呪術廻戦 死滅回游 前編
第53話「部品」
2月5日(木)放送分
中国の動画配信サービス「bilibili(ビリビリ)」で配信された オリジナルアニメ「時光代理人 -LINK CLICK-」の続編となる「時光代理人 -LINK CLICK- 英都篇」の日本語吹き替え版が、フジテレビの深夜アニメ枠「B8station(ビーハチステーション)」で放送されている。写真の世界に“ダイブ”し、撮影者の精神に乗り移る能力を持つトキ(程小時)と、写真の世界で12時間以内に起きた出来事を把握する能力を持つヒカル(陸光)が、時光写真館に舞い込む特殊な依頼を解決する“タイムサスペンス”。「英都篇」では、過去に遡(さかのぼ)りトキとヒカルの出会いが描かれる。トキを演じる豊永利行さん、ヒカルを演じる櫻井孝宏さんに収録の裏側や「英都篇」の見どころ、互いの魅力について聞いた。
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豊永さん 第1期はトキやヒカルの能力の説明を踏まえたオムニバス形式で、第2期はサスペンス的な展開になり、この作品の一つのジャンルに縛られない作り方がすごく新鮮に映りました。第2期の犯人探しの展開は、ワクワクしながら収録した記憶があります。
櫻井さん 豊永くんとほぼ同じなのですが、怖い話だなと思っていました。第2期のインパクトが大きくて、「英都篇」が始まる時も恐る恐るな気持ちでしたね。それくらい第2期のラストが痛々しかったです。しんどいシーンを何度も振り子のように見せる演出の影響で、時間が進んでいるのかどうか分からなくなるような、そういう錯覚を生み出す作りも印象的でした。
豊永さん 櫻井さんがおっしゃったように、第2期は何度も何度も同じ時間軸を行ったり来たりするので、後半は「あと何回死ぬんだろう?」という気持ちになっていました。「英都篇」が決まった時も「また今回も死ぬのかな」とスタッフさんに冗談で話していました(笑)。
豊永さん 個人的には、「えっ、第2期の続きは?」というのが正直なところでした。ただ、「英都篇」という副題があるからには、また何かしらの伏線やギミックがきっと張り巡らされているんだろうと思いつつ、また、今回も心が晴れやかになることはないだろうと覚悟をしておかなければなと考えていました。
豊永さん そうですね。冒頭で死んでますからね。
櫻井さん 第3期ではなく「英都篇」というくくりで過去の出会いを描くということで、これまでの情報を塗り替えるような大規模アップデートになる一編だと思いました。「英都篇」という前提があっての第1期・第2期だったんだと思うと、作品の見え方が変わりますよね。第1期・第2期でルールめいたものは分かっていたんですが、「英都篇」でさらに教育された感じがあって、私はいまだにこの作品をちゃんと把握できてないんじゃないかなと。
豊永さん それは僕もそうです。
櫻井さん 「こうです」と言い切れないことだらけ、不確実なことだらけすぎて。今回は、ほぼヒカルの視点で過去が描かれて、悪夢のように繰り返される時間の中でなんとか光を掴もうとする話なのですが、そこに新しいキャラクターが絡んでくる。新キャラも不確定要素なので、実はもっと外側にいる誰かがタクトを握っているのかもと想像を膨らませてしまうんです。だから鵜呑みにできない。
豊永さん だからこういうインタビューの時、すごく困るんです(笑)。
櫻井さん 口数が多くなるんです。どう説明しよう?と。
豊永さん 皆さんは、我々演者側は知っているだろうと思うじゃないですか。でも、僕らも分からないことがいっぱいあるんです。その前置きをした上で話さないと、皆さんが考察をする楽しみを奪ってしまいかねないのでね。
櫻井さん 豊永くんはトキにぴったりですよね。表現のアイデアがたくさんあって、その一つ一つがどれも面白い。トキのちょっと野良っぽい感じ、縛られていないような奔放な印象は豊永くんだからこそ生まれているなと思います。
豊永さん 僕が何を投げてもきっとヒカルでいてくれるという櫻井さんの信頼感がすごいんです。櫻井さんがお作りになられるキャラクター像の土台の堅牢さがすごいので、俺がどれだけ上をたたいても芯はブレずにヒカルのまま楽しんでくださっているのをひしひしと現場で感じます。トキはセリフとして必要な情報を詰め込むのに結構早口にならないといけないことも多くて、その時に櫻井さんもおっしゃった野良感というか、言葉がちょっと崩れていても放り投げるという感覚を大事にして、それがトキらしさに繋がればいいなと思っていました。
