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寺田心:見た目の成長以上に感じた成長 8年ぶり大河ドラマ「べらぼう」演出も驚いた“繊細さ”と“しなやかさ”

大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で田安賢丸を演じる寺田心さん (C)NHK

 横浜流星さん主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK総合、日曜午後8時ほか)で田安賢丸を演じる俳優の寺田心さん。2017年の「おんな城主 直虎」以来、8年ぶりの大河ドラマ出演で、「御三卿」のひとつ田安徳川家の七男で、のちに「寛政の改革」を行う松平定信の若き姿を体現している寺田さんの俳優としての魅力を、第4回などを担当した演出の深川貴志さんに聞いた。

 ◇治済に「恥を知れ!」 「今に見ておれ、田沼…」と復讐心も

 寺田さん演じる田安賢丸は、幼少期より聡明で、兄たちが体が弱かったため、若くして田安家の後継者、また、十代将軍・家治の後継とも目されていた。陸奥白河藩の養子にむかえられ、幕政の中心から遠のくも、田沼意次の失脚後は十一代将軍・家斉の命で老中となり、寛政の改革を行う。寛政の改革では、風紀の取り締まりから蔦屋重三郎に厳しい処分を科すこととなる……。

 初登場は第2回。一橋治済(生田斗真さん)の嫡男・豊千代の誕生を祝う宴席で、治済が傀儡師(人形遣い)に、田沼意次(渡辺謙さん)が黒子に扮し、場を盛り上げる、周囲に持ち上げられ「ではいっそ、傀儡師にでもなるか」とご満悦の治済だったが、そこで苦言を呈したのが賢丸。「恥を知れ! いやしくも吉宗公の血を引く身が、傀儡師になろうかですと? 一橋様、御身に流れるお血筋をいかに心得ておられる。武家が精進すべきは学問、武芸。遊芸におぼるる前に、我らがなすべきことがあると思われぬか!」と強い口調で非難してみせた。

 その後、賢丸の兄で、田安家当主・治察(入江甚儀さん)が急死。賢丸は家を守るため、白河松平家の養子となる話を断ろうとするが、意次の策略により、田安家には戻れなくなってしまう……。

 第4回では、後継ぎがいない場合はお家を断絶する、と吉宗が記した文書の存在を初めて知り、驚く賢丸。この文書自体は、田安家を取り潰しにしたい意次が、平賀源内(安田顕さん)の手を借り捏造したものであったが、吉宗を崇拝する賢丸はないがしろにはできず、事は意次の思い通りに進む。

 唇をかむ賢丸は、意次がその場を去ると「なぜ足軽上がりにここまで愚弄されねばならぬ!」と怒りを爆発。「今に見ておれ、田沼……」と復讐を誓うのだった。

 ◇賢丸役で証明 いまや「繊細さが表現できる貴重な存在」に

 深川さんは、寺田さんが当時8歳で出演した「おんな城主 直虎」にも参加していた。「そのころは僕も“心君”を抱っこしていたりもしていました」と懐かしむ。

 そんな深川さんが「べらぼう」の賢丸役から感じたのは、見た目の成長以上の成長だ。

 「当時は『可愛い』と言われることが多かったと思うのですが、こんなに繊細さを表現できる役者さんになったんだなと感じていて。賢丸は幼少期は病弱だったと言われ、兄がいましたので、周囲の目が行くのは、その兄の方だったと思うのですが、その中でもキチンと爪を研いでいて、文武共に立派な青年。そんな賢丸を本当に体現してくれているなと思っています」

 ここまで、“若さゆえ”といった言葉がぴったりな賢丸の姿が描かれてきたが、深川さんも「田安家の中でもトップではない、養子として白河松平家に送られる、その身の上や不安定さが、寺田さんが演じることによって、すごく表現できている」と感心。

 「(木の)幹ではない枝のようなしなやかさというか、本人がどこまで意識していらっしゃるかは定かではないのですが、ドンッと構えるのではなく、風でしなりしなりとなってしまう、今の若さの賢丸をすごくうまく演じていらっしゃるとも思いました。田沼のことが憎いんだけど、まだか弱くて、心細くて、でも立ち向かいたいという葛藤が見えてくる。偽文書を見せられたときの揺れ動き方は素晴らしかったなと思いますし、すごく繊細さが表現できる貴重な存在だと思っています」

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