注目映画紹介:「スノーホワイト/氷の王国」 あまりにも美し過ぎて恐ろしい姉妹女王が強烈!

「スノーホワイト/氷の王国」のワンシーン (C)Universal Pictures
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「スノーホワイト/氷の王国」のワンシーン (C)Universal Pictures

 グリム童話「白雪姫」に大胆アレンジを加えた「スノーホワイト」(2012年)から4年、続編となるアドベンチャー大作「スノーホワイト/氷の王国」(セドリック・ニコラス・トロイヤン監督)が、27日に公開された。鏡の覇権争いをめぐって、美し過ぎる女王と戦士たちの闘いを繰り広げる。

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 邪悪な女王ラヴェンナ(シャーリーズ・セロンさん)には、フレイヤ(エミリー・ブラントさん)という妹がいた。姉とは違って穏やかな性格だったフレイヤは、あることをきっかけに自暴自棄となり、強力な魔力を手に入れて氷の女王として新たな王国を築いていた。フレイヤが作った軍隊で成長したエリック(クリス・ヘムズワースさん)とサラ(ジェシカ・チャステインさん)は恋に落ちて脱走を図るが、フレイヤの逆鱗に触れ、2人は離れ離れに……。その7年後、エリックはウィリアム王子(サム・クラフリンさん)からの依頼を受けて、邪悪な力の根源である鏡を探す旅に出ていた……というストーリー。

 今作は、前作を真ん中にはさみ、前と後の物語を描いている。といっても、前作を見ていなくても楽しめる。新たなキャラクターであるラヴェンナの妹フレイヤが物語の核になっているからだ。氷を自在に操る彼女の王国には、「愛してはならない」という掟があり、集めた子どもたちで軍隊を作っている。フレイヤが「愛は幻想」と子どもたちに説く姿は、まるで自分に言い聞かせているようでもの悲しい。そんな冷たい王国で育ったにもかかわらず、エリックとサラは愛を育む。この2人が再び愛を取り戻せるのか……。そして、例の鏡は誰の手に渡るのか、というシンプルなストーリーだ。

 視覚効果のアーティストだったセドリック監督が、寒々しい氷の王国、妖精が飛び交う幻想的な森など、メリハリのある映像で効果的に見せることに成功している。後半は、シルバーと黄金のゴージャス衣装の姉妹女王が、あまりにも美し過ぎて恐ろしいほど。視覚的に強烈なので、エリックとサラの印象が消えそうな勢いだ。特にセロンさんの美しさは完璧で、迫力もあって見ほれてしまう。「美」と「権力」にすがる女性の執念は恐ろしい限りだが、一方の男性は地道。ヘムズワースさん演じるマッチョなエリックが、コツコツと鏡探しをしたり、全身打ち身だらけになって(想像)城へ入ったり、体を張って愛する人を守ろうとする姿が可愛らしく見え、愛嬌(あいきょう)たっぷりのゴブリンにもホッとさせられる。製作は、前作や「マレフィセント」(14年)などのジョー・ロスさん。衣装を担当したのは「アリス・イン・ワンダーランド」(10年)などのコリーン・アトウッドさん。27日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほかで公開。(キョーコ/フリーライター)

 <プロフィル>

 キョーコ=出版社・新聞社勤務後、映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。ゾウのはな子さんにもう一度会いたかった、と思っているところです。

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