矢野妃菜喜:アニメ「ニートくノ一」インタビュー “新たな扉”開く 2025年は「どんどん挑戦」

「ニートくノ一となぜか同棲はじめました」に出演する矢野妃菜喜さん
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「ニートくノ一となぜか同棲はじめました」に出演する矢野妃菜喜さん

 ウェブサイト「ニコニコ静画」やSNSで人気のラブコメマンガが原作のテレビアニメ「ニートくノ一となぜか同棲はじめました」が、1月4日からTOKYO MX、BS11ほかにて放送される。オタクでニートな天才くノ一の主人公・出浦白津莉(しづり)を演じるのが、人気声優の矢野妃菜喜さんだ。同作について「私の中の引き出し全部……いやそれ以上使った最高にクレイジーな作品」と話す矢野さんに収録の裏側を聞いた。

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 ◇とにかく全て濃い!

 同作は、小龍さんと八木戸マトさんによるマンガ。サラリーマンとニートな天才くノ一の同棲生活が描かれている。平凡なサラリーマンの安海政を妖魔から守護するべく、居候を条件に主従契約を結んだ天才くノ一・しづりは、さっそうと妖魔を倒すが、実は、ゲーム三昧のオタクニートだった。しずりを崇拝する百地彩夢(あやめ)、不幸体質の和泉緋那(ひな)、自称“しづりのライバル”の夏見叶愛(かんな)ら個性的なキャラクターも登場する。

 矢野さんは「とにかく全て濃い! どんどん濃くなっていくのがすごいんです。戦闘シーン、ニートのダラダラしているところのメリハリもあります。最初はニート感が強いのですが、シリアスなところもあって、どんどん先が気になりました」と“濃い”魅力に虜になったようだ。

 自身が演じるしづりは“オタクでニートな天才くノ一”ということだが、共感するところはあったのだろうか?

 「おいしいものが出てきて、ずっとゲームをやっていていいよ、と言われる環境は、夢のようですね。シンプルにしづりのことを羨ましいとは思います。しづりは、ニートであることに対して、全て楽しんでいて、ご飯をおいしい!と食べるので、政が甘やかしてしまうのがよく分かります。実は、さっきしづりと初めて共感できたところがあります。しづりのコスプレをされた桃月なしこさんとお会いしたのですが、すごく可愛くて、この人なら罵られてもいいかも……と本編に実はちょこっと出てくるしづりのMなところに共感してしまいました。罵られたわけじゃないですよ! 可愛すぎて、新しい扉が開いたような感覚でした(笑)」

 しづり以外のキャラクターで気になるのが、ひなと中山透のラブラブなペアだという。透はひなの不幸体質を許容するほど溺愛しており、「推しですね。イチャイチャしているのが癖になっていて、私もそれを求めてしまうんです。隙あらばイチャイチャします。注目のポイントの一つです」と熱弁する。

 ◇汚い音に挑戦

 矢野さんは、同作の出演が発表された際、「私の中の引き出し全部……いやそれ以上使った最高にクレイジーな作品です」とコメントしていた。

 「収録時期的に、ギャグ系に振り切った作品にメインで出演するのは初めてだったので、できるのかな?という不安も最初はありました。共演者は、すごい方ばかりですし、負けてはいられない!という気持ちもありました。もっとできる! こっちの方向は?と挑戦させていただける作品で、印象的だったのが『もっと汚い音を出せる?』というディレクションでした。しづりは、寝息、いびきも汚いんです。ベースは可愛いんですけど、生々しいところもあります。いろいろな挑戦をさせていただきました」

 しづりを演じる中で“新たな扉”も開いた。

 「引き出していただきました! あやめ役のファイちゃん(ファイルーズあいさん)は、あやめのヤバいところを存分に表現していて、『もっとMをくれ!』となるので、どんどん引き出していただきました。音響監督さんにもいろいろな方向を試していただけましたし、すごく勉強になる作品でした。成長できたと思います。ただ、大変でもありました。周りの方がすごすぎて、どうしよう?ともなったのですが、この作品をきっかけに、今はギャグ作品が楽しい!と思えるようになりました。振り切って演じました」

 しづりは、ニートであり、天才でもあり、さまざまな表情を見せる。コロコロと表情が変わるところが大きな魅力となっている。

 「オーディションの段階ではニートの部分のセリフが多かったのですが、実際に収録が始まると、普通の時はどんな声なんだろう? 格好いい姿の時はどれくらい格好いいんだろう?と探って、相談しながら演じさせていただきました。演じる中で、“しづりはこういう声”ということを意識しすぎない方がいいと感じるようになりました。甘える時はとことん甘えて、格好いい時はきっちり格好よく……と3キャラくらいを演じている意識でした。大変でしたが、終わるともっとやりたかったな……と寂しいんです。気の早い話ですけど、まだまだ演じたいです!」

 ◇成長を実感した一年

 矢野さんは昨年、「逃げ上手の若君」「映画 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編」などの話題作に出演した。声優として成長を実感できた一年になったという。

 「いろいろな作品に出演させていただき、今年放送作品の収録もあって、しづりもそうですが幅広いキャラクターを演じさせていただきました。経験を積ませていただき、成長できた一年でした。お仕事以外ですと、一昨年もそうでしたが、カードゲームを結構やっていました。いろいろな人とできたのも楽しかったし、布教していました」

 今年は、1月にスタートする「クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。」「黒岩メダカに私の可愛いが通じない」にも出演するなど年始から大活躍している。最後に、今年の抱負を聞いた。

 「今年だけではないのですが、『この人がいたら安心だよね』と言ってもらえるような声優さんになりたいです。2024年にいろいろな作品に出演させてもらったからこそ、どんどん挑戦していきたいです。人外、二頭身くらいのキャラクターも演じてみたいです。プライベートでは、温泉とかで癒やされたいです。サウナの魅力にも気づき始めたので、行ってみたいです」

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