1996年の「トレインスポッティング」で一躍有名になり、その後、「スラムドッグ$ミリオネア」(2008年)や「127時間」(10年)などの作品で話題を集めてきたダニー・ボイル監督の犯罪サスペンス「トランス」が11日に封切られた。脚本を、ボイル監督の映画デビュー作「シャロウ・グレイブ」(90年)や「トレインスポッティング」でも組んだジョン・ホッジさんがジョー・アヒアナさんと共同で書いており、ひねりとスピード感が、ボイル監督の初期の作品を思い起こさせる。
ウナギノボリ
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映画は、白昼のオークション会場からゴヤの名画「魔女たちの飛翔」が盗まれるところから始まる。仕掛けたのは、ギャング団を率いるフランク(バンサン・カッセルさん)。実はこの盗みには競売人サイモン(ジェームズ・マカヴォイさん)も一枚かんでいた。ところが、仲間割れからサイモンがフランクに殴られたことで記憶を喪失。絵画の隠し場所も忘れてしまう。フランクは催眠療法を使いサイモンの記憶を取り戻そうと考える。そこで、エリザベス(ロザリオ・ドーソンさん)という催眠療法士が呼ばれるのだが……という展開。
今回、ボイル監督が挑んだテーマは“潜在意識”。人間は意識と無意識どちらによって支配されているのか。この難解なテーマをひもとくために用意されたストーリーはかなり複雑だ。そのため、こちらの推理はストーリーの進行とともにことごとく崩れていき、それと同時に多くの謎が積み上がっていく……。それらは最後にはきちんと回収されるので、あとあと「あれはなんだったの?」というモヤモヤ感が残ることはない。とにかく、登場人物3人がみなただ者ではなく、“してやられた感”は十分。演じるマカヴォイさん、カッセルさん、ドーソンさんの演技を、くれぐれも思い込みで見ないように。11日からTOHOシネマズシャンテ(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。
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