大塚剛央×鬼頭明里×ファイルーズあい:テレビアニメ「沖ツラ」インタビュー “うちなーぐち”収録の裏側

「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる」に出演する(左から)ファイルーズあいさん、大塚剛央さん、鬼頭明里さん
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「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる」に出演する(左から)ファイルーズあいさん、大塚剛央さん、鬼頭明里さん

 新潮社のマンガサイト「くらげバンチ」で連載中の空えぐみさんのマンガが原作のテレビアニメ「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる(沖ツラ)」が、TOKYO MX、BS11、沖縄テレビ、琉球放送、琉球朝日放送ほかで1月4日から放送される。大塚剛央さんが、沖縄に転校した主人公・中村照秋(てーるー)、鬼頭明里さんが沖縄の方言・うちなーぐちを話す喜屋武飛夏(ひーなー)、ファイルーズあいさんがうちなーぐちを通訳してくれる比嘉夏菜(かーなー)をそれぞれ演じる。ひーなーのうちなーぐちをさっぱり理解できないてーるーは、かーなーに助けられ、実はかーなーは、てーるーに片思いをしている……というラブコメディー。“沖縄あるある”も楽しめる作品となっている。大塚さん、鬼頭さん、ファイルーズさんに収録の裏側、沖縄への思いを聞いた。

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 ◇沖縄文化へのリスペクト

 ーー作品の印象は?

 大塚さん タイトルを見た時、最初は異世界転生みたいな話なのかな?と思ったんです。読み進めると、沖縄あるあるが細かく描かれていて、沖縄への理解が深まりました。東京から来たてーるーがびっくりするという視点で描かれていて、東京出身の僕としては、すごく入りやすかったです。沖縄のことを知れる楽しい作品です。

 鬼頭さん 私は沖縄のことを全然知らないんだな……と思いました。沖縄に住んでいた人にしか分からない細かいネタがたくさんあって、すごく面白いです。

 ファイルーズさん 沖縄という土地に根付いている文化、歴史的背景をコメディーに落とし込んでいますが、若い人たちにも親しみやすい形で表現している素晴らしい作品です。てーるーの反応が新鮮で、共感できるポイントになっています。沖縄文化へのリスペクトが込められている作品だからこそ、沖縄県民の人にもあるあるとして楽しんでもらえる。素敵な作品です。

 ーー沖縄に行ったことはある?

 鬼頭さん ないんです。

 大塚さん 僕は一度だけです。修学旅行で行きました。戦争など歴史的なことを学ぶ機会がありました。班行動ではルートを考えて、有名な観光名所に行きました。冬に行ったんですけど、半袖じゃないと暑いくらいですごく驚きました。やっぱり自然がすごくキレイで、楽しい思い出になっています。

 ファイルーズさん 私も一度だけ高校の修学旅行で行きました。暗黒時代でして……。学校に友達がいなくて、ずっと下を向いていました。米軍基地に入れることだけが楽しみだったのですが、諸事情で行けなくなってしまい、それもつらかったです。当時、食べ物の好き嫌いが今よりも激しくて、食べられるものが全然なくて、マクドナルドに行ったことも覚えています。それから行ってないので、良い思い出を作りに行きたいです。

 鬼頭さん 私も沖縄に行ってみたいとずっと思っているので、行くための予習は完璧にできたかな?と思っています。

 ◇収録現場は沖縄の空気

 ーー鬼頭さんは名古屋出身ですが、普段は方言が出る?

