名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
実写映画化、ドラマ化もされた敷村良子さんの青春小説が原作の劇場版アニメ「がんばっていきまっしょい」(櫻木優平監督)が10月25日に公開される。愛媛県松山市を舞台に、ボート部に青春をかける女子高校生の成長や、心のゆらぎが描かれた名作。アニメは、主人公・村上悦子役の雨宮天さん、悦子の幼なじみの佐伯姫役の伊藤美来さんら豪華声優陣が出演することも話題になっている。雨宮さん、伊藤さんに同作への思いや収録の裏側を聞いた。
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ーー作品の印象は?
雨宮さん オーディションの時点から生っぽいお芝居が必要とされると捉えていて、生っぽいアプローチで臨みました。普段とは違う演技プランで、この作品に出演させていただくことが決まったことが、まず一つうれしかったです。自分が小学生くらいの時にドラマが放送されていた作品ですし、令和になって劇場版アニメになることにびっくりしましたし、長く愛され続けている作品に携わるプレッシャーも感じていました。
伊藤さん 私は全員のキャラクターのオーディションを受けたんです。
雨宮さん 私もそう!
伊藤さん 一人一人のキャラクターに時間を掛けて、一生懸命オーディションを受けたこともあり、出演させていただくことになり、うれしかったです。小説や映画、ドラマの存在も知っていて、アニメになることで、作品の世界に入るチャンスをいただけたこともうれしかったです。キャラクターの中では、ヒメが一番しっくりきていた部分もありました。セリフを言っている時、自然に自分の口から言葉が出てくるような感覚がありました。
雨宮さん 私もヒメを受けたのですが、難しい役ですし、つかみきれないところもあったので、全然自信がありませんでした。みっくるのお芝居を聞いて、ヒメだ!と思ったんです。監督は「本人に近いキャラクターで選びたかった」とおっしゃっていたので、その通りなんだと感じていました。
ーー自分に近い?
伊藤さん どうなんでしょうか……。私はこんなに気を使えるかは分かりませんが、確かに周りが気になっちゃうタイプではあります。ヒメはその場の雰囲気を見ながら、今はこれを言っていい、これは言っちゃダメと判断できています。私は人にグッと近付くことがなかなかできるタイプではないのですが、遠目から見ていることが多く、だからこそ自然にセリフが出てきたのかもしれません。悦ネエの天ちゃんの自然体なお芝居が新鮮でしたし、ぴったり!と思っていました。悦ネエは、感情が一番動き、変化していくキャラクターですし、その繊細さが一言の返事だけで伝わってくるんです。すごくリアルなんです!
雨宮さん うれしすぎる! 鳥肌が立ってきちゃった。悦ネエは、小学校、中学校を経て、自分が特別でも何でもないと知り、諦め癖が付いてしまっています。私なんじゃないかな?と思うくらい本当に共感できました。小学校の時は特にそうですが、足が速い、勉強ができるなど人より少しでもできることがあるだけで、自分は世界にも選ばれた一人なんだ!みたいな万能感が生まれるんです。でも、高校生くらいになると、自分は特別でも何でもないと知り、打ち砕かれてしまう。私もまさにそんな感じで、自分に対して諦めたくない気持ちがありつつ、諦めちゃった方が傷つかないので、諦めたように振舞ったり、諦める方を選んだりしていたんです。似ているところばかりだと感じていました。もちろんそういうことを全く感じない人もいると思いますが、少なくない人がぶつかる感情なので、私と悦ネエが少数派だとも思わないのですが。
伊藤さん ヒメは優しく、明るく、誰とでもコミュニケーションが取れて、誰もが好きになるような子です。私自身、ヒメのようにコミュニケーション能力が高いか?と言われると、そうではないですし、似ているというよりは、尊敬するキャラクターです。自分が前に出ず、友人の幸せを感じることがうれしかったり、頑張っている姿を隣で見たかったりするので、無償の愛みたいなものがあるんですよね。自分のうれしさよりも、みんなと一緒にできたことのうれしさが大きくて、外に愛情が向いているタイプです。お母さんみたいですよね。
ーーボート部のメンバー高橋李依さん、鬼頭明里さん、長谷川育美さんもキャラクターに近いところがある?
伊藤さん どうなんだろう? 李依ちゃんは真っすぐさが近いですね。
雨宮さん 確かに! 自分の気持ちに真っすぐで、思ったことを自分から行動するところはそうですね。私の勝手な解釈ですけど、特に悦ネエとヒメ、リーは5人の中で生っぽい演技ですし、本人に近いからできるところがあるのかもしれません。ダッコとイモッチとの対比が面白いと思っています。監督は「声質だけじゃなくて、本人の普段のしゃべりも調べて決めた」とおっしゃっていたので、きっと通じる部分があるんだと思います。
伊藤さん 今、そうなんだ!と感動を覚えています。ダッコとイモッチは掛け合いが多いですし、2人がワチャワチャしているだけで笑えてくるので、ポイントになるキャラクターだと思います。
ーーちなみに高校時代はどう過ごした?
伊藤さん 高校2年生くらいから声優の仕事をしていましたし、帰宅部で帰るのも早かったです。レッスンもありましたし、思い返せば仕事の思い出ばかりではあるのですが、文化祭や合唱のコンクールには出たので、みんなで一丸となるのが楽しかったです。青春でした。
雨宮さん 私は高校3年生の時に事務所のオーディションを受けたので、まだ仕事はしていませんでした。人見知りすぎて、ザ・青春という感じではなかったし、一人で行動することが多かったです。人とうまく話せなくて、基本的にお昼ご飯も一人で食べていましたし、帰って一人カラオケにめちゃくちゃ行っていました。友達と遊びに行くみたいなところもなかったです。私は悦ネエよりもコミュニケーションを取ることに苦手意識が強かったです。あまり褒められた高校生ではなかったですし、今思うと先生に申し訳なかったと思います。
インタビュー(2)に続く。
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