すごかったね」と労ってくれたことだけに安心感を覚えて、また台本に向き合って心を痛めて涙を流して……の連続でした。福圓さんはなぜかすっきりとした顔をして「綾音ちゃん、なんでそんなに泣くの」と笑っていて、それがまたしんどくて、アフレコが終わった後も街を歩きながらしばらくひとりで泣いていました。
福圓さん 正直記憶が飛び飛びで。途中で「喉が終わる」と思ったのは覚えています。アフレコの後、2、3日ヒリヒリしていました。主観になりすぎる部分を音響監督さんはじめスタッフさん方からご指示いただき、めっちゃくちゃ丁寧に録っていただきました。本当に何度もやらせていただけたのと、綾音ちゃんと共にあの瞬間にしか出ない芝居だと思うので荒い部分もあるかもですが後悔はありません。
佐倉さん デクくんから始まったふたりの関係は、いつしかちいさな女の子ふたりの矜持のおはなしになっていきます。すべての想いをとりこぼさんとする、ヒーローとしてだけでないお茶子の人間性をどう表現したらいいか最後まで悩み抜きました。デクくんに影響を受けたちいさなふたりの、ひとつの結論をぜひ見届けてください。
福圓さん ついにこの日が来てしまいます。私もまだ完成を見ていないのでオンエアで皆様と一緒に見るのが楽しみです。トガヒミコの声をおよそ10年やってまいりました。掴みにくく何層もある彼女ゆえ、トガちゃんと私の間には常に少し距離があります。でもこのエピソードでは完全に重なった瞬間がありました。どうか不器用なトガちゃんと、優しいお茶子ちゃんの想いが皆様に届きますように。7期クライマックス、見逃さないでくださいね。
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