櫻井さん 確かに聞いていて気持ちいいですね。セリフのグルーヴ感というか、ちょっと弾むような感じというか。
豊永さん 僕も気持ちいいです。
櫻井さん 豊永くんは僕のできないことばかりできる人なんです。トキのような役は、私がやると余計なニュアンスが出ちゃいそう。豊永くんの持つ軽やかさだったり、男の子っぽい無邪気さだったり、発想だったり、それは本当に羨ましいなと思います。
豊永さん 過去に戻った時の話なのですが、ヒカルは現在のことを覚えていそうなんです。完全に真っさらの状態で過去に戻っているのはトキだけというか。なので、僕のアプローチとしては、トキは何回も死んでいるのでそのたびにリセットしてはいるのですが、改めて僕の中でリセットをかけて、なんならちょっとだけ精神年齢を若くしようかなと意識しました。最初に第1話の台本を読んだ時、「これは櫻井さん、大変だ……」と思ったので、僕は第1期の無鉄砲で自由な感じのトキらしさを思い出しながら演じていくべきかなと考えました。
櫻井さん 豊永くんが説明してくれたように、ヒカルは何回初めての出会いを繰り返しているか分からないんですよ。そんな苦しい状況でも、未来を変えようと必死に頑張っています。トキとの出会いのプロセスを何度もトライアルして、できるだけ違う道筋を作ろうとする。ただ、度を超えた深読みを始めて、その答え合わせができないまま進んでいくと演技の土台を崩しかねない。だから、ループしていることを情報として持ちながら、表現はできるだけシンプルにしようと考えていました。映像は完成されていますし、複雑にしてドラマのトーンにそぐわないことをやっても作品がきれいじゃなくなっちゃうので。
豊永さん 「英都篇」に関してはトキはそのまま生きていればいいので、役者に委ねられているところも多い気がします。トキは含みを持たずにその言葉の通りのことを思っていていいし、行動をとっていいポジションなので、邪推せずに表現できる。トキという人物像の深みが役者にかかっているところは難しくもありますし、楽しくもあります。僕が演じることでトキという人物が大きく、深くなっていければいいなと。ヒカルとは全然違うアプローチだと思いますが。
櫻井さん 「英都篇」はほぼほぼ、トキをなんとか救おうと奔走するヒカルで埋め尽くされているんですけど、その合間のほんの少しですが、重くなりすぎないよう可愛く作られているカットがあって、それは救いになりました。この辺はポイントだなと思っていたので、ヒカルのキャラクターを意識して表現しました。
豊永さん ちゃんと含みがあるのがすごいんです。櫻井さんの表現の中にはフックがちゃんとあるので。そもそも作品について知らないこともある中で、フックがかけられて含みを入れられるって、櫻井さんの頭の中はどうなっているんだろうって。
櫻井さん いやいや、それなりに含ませておいて後で「含ませてないです」って言ってるだけ(笑)。ただ、フックは多めに仕込んでおいたほうがいいかなと思って、そういう仕込む楽しさはありました。
豊永さん 心して見てください。その言葉がまさにこの作品にぴったりだと思います。第1期・第2期を乗り越えてきてくださった皆様の“ざわざわ”に応える作品になっていると思います。第1期がオムニバスで、第2期がサスペンスなら、「英都篇」は個人的にはハードボイルドだと思っています。また、この「英都篇」があるから第3期に繋がっていくという、ある意味で納得できるシーズンでもあります。いわゆるスピンオフではなくて、正当な続編。斜に構えず見ていただきたいです。
櫻井さん 第2期のラストが衝撃的だった分、「英都篇」はもう少し落ち着いて見られると思います。過去に遡ってこれまでの情報が一新されるのがしんどくも面白かった。事実を受け入れれば、それを踏まえた上で改めて知る楽しさを味わえますしね。豊永くんが言ったように第3期に繋がる重要な位置づけの作品になっていて、最後にはしっかり驚きが待ってます。それも含めて楽しんでいただければと思います。
しろいぬ/MANTANWEB
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