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井上祐貴:「べらぼう」松平定信はめんどくさい人物? “宿敵”意次との対峙「やっとここまで来た」と感じていただけたら

大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で松平定信を演じる井上祐貴さん (C)NHK

 横浜流星さん主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK総合、日曜午後8時ほか)で、松平定信を演じる井上祐貴さん。田沼意次(渡辺謙さん)の意向で、白河松平家へと養子に出され、幕政の中心から遠のいた“不遇の少年時代”を経ての登場で、8月10日放送の第30回「人まね歌麿」では早くも“宿敵”意次と対峙する。「『やっとここまで来た』という内に秘めた思いを、視聴者に感じていただけたらうれしい」と意気込む井上さんが役について語った。

 ◇めんどくさい松平定信の早口に苦戦

 松平定信は、財政難と風紀の乱れに直面する幕府の再建を託され、11代将軍・徳川家斉(城桧吏さん)の下で老中首座に就任。田沼意次の華やかな商業重視政策とは対照的に、倹約の徹底、農村復興、風紀の粛正、朱子学の奨励など「寛政の改革」を断行。町人文化にも厳しく、洒落本や黄表紙の出版統制を強化。蔦重(横浜さん)の出版活動にも大きな影響を及ぼす。少年時代は寺田心さんが演じた。

 井上さんの松平定信への印象は「一言で言うとめんどくさい人(笑)」だとか。

 「やりたいことはすごく分かるのですが、個人的には、何でそういう言い回し、言い方をするんだろうなと思うところがすごくあります、でもそれは、実際に歴史をたどってみて、松平定信が失脚した理由の一つにもなっているのかなと思っていて。松平定信が何を思い、どうしたいのか、気持ちは分からなくはないというか、むしろ分かるし、こういう世の中にしたいという部分は理にかなっているとは思うのですが、そのやり方、言い方が、ちょっと独特なところがある。だから『寛政の改革』を始めて、最初の頃は支持されたりするけど、それが続かなかった理由は、そういうところにあるのかなと思っています」

 「べらぼう」で描かれる松平定信の一つの特徴として、井上さんは「早口」を挙げる。

 「とにかく早口なんですよ。松平定信が本当に早口だったかというと、そういったことは史実にはないのですが、この『べらぼう』のチームの皆さんが作り上げた松平定信のキャラクターの個性の一つが早口。それが僕の中ではしっくりときていて、せりふを見ても、確かにバーッて言ってそうだなと思える。で、演じ始めてはみたものの、言い慣れていない単語ばかりをつらつらと言っていくのは、うまくいかないことが多くて、苦戦しています」

 それは、井上さんが抱いた「めんどくさい松平定信」ゆえの苦戦だ。

 「その言葉使わなくても伝わるよなって(笑)。でも松平定信って、いろいろなものを読んで、見たり書いたりと、文字が大好きでずっと触れてきたので、オタク気質もある。だから、わざとそういう言葉を使っているわけじゃないんですね。そういう言葉が体に染み込んでいるから出てくるということは、もちろん理解しているので、松平定信のせりふとしてはまったく違和感はない。でも、僕が言うのは難しいので、そこと戦っています」

 ◇何回も見て、目に焼き付けた賢丸の「今に見ておれ、田沼…」

 松平定信を語る上で欠くことのできない「寛政の改革」については、井上さんは「新たに認識したことだらけ」と語る。

 「『べらぼう』に携わる前の僕の中のイメージは、ただ単に松平定信と田沼意次、違う政策を試みている2人の対立、みたいなざっくりとしたものでした。それも間違いなくあるとは思うのですが、ドラマを見ていて、寺田心君が演じていた田安賢丸の頃から始まっているんだなって、すごく感じて。ただ単に考え方の違う2人がぶつかったのではなく、その背景にはいろいろな出来事があって、その恨みつらみが乗っかってきて起こったことなのかなと」

 そんな井上さんが何回も見て、目に焼き付けたのが、第4回「『雛形若菜』の甘い罠」(1月26日放送の)での賢丸と意次の対峙だ。

 後継ぎがいない場合はお家を断絶する、と吉宗が記した文書の存在を初めて知り、驚く賢丸。文書自体は、田安家を取り潰しにしたい意次が、平賀源内(安田顕さん)の手を借り捏造したものであったが、吉宗を崇拝する賢丸はないがしろにはできず、事は意次の思い通りに進む。

 唇をかむ賢丸は、意次がその場を去ると「なぜ足軽上がりにここまで愚弄されねばならぬ!」と怒りを爆発。「今に見ておれ、田沼……」と復讐を誓っていた。井上さんも「何回も見直しました」と明かす。

 「あの感情を松平定信はきっと忘れることはないんだろうなって思いましたし、そこを根本に持っていると松平定信を演じやすいんだろうなって思って、何回も見て目に焼き付けておこうって」

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