注目映画紹介:「GAMBA ガンバと仲間たち」 「ガンバの冒険」が3DCGアニメで劇的に進化

「GAMBA ガンバと仲間たち」のワンシーン (C)SHIROGUMI INC.,GAMBA
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「GAMBA ガンバと仲間たち」のワンシーン (C)SHIROGUMI INC.,GAMBA

 斎藤惇夫さんの名作児童小説「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」(岩波書店)が原作の劇場版3DCGアニメ「GAMBA ガンバと仲間たち」(小川洋一総監督、河村友宏監督、小森啓裕監督)が10日に公開される。劇場版3CGアニメ「STAND BY ME ドラえもん」などを手掛けた映像制作会社「白組」が手がけ、ドラマ「リーガルハイ」などで知られる古沢良太さんがアニメの脚本に初挑戦することでも話題を集めている。

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 原作「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」は、ドブネズミのガンバと仲間たちが強大な敵に立ち向かうため冒険を繰り広げる児童文学で、1975年にテレビアニメ化され、これまで2度の劇場版アニメやミュージカルが製作されている。今作は24年ぶりの劇場版アニメとなる。町ネズミのガンバ(声・梶裕貴さん)とマンプク(声・高木渉さん)は、都会の片隅で楽しく暮らしていた。ある日、「海は世界で一番広くて大きい」と聞いたガンバは、海を目指し旅立つ。ガンバらは港で船乗りネズミの宴に参加するが、そこへ島ネズミの忠太(声・矢島晶子さん)が助けを求めてくる。ところが、敵の白イタチが「ノロイ」(声・野村萬斎さん)だと聞くと、船乗りネズミたちは逃げ出してしまう。ガンバは自分だけでも島ネズミを助けようと決心。出航しようとしたガンバの元に、ボーボ(声・高戸靖広さん)、ガクシャ(声・池田秀一さん)らが駆けつけ……というストーリー。

 児童文学としてもアニメとしても名作の「ガンバ」だが、3DCGで描かれたガンバは、いい意味でまったく別の作品だった。キャラクターたちのビジュアルが洗練されているのはもちろん、最先端の技術で躍動する姿や美しい映像からは驚きと感動の波が押し寄せてくる。キラキラと輝く世界で生き生きしたキャラクターたちが活躍する物語にグッと引き込まれ、テンポのいい展開と冒険アクションに心が躍る。ノロイとの対決や、勇気と友情、恋心など見どころは満載で、中でもノロイの姿がなかなか怖い。ヨイショ役の大塚明夫さん、ツブリ役の野沢雅子さん、潮路役の神田沙也加さんら豪華な声優陣が顔をそろえた。倍賞千恵子さんが歌う小沢健二さんのナンバー「ぼくらが旅に出る理由」が心地よい余韻に浸らせてくれる。懐かしさも新しさも味わえ、思わず童心に返った。丸の内TOEI(東京都中央区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。


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