名探偵コナン
#1140「女子会ミステリー3」
11月2日(土)放送分
誕生から46年目に突入している聖悠紀さんのSFマンガ「超人ロック」の最新シリーズ「ホリーサークル」の第1巻が23日、発売された。1967年にマンガ同人グループ「作画グループ」の肉筆回覧誌(同人誌)で発表されて以来さまざまな媒体を経て、現在は「月刊コミックフラッパー」(メディアファクトリー)などで連載している。一つの作品で半世紀近く続くという未踏の“長寿作”を描く聖さんは「あと29年はロックを描き続けたい」と言い切るなど作品への情熱は尽きない。その思いを聞いた。(毎日新聞デジタル)
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「超人ロック」は、緑の髪が特徴的な男性で、数千年の時を生きる超能力者・ロックが主人公だ。人類が銀河系へと進出した時代を舞台に、時には少年や女性の姿になって登場するロックを中心に、さまざまな境遇に生きる人々の生きざま、歴史を描いている。同人時代の1作目「ニンバスと負の世界」から始まり、「聖者の涙」「ミラーリング」「天空の魔法士」などがある。最近では、他のシリーズにも登場した帝国の名宰相ブリアンとロックの因縁を描いた「エピタフ」、辺境惑星を舞台に危険なエアバイクレースにロックが挑む「嗤(わら)う男」などが刊行されている。
作品で特徴的なのは、描かれている年代の順番はバラバラで、コミックス1冊ごと(長くても数冊)で一つのエピソードが完結するため、どの巻から読んでも話が分かるのがポイントだ。聖さんも「『長いのでどこから読んだらいいかわからない』という人もいるが、気にせず好きなところから読んでほしい」と話している。
舞台となる時代がめまぐるしく変わるユニークな手法は、故・手塚治虫さんの影響だ。聖さんは一度だけ手塚さんと出会ったことがあり、そのときに「火の鳥」について話をしたという。聖さんは「手塚先生は『火の鳥』で、過去の話を書いたら、未来の話を書いて、次の過去の話と、だんだん時代の感覚が短くなって、最後は原稿を書いている自分の部屋で終わりたい』とおっしゃっていた」と明かした。不死を生きる「火の鳥」と同じく、ロックも人類を見つめる“語り部”の存在というわけだ。
そして扱うテーマは、読者がいつの時代でも読めるよう配慮している。原子力を制御できない人類、権力におぼれる人の業(ごう)といった普遍性の高いものを扱い、時代の流行ネタを入れないのはそのためだ。ただし、執筆の苦労もあるといい、過去や未来へ行き交う時代の整合性を取ることや、数えきれないほど多彩なキャラクター、話がかぶらないようにマンガを読み返すこともあるという。
聖さんがマンガ家になろうとしたのは高2だった。幼少時代から手塚治虫の「鉄腕アトム」や横山光輝の「鉄人28号」などのマンガを読んだ。「SFが好きでお話を描いてみたいと思って、裏紙に落書きをした。そんな中で『主人公にしよう』と思ったのがロックです」と振り返る。
72年にプロとしてデビューした聖さんだが、同人活動の時代を含めると「超人ロック」はデビュー前からの”相棒”だ。「20~50年先でも読める話」を目標に連載を続けている。ところが聖さんは「(執筆は)あっという間。締め切りに追われるうちに(プロデビューから)40年たった」と笑う。長寿の秘密について聞くと「モチベーションですね。アイデアがなくなろうが、絵が書けなくなろうが、モチベーションがあれば続けられます」と明かす。聖さんのモチベーションは、マンガ誌でさまざまな作家と連載を競うこと、そしてファンの声にあるという。
そしてシリーズの最新作となる「ホリーサークル」1巻では、謎の街「ホリーサークル」が舞台だ。記録を改ざんされた宇宙船事故、情報を抹消された惑星、85年ぶりに眠りから覚めた美女など、一見関係ないように見える出来事の数々がつながっていく。作品の秘密でもある「若返り」の話にも触れられる。
昨年のファンイベントでは「あと30年書きます」と宣言した63歳の聖さんは「あと29年間ロックを描き続けたいと思っています」と笑う。「(江戸時代の浮世絵師の)葛飾北斎が90歳になって絵がうまくなったという逸話がありますが、最近ようやく分かるようになりました。私の絵もまだまだうまくなると思いますし、実際なっていますよ」と情熱を燃やす。不死の時を生きるロックと同様、聖さんのモチベーションも“不死鳥”のように燃え上がっている。
<プロフィル>
ひじり・ゆき 49年生まれ。71年にプロデビュー。「ボルテスV」「闘将ダイモス」のキャラクターデザインを担当。代表作に「超人ロック」シリーズ、「くるくるパッX」「TWDエクスプレス」がある。現在、月刊コミックフラッパーで「超人ロック ホリーサークル」、月刊ヤングキングアワーズで「超人ロック 風の抱擁」を連載中。
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