名探偵コナン
#1148「探偵団と二人の引率者(前編)」
1月4日(土)放送分
マンガ「ハートカクテル」「菜」などで知られるマンガ家でイラストレーターのわたせせいぞうさんが2025年、画業50周年を迎える。今年、80歳になるわたせさんは「生涯現役」を宣言しており、「常にチャレンジしている」という。わたせさんに画業50年を振り返ってもらいつつ、未来を語ってもらった。
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わたせさんは1945年、神戸市生まれ、北九州市小倉育ち。早稲田大法学部卒業後、同和火災海上保険(現あいおいニッセイ同和損害保険)でサラリーマン生活を送りながら、マンガを描く。1983年には「モーニング」(講談社)で代表作「ハートカクテル」の連載を開始。サラリーマンとマンガ家の二足のわらじを続けてきたが、40歳で退職する。
子供の頃から絵を描くのが好きだった。ただ、ほかの子供と描く絵が少し違った。
「父は絵が好きでしてね。絵の家庭教師が付いていたんです。幼稚園の年長とか小学校1年の頃です。覚えているのは飛行機の絵です。終戦後だから、零戦を描いていたんです。右斜め後ろから描いていた思い出があり、それが一番好きでした」
わたせさんの作品には、車がよく登場する。時には、斜め後ろから車を描くこともあるが、立体的な絵を描いていた子供の頃が原点なのかもしれない。
画業50周年を迎える中で「長い歴史があり、ずっと変化しています。今も変化を求めてチャレンジしています」とも話す。転機となったのは「ハートカクテル」だった。
「『ハートカクテル』を4色で描いたのが原点になっていますが、それからずっと変化しています。『ハートカクテル』の前に、双葉社で4ページのカラーのコミックを描いたんです。モーニングの編集長がそれをご覧になっていて、カラーで4ページというオーダーがありました。うれしかったです。カラーで描くのが好きなので、チャンスだと思いました。サラリーマンとの二足のわらじが7年くらいあって、土日に描いていました。最初の4年くらいはカラーばかりではありませんでした。カラーになるのは『ハートカクテル』の頃、サラリーマンを辞める3年くらい前でした」
わたせさんの作品は、美しい空が印象的だ。空や背景の一部などは色を塗らずに、色を指定している。
「人物や花はマーカーで色を塗っていて、空などはCMYKを数字で指定しています。今は、この空の色はCMYKで……と考えちゃうんです。職業病ですね。最初の頃は、印刷所で職人の方が浮世絵のように色を付けていました。双葉社の編集者に教わったことなんですけど、コミックでそんなことをしている人はいませんでした。最初は簡単な指定だったけど、今は複雑になっています。デジタルになって、コンピューターでできるようになってからは、選択肢がたくさんありすぎて、迷ってしまうのですが」
風景は自身で撮影した写真を参考に描いている。日本だけでなく、米国、イタリア、フランスなど各地を旅する中で出会った風景から作品が生まれることもある。
「毎日撮っています。旅行をする時も必ず撮影しています。今はスマホですけどね。仕事にすると何か嫌ですから、感動する風景を撮ろうと思ってやっています。空もそうです。雲の写真をたくさん撮っています。雲にも表情がありますし」
約50年描き続ける中で、風景の変化をどのように感じているのだろうか?
「変わりましたね。東京はものすごく変わっています。東京は、本当にこんな街づくりをしていいのか? とも思います。こんな大きな都市に新しい大きなビルがどんどん建っている。地震が多い国ですし、耐震はしているのでしょうが、古い建物や高速道路はそうではない。大きな地震があったら、どうなるのか? と考えてしまいます。ビルを描くのは楽しくないですし。自然がいいですよ。必ず草木や山などグリーンを描いています。やっぱりホッとしますし、海や空は気持ちいいですから」
「ハートカクテル」は、1980年代に圧倒的な支持を集めた。2023年には新作テレビアニメ「ハートカクテル カラフル」が制作され、NHKで放送されるなど、リバイバルヒットしている。連載当時は生まれていなかったような若い世代のファンも増えている。松岡直也さんらが手掛けたサウンドトラック「ハートカクテル オリジナル・サウンドトラックス」も2月に発売される。
「松岡さんとは昔、一緒にロスに行ったことがありました。日米文化会館で展覧会があって、横にホールがあるからジョイントコンサートをしたんです。赤木りえさんがフルートで、僕はマラカスを持ってステージに立ちました。練習したんですよ。松岡さんとはずっと家族ぐるみのお付き合いだったんです」
音楽は、作品を描く上でのインスピレーションの源になっている。
「音楽の力を借りているんです。パブロフの犬のようなもので、音楽がかかると世界が広がる。一発でその世界に連れて行ってくれる。絵は世界が限定されるけど、音楽は宇宙のような広がりがあり、想像が膨らんでいく。音楽には勝てません」
レトロモダンな世界が人気のイラストレーターのマツオヒロミさんとの短編マンガが、季刊誌「イラストレーション」(玄光社)で連載されていることも話題になっている。マツオさんは、わたせさんのファンであることを公言しており、わたせさんの代表作の一つ「菜」に特に強く影響を受けているという。マツオさんとのコラボは「ハートカクテル」と同じ4ページで、わたせさんがネームを担当している。
「コラボは初めての試みです。短編マンガは4ページなのですが、マツオさんは『4ページは難しい』と言うんですね。「ハートカクテル」も4ページで、栗原さん(『ハートカクテル』の編集を担当した栗原良幸さん)は『4ページはあなたの世界でしょ』と言っていただいたことがありました。一番いいところを描いて、あとは読んだ人に考えてもらう。俳句の世界のようですね」
「今、4ページを見直しています。50周年の節目として、『ハートカクテル』の新作を描こうと思います。色彩でいうなれば、アジア・中国・上海の色です。『ハートカクテル』は1983~89年の作品。その後描いた『ハートカクテル・イレブン』は絵本で、『ハートカクテル カラフル』はアニメ用の作品で流動的な枚数でした。だから4半世紀ぶりの作品になります。テーマは恋愛、あたたかさ、平和です。また上海を舞台にミュージカルの原作にもトライします。テーマは同じく愛と平和です」
わたせさんは「常にチャレンジしないと明日がないと自分自身に言い聞かせています。でも、楽しいんですよ」と語り、「ずっと描き続けます。まだ旅の途中ですから」と“生涯現役”を宣言する。
わたせさんは今年、80歳を迎えるとは思えないくらい若々しい。常に挑戦し続けているからなのだろうか?
「それはあると思います。お茶の先生が88歳の女性なのですが。若いんですよ。若さの秘訣は若いお弟子さんと日々茶道に精進していることなんでしょうね。僕も年齢のことはあまり考えないんです。80歳だから……枷(かせ)を作らないようにしています」
昨年は「チョーク色のピープル」を復刊し、新作を加えた「チョーク色のピープル Complete Edition」(玄光社)が3月に発売され、新作「ハートカクテル カラフル」(小学館クリエイティブ)が5月、回顧録「ボクのハートフルライフー色彩の旅人の軌跡ー」(立東舎)が5月に発売された。画業50周年記念展が松本PARCO(長野県松本市)で1月19日まで開催中で、2月6~13日に東武百貨店 池袋店(東京都豊島区)、3月15日~5月11日に北九州市漫画ミュージアム(北九州市小倉北区)でも開催される。
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