注目映画紹介:「土竜の唄」 生田斗真主演 三池監督、クドカン脚本によるアクションコメディー

(C)2014「土竜の唄」製作委員会(C)高橋のぼる・小学館
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(C)2014「土竜の唄」製作委員会(C)高橋のぼる・小学館

 人気マンガを基に俳優の生田斗真さん主演で実写映画化した「土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官 REIJI」が15日に公開された。「土竜の唄」は、マンガ誌「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載中の高橋のぼるさんの人気マンガで、現在、コミックスは39巻まで出版されている。素行不良で警察官を懲戒免職された菊川玲二が“モグラ”と呼ばれる潜入捜査官として暴力団に入り込み、幹部逮捕のため奮闘する姿を描く。映画では生田さんが玲二を演じ、「十三人の刺客」「悪の教典」などの三池崇史監督がメガホンをとり、脚本を「木更津キャッツアイ」シリーズなどの宮藤官九郎さんが担当した。

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 玲二を取り巻く人々として、ヒロイン役の仲里依紗さんをはじめ、堤真一さん、山田孝之さん、岡村隆史さん、上地雄輔さんら個性豊かなキャストが顔をそろえ、原作をほうふつとさせるビジュアルで脇を固めている。人気グループ「関ジャニ∞」が主題歌「キングオブ男!」を歌っている。

 人一倍正義感は強いが月間の始末書数のワースト記録を樹立するなど、問題児の谷袋警察署交番勤務の巡査・菊川玲二(生田さん)は、ある日、署長の酒見路夫(吹越満さん)から突然クビを宣告される。抗議する玲二だが、懲戒免職は表向きの理由で、実際は関東一の武闘派暴力団組織・数寄矢会の会長・轟周宝(岩城滉一さん)を逮捕するため潜入捜査官、通称“モグラ”になれという命令だった。玲二は偶然にも、数寄矢会傘下・阿湖義組の若頭“クレイジーパピヨン”こと日浦匡也(堤さん)に気に入られる。数寄矢会内部の権力闘争や関東進出を狙う日本最大の暴力団組織・蜂乃巣会との抗争といった数々のピンチに見舞われながら、玲二はモグラとしての任務を遂行しようとするが……という展開。

 予告編でも公開されているように、見ているこちらが心配してしまうほど過激なシーンを演じる生田さんの姿がインパクト大。いろんな意味で体を張り、これまでのイメージをすがすがしいほどに覆す振り切った演技で、“誰も見たことがない生田斗真”がそこにいる。アクションにバイオレンス、お色気など、多彩な要素を詰め込んだアクが強めな原作の世界観を、宮藤さんが笑いと感動を絶妙に配合した脚本にまとめ、ほどよいケレン味を利かせる三池監督の演出がマッチしている。ハイスピードで駆け抜けるような展開には、幕の内的ながら“規格外”。惜しむらくは生田さんと山田さんのからみが少なかったこと。時間の関係もあるだろうが、もう少し2人の関係性を深く描いてもよかったのではと感じた。エンディングロールでの生田さんの貴重な歌声にも注目だ。TOHOシネマズ 六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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