解説:サンダーボルト・ガンダムはサンダーボルト版ZZなのか? “猛者”によるスクラッチモデルも話題

太田垣康男さんのマンガ「機動戦士ガンダム サンダーボルト」のコミックス最終27巻
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太田垣康男さんのマンガ「機動戦士ガンダム サンダーボルト」のコミックス最終27巻

 太田垣康男さんのマンガ「機動戦士ガンダム サンダーボルト」のコミックス最終27巻が発売された。「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で2012年に連載をスタートし、今年9月に最終回を迎え、約13年の連載に幕を下ろした。最終回では、サンダーボルト・ガンダムが登場したことも話題になり、同機はコミックス最終27巻の表紙を飾った。サンダーボルト・ガンダムについて解説する。

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 ◇大インパクトの変形

 サンダーボルト・ガンダムは、アナハイム・エレクトロニクスがイオ・フレミング、リリー・シリェーナ、カリストによるユニット「チーム・サンダーボルト」のために開発した試作型重可変MS(モビルスーツ)。パーフェクト・ガンダムやパーフェクト・ジオングに対抗しうる究極のMSとして誕生した。パーフェクト・ジオングのサイコミュ・システムを転用し、イオが基本操縦、リリーが索敵と火器管制、カリストがサイコミュ・システムとIフィールドの制御を行う。

 10機のIフィールド・ジェネレーターを備え、メインキャノン、シールドガン、頭部メガ粒子砲、リニアレールガン、ビーム・サーベルを装備。ニュータイプ専用機ではあるが、オールレンジ攻撃用の兵器は搭載されていない。

 フルアーマー・ガンダムゆずりの大型バック・パック、アトラスガンダムのようなリニアレールガンを備え、これまでイオが搭乗してきたガンダムを継承しているようにも見える。全高約33メートルと巨大で、ボマーモードに変形するギミックも備える。最終回では見開きで変形シーンが描かれ、大きなインパクトを残した。

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 ◇サンダーボルトらしい“集大成”

 サンダーボルト・ガンダムは、最終回が掲載された「ビッグコミックスペリオール」の表紙を飾った。表紙のサンダーボルト・ガンダムのポーズは「機動戦士ガンダムZZ」のZZガンダムのオマージュのようにも見える。ファンの間で“サンダーボルト版ZZ”なのでは?などとも話題になった。

 最終巻の発売を記念した上映会に登壇した太田垣さんは、サンダーボルト・ガンダムについて「1年前くらいに出そうと決めて、デザインを始めました。それまでZをチラッと出したことがありましたが、最後にZに乗るのはひねりがない。その先にいこうとしたら、ZZしかない。ただ、そのままではなく、雰囲気を残しつつ、集大成としてデザインしました。最後に出ることで、タイトル回収になったらキレイかな?と」と説明していた。

 どうやらZZガンダムも意識したところもあったようだが、「サンダーボルト」のこれまでの系譜にあり、サンダーボルトらしい“集大成”のデザインになっている。

 変形ギミックについては「デザインは1カ月くらいかかりました。変形は、レゴで作って検証しました。レゴは完全設定資料に載っています」と語った。デザインに関する詳細は、最終巻の限定版に付属する「サンダーボルト・ガンダム完全設定資料BOOK『HOW TO BUILD THUNDERBOLT GUNDAM』」で明かされている。

 完全設定資料には、サンダーボルト・ガンダムがパーツごとに掲載されている。太田垣さんは、資料を参考に、立体化してほしいという思いがあったというが、資料を見ていると、どうやらフルスクラッチになりそうだ。

 最終巻の発売を記念したファンミーティングでは、モデラーの竹内陽亮さんが手掛けたサンダーボルト・ガンダムのスクラッチモデルが展示されていた。太田垣さんが「猛者」と絶賛するのも納得のクオリティーで、複雑な形状が再現されていた。

 なお、スクラッチモデルは、太田垣さんと竹内さんの対談と共に「月刊ホビージャパン」(ホビージャパン)2026年2月号にも掲載されている。(阿仁間満/MANTANWEB)

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