1985~2009年に全6巻が発表された角野栄子さんの児童文学を基に実写映画化した「魔女の宅急便」が1日に公開された。同作は、89年にはスタジオジブリの宮崎駿監督によって劇場版アニメ化され大ヒットを記録した。実写版では13歳の魔女見習いの少女・キキが、修業先に選んだ海辺の町・コリコを舞台に、住人との交流や「お届け屋」として奮闘する物語。キキ役にはオーディションで選ばれた女優の小芝風花さんが演じ、相棒の黒猫・ジジは声優の寿美菜子さんが声を担当し、共演は尾野真千子さん、宮沢りえさん、浅野忠信さん、筒井道隆さんら豪華な顔ぶれがそろった。「呪怨」シリーズの清水崇監督がメガホンをとり、「おおかみこどもの雨と雪」などの奥寺佐渡子さんが共同脚本を担当。歌手の倉木麻衣さんが主題歌「Wake me up」を歌う。
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魔女の母・コキリ(宮沢さん)と普通の人間の父・オキノ(筒井さん)の間に生まれたキキ(小芝さん)は「13歳の満月の夜に旅立ち、魔女のいない町で1年修業する」という決まりに従い、黒猫のジジ(声・寿さん)を連れて旅に出る。キキは海辺の町コリコにたどり着き、パン屋のおかみ・おソノさん(尾野さん)と出会い居候させてもらい、お届けもの屋「魔女の宅急便」を始める。空を飛ぶことを夢見る少年・とんぼ(広田亮平さん)ら住人と暮らしながら働くキキは、ある出来事をきっかけに空を飛べなくなってしまい……という展開。
まず引き込まれるのが原作の世界観を再現した美術や衣装の数々。細部まで作り込まれた小道具や街並みなどが、原作のファンタジーな雰囲気を存分に引き出している。そして、主人公・キキ役の小芝さんのけなげな演技も印象的で、くるくると変化する可愛らしい表情が原作のキキとオーバーラップし、とても映画初主演とは思えない。原作に忠実ながら清水監督らしい演出も見られるストーリーは、やや王道過ぎるきらいはあるが、冒頭からエンディングまで一貫して楽しませる。キキの相棒ジジが本物の黒猫でないのは残念だが、演出上、CGのほうが物語のクオリティーが上がるため仕方ないのかもしれない。とんぼとキキのやり取りに今作のテーマが凝縮されており、鑑賞後はどこか温かい気持ちにさせてくれる。アニメ版が有名だが、原作の実写化作品として期待を裏切らない仕上がりだ。新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽、ゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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