 鬼頭さん 普段は出ないです。地元に帰ったら出ますけど。

 ーーひーなーの方言が可愛いです。

 鬼頭さん ありがとうございます。明るく元気な子なので、そこを意識して演じています。ガイドの音声は、フラットなので、そこに感情を乗せるのが難しいんです。セリフの意味を頭に置きながら、音に感情を乗せています。方言指導の方に教えていただきながら演じました。

 大塚さん 天才ですよ! すごいですよ! 方言指導の先生に教えてもらっても自分ができるのか?というと、やっぱり難しいと思うんです。僕は、うちなーぐちを全然しゃべらない役なので、申し訳ない気持ちでして……。

 ファイルーズさん 私も対岸の火事だと思っていたんです。翻訳係だから、方言じゃないよね?って(笑)。でも、方言があったんです! 絶妙なんですよ。標準語と絶妙に違うところがあって、音の上がり下がりが分からなくなるので、台本に矢印で上下上下上下とか書いていました。ゲームのコマンドみたいになって(笑)。私はアクセントに気を付けるだけでいいけど、鬼頭さんは主語がどれなのかも分からないようなセリフもあるので、本当に大変です。尊敬しています。

 鬼頭さん 台本のチェックにすごく時間が掛かりました。いつもの3~5倍は掛かったかな?

 ーー段々と方言がしゃべれるようになる?

 鬼頭さん 何となく、ここは上がるのかな?と段々と分かるようになってきましたね。

 ファイルーズさん 収録の帰りはうちなーぐちになりますよね。

 鬼頭さん そうそう(笑)。家に帰っても独り言がうちなーぐちっぽいイントネーションになったり。

 大塚さん 沖縄出身のキャストも多いので、待機中も方言でしゃべっていますしね。現場は、沖縄の空気になっています。

 ファイルーズさん 沖縄のお菓子も食べました。ジーマーミー豆腐の話になって「どこで買えるんですか?」と聞いたら、みんなが一斉に教えてくれました。

 鬼頭さん 「マブイを落とす」という言葉が結構出てくるんですけど、知らなかったので、びっくりしました。

 ファイルーズさん くしゃみした後に「クスケー」と言うのも印象的です。「くそ食らえ」という意味なんですけど、何か可愛いですよね。言いたくなります。

 ◇鬼頭明里のうちなーぐちがすごい!

 ー-共演する中で印象的だったことは?

 鬼頭さん てーるーには、流れを作っていただいているので、私とファイちゃんは方言のセリフに集中できました。信頼しています。

 大塚さん ありがとうございます。てーるーは話を動かしますからね。鬼頭さんは、収録が進むほど方言がなじんでいくところが、すごいなあ……と思って見ていました。

 ファイルーズさん かーなーは、ひーなーの言葉を翻訳するのですが、ひーなーと同じテンションで翻訳するんです。鬼頭さんに引っ張っていただきました。

 鬼頭さん 方言に集中しすぎて、休憩時間もガイドの音声を聞いていましたし。

 ファイルーズさん 聞きすぎて分からなくなることもあったので、現場で生まれるものも大事にしようとしていました。

 鬼頭さん ファイちゃんも沖縄出身じゃないですし、一緒に頑張ってもらえて、心強かったです。最初は、沖縄出身じゃない私でいいんですか?と不安もありましたが、収録が始まってみると楽しさが勝ちました。

 ーーアニメを楽しみにしている人に向けてメッセージをお願いします。

 大塚さん 大きな愛にあふれた現場です。アニメを見たらすごく沖縄が好きになると思いますし、僕自身もそうですけど、行きたくなるはずです。沖縄の方が見てもすごく楽しい作品になっていると思います。ぜひ全国、海外の人にも見ていただきたいです。

 ファイルーズさん これを見たら沖縄に行きたくなること間違いなしです! 皆さん、2026年は沖縄行きの旅行券を早めに手に入れた方がいいですよ。ジーマーミー豆腐もおすすめです!

 鬼頭さん 沖縄の文化、沖縄あるあるがたくさん描かれているので、見るだけで沖縄のことに詳しくなれます。ぜひ最後まで見届けていただきたいです。私は沖縄に行ったことはないけど、第二の地元と思うくらい愛着があるので、沖縄に行って、学んだことを披露したいです。

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