解説:塩野瑛久“麗しい帝”から“ヘタレサラリーマン”へ 30代突入の2025年、役者としてさらなる飛躍に期待

塩野瑛久さん
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塩野瑛久さん

 NHK大河ドラマ「光る君へ」で凜として麗しい一条天皇を好演し、テレビ朝日系の連続ドラマ「無能の鷹」では、対照的に“ヘタレサラリーマン”の鶸田道人(ひわだ・みちと)を演じ、2024年はさまざまな顔を見せてくれた塩野瑛久さん。大活躍につながった魅力に迫る。

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 ◇特撮ドラマ出演から10年 「光る君へ」で確かな手応え

 塩野さんは1995年1月3日生まれ、東京都出身の29歳。2012年3月に芸能界デビューし、特撮ドラマ「獣電戦隊(じゅうでんせんたい)キョウリュウジャー」(2013~14年)で立風館ソウジ/キョウリュウグリーンを演じ、レギュラー出演を果たした。2022年11月に「劇団EXILE」に加入し、「光る君へ」は初の大河ドラマだった。

 一条天皇は「笛の名手」でも知られ、役作りの過程で龍笛の練習にも取り組んだ。4月14日放送の第15回「おごれる者たち」で登場すると、愛する定子(高畑充希さん)の前で龍笛を吹く姿も描かれ「麗しい帝」「the平安美男子っぷりがすごい」と、瞬く間に視聴者をとりこにしていった。

 第40回「君を置きて」(10月20日放送)で一条天皇の最期が描かれると、SNSでは視聴者から“ロス”の声が多く集まった。

 塩野さんは「同じ役を長い期間かけて演じられる作品というのは、そう多いものではありません。その中でも、天皇という立場に身を置く人物の半生を生きられたことは、僕の俳優人生においても深く心に刻まれたものとなりました」と振り返った。

 「『続けてきてよかった』と、今まで積み上げてきたものを肯定してあげられる機会になりました」と語るように、役者として確かな手応えをつかんだ役にもなっただろう。

 ◇菜々緒も絶賛 「顔を覚えてもらえない」はすごいこと

 一条天皇の最期とほぼ同時期にスタートしたのが、菜々緒さんが主演した「無能の鷹」だ。超有能そうな見た目なのに、コピーもできず、パソコンも起動できない無能な新入社員の鷹野(菜々緒さん)のすがすがしい生き様を描いた。「光る君へ」で共演した井浦新さんが、上司で指導係・鳩山樹(はとやま・いつき)を演じたことも話題となった。

 塩野さんが演じた鶸田はドラマの冒頭、プレッシャーでトイレにこもってもん絶(もんぜつ)。「塩野さん、変幻自在すぎる」「顔の美しさは変わらないのにここまで違うとは」と反響が集まり、一条天皇との“ギャップ”に驚かされた人も多いのではないか。

 塩野さんは「一条天皇役のイメージで『あの衣装がすごく似合っていたけど、普段着は普通だね』みたいなことが多いかも」とインタビューで語っており、素を知られた時にガッカリされることもあることを明かした。

 今はまだ、大きなインパクトを残した一条天皇が心に残っている人が多いかもしれないが、鶸田で見せてくれたようなひ弱な設定も含めて、これからも役を通していろいろな“顔”を見せてくれるのではないだろうか。

 菜々緒さんも「塩野さんは『顔を覚えてもらえない!』とすごく悩んでいたみたいなのですが、でもそれって役者としてすごいことだな、と。今後、違う役でご一緒できたらどんなに面白いかなってすごく思います!」と実力に太鼓判を押す。

 2025年で30歳。ブレークを果たした塩野さんのこれからに注目だ。

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