薬屋のひとりごと
第13話 外廷勤務
12月27日(金)放送分
インタビュー(1)の続き 人気アニメ「忍たま乱太郎」の約13年ぶりとなる劇場版アニメ「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」が、12月20日に公開された。尼子騒兵衛さんの原作マンガ「落第忍者乱太郎」の小説版で、ファンの間でも高い人気を集める「小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師」が初めて映像化される。劇場版の監督を務めるのは「忍たま乱太郎」の初代キャラクターデザインを担当し、2011年公開の劇場版「劇場版アニメ 忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段」で監督を務めた藤森雅也さんだ。制作のこだわり、長年愛される「忍たま乱太郎」の魅力を聞いた。(※インタビューには本編のネタバレが含まれます)
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劇場版は、忍術学園一年は組の教科担当教師の土井先生こと、土井半助がメインキャラクターとして登場する。土井先生は、タソガレドキ忍者の諸泉尊奈門との決闘に向かった後、消息を絶ってしまう。山田先生と六年生による土井先生の捜索が始まる中、六年生の前に現れたのは、土井先生とうり二つのドクタケ忍者隊の冷徹な軍師・天鬼だった……というストーリー。乱太郎、きり丸、しんべヱたちは、土井先生を取り戻そうと奮闘する。
シリアスな要素、大人向けの要素もあり、いつもとは違った雰囲気を放つ今回の劇場版。藤森監督は、土井先生だけではなく乱太郎たちや六年生のキャラクターの新たな一面も表現しようとしたと語る。
「今回は、六年生が意外と動揺している姿を見せます。六年生は、普段のテレビアニメでは頼りになる側面が非常に強いんだけれども、特に潮江(文次郎)とか食満(留三郎)という武闘派や、中在家(長次)という一番のしっかり者がすごく動揺している。そういうところが『忍たま』のキャラクターの描き方として、だいぶ変えているところです。きり丸は普段はしんべヱと双璧でギャグ担当なのですが、今回はそれをほとんどやっていない。今回の劇場版では、いつもと違う側面を表現できればとずっと考えていて、いつもと違うんだけど、キャラクターの幅として定着すればいいなと思っています。『この人にはこういう側面もあるんだな』『新しいな』と感じていただければ」
約13年ぶりの劇場版は、テレビシリーズと同じくアニメ制作会社・亜細亜堂が制作する。藤森監督は、制作の中で、亜細亜堂のクリエーターの“忍たま愛”をひしひしと感じたという。
「亜細亜堂のアニメーターの中には『乱太郎』を好きでしょうがない人たちがいて、勝手にクオリティーが上がっていくんです。スケジュールに余裕もない中で、こちらは『そこまでやらなくてもいい』と思ってOKを出すのだけれど、『いや直す』と言ってきかないというね。正直、苦笑も含めてなんだけれど、頼もしいなという。ボロボロになるほど本当に一生懸命やってくれて、監督冥利に尽きるんですけれども、制作的にはドキドキする。これじゃ終わらないよ!というね(笑)。スケジュール的には本当にギリギリまでやっていたのですがフィルムを見るとそんなところは感じない、きちんと丁寧に仕上がったフィルムになっているので、本当に現場の踏ん張りの成果だなと思いますね」
作り手を含め、多くのファンに愛され続ける「忍たま乱太郎」。改めて藤森監督に作品の魅力、“忍たまらしさ”を聞いてみた。
「学園モノで、しかも特定の学年だけではなく一年生から六年生まで登場して、それに先生たちもいる。それぞれのキャラクターに家庭があるというところで、非常にいろいろな立場で見られる。一年生に感情移入して見る人、六年生に感情移入して見る人、親の立場で見る人と、いろいろな見方を受け入れる間口の広さも魅力の一つとしてあるのかなと思います」
土井先生、山田先生といった大人のキャラクターも魅力的だという。
「大人がちゃんと大人をしているというか。だからこそ子供の頃に見ていた人が、大人になって改めて見ると、見方が違ってきたり、『こういう気持ちだったんだな』と分かることもあると思います」
最後に、劇場版の見どころを聞いた。
「それぞれのキャラクター同士が一方通行ではなくて、お互いがお互いを必要としている関係なんだというところに着目して見ていただけるといいのかなと思っています。それは、土井先生ときり丸の関係もそうで、きり丸の一方通行ではなくて、土井先生もきり丸のことを必要としている人間だよというふうに描いています。それ以外の山田先生と土井先生の関係とか、(山田)利吉と土井先生の関係もそうです。六年生は、言ってしまえば一年は組と同じように土井先生を大切に思っている。そうしたところを見ていただけると、よりこの映画の世界に浸れるのかなと思います」
インタビュー(1)はこちら
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