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松下洸平:「スカーレット」から5年 「放課後カルテ」で地上波ドラマ単独初主演 「全身全霊を懸けてがむしゃらに」ブレーク後も変わらぬ演技への思い

連続ドラマ「放課後カルテ」で主演を務める松下洸平さん

 10月12日スタートの連続ドラマ「放課後カルテ」(日本テレビ系、土曜午後9時)で、超偏屈な学校医・牧野を演じる松下洸平さん。2019年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「スカーレット」で一躍脚光を浴び、5年の間に数々の話題作に出演、今や映像界に欠かせない存在となった。今作で地上波ドラマ単独初主演を務める松下さんに、ドラマの見どころや、ブレーク後も変わらない演技への思いについて語ってもらった。

 ◇無愛想で偏屈な牧野を「思い切って演じたい」

 ドラマは、日生マユさんが「BE・LOVE」(講談社)で連載していた同名の人気マンガが原作。小学校の保健室に常駐することになった小児科医・牧野(松下さん)は、常に無愛想で、児童からは怖がられ、文句ばかりで教師からも不評。しかし、病気を診(み)る目は確かで、児童たちの異変や“見えないSOS”、隠れた病とその原因を見抜き、子どもたちやその家族、時には教師までをも救っていく。

 松下さんは「医師役の経験があまりないので、すごく難しいセリフにあふれた役なんだろうなと思っていましたが、牧野はあまり口数が多くないので、そこは助かっています」と笑う。

 これまで、爽やかで穏やかなキャラクターを演じることが多かった松下さん。無愛想で偏屈な牧野は「今まであまりやったことがないタイプのキャラクター」だといい、「どれだけ振り切れるか、新たな一面を見せられるか。嫌われる可能性もありますが(笑)、思い切って演じたいです」と意気込んだ。

 「牧野はうそをつかないところが魅力だなと思います。オブラートに包むことも知らないので、誤解を生むこともありますし、人からやっかまれることもありますが、彼にとってはそれが正義で信念なんですよね。いろいろと欠けているところもありますが、それも彼の性格であり個性だから、そこを魅力的に演じたいし、挑戦できることに俳優としての楽しさも感じています」

 ◇今作に懸ける思い「大人も子どもも共感できるすてきな作品に」

 今作で地上波ドラマ単独初主演を務める松下さん。座長としての心構えを聞くと、「作品はみんなで作るものなので、座長として僕にできることは実はあまりないと思っています」と正直な答えが返ってきた。

 「いい評判も悪い評判もあって然るべきだと思うので、そこを一手に担う重圧はありますが、そこばかりを気にして、楽しくものづくりができないのは嫌なんです。現場では、子どもたちともスタッフの皆さんとも常に同じ目線で対等でいたいです。あまり難しく考えずに、自分にとってキャパオーバーになることをしないように、自然体で現場にいられたらいいなと思います」

 今作に懸ける思いを聞くと、「初めて地上波で単独主演をやらせていただくので、僕自身もこの作品をとても大切に思っています。本当に今お届けするのにぴったりな作品ですし、柔らかくて優しい光が差し込むような作品にできたらなと思います。大人も子どもも共感できるすてきな作品にしたいです」と言葉に力を込めた。

 「僕だけじゃなく、愛らしい子どもたちが主役のドラマです。とは言え、大人たちの悩みもたくさん描かれますし、大人も子どもも、ぜひご家族そろってご覧いただけたらうれしいです。土曜日の放送なので、また次の月曜日から『頑張ろう!』と前向きになれるような作品になっています。ぜひ最後までお楽しみください」と呼びかけた。

 ◇「スカーレット」からの5年を振り返って

 松下さんは、1987年3月6日生まれ、東京都出身の37歳。2008年に歌手デビューし、翌年のミュージカル「GLORY DAYS」で俳優として初めての舞台に立った。以降は、舞台やミュージカルで頭角を現し、2019年度後期の朝ドラ「スカーレット」で戸田恵梨香さん演じるヒロインの夫・八郎役に抜てき。松下さん演じる八郎の魅力に熱狂するファンが急増し、X(旧ツイッター)では、「八郎沼」のハッシュタグが連日タイムラインをにぎわせるなど、大ブレークを果たした。

 その後も出演作が途切れることはなく、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの松下さん。「スカーレット」からの5年間を振り返り、「すごく目まぐるしい5年だったなと思います。もう5年も経ったんだって、改めて数字で聞くと、ハッとしますね」としみじみ語る。

 「求められるものや立場は、この5年で変わったところもあると思いますが、変えてはいけない部分をしっかり守れているか、改めて考えなきゃいけないなと思いました。それは、仕事に対する熱量ですね。本当に小さな役でも、1行、2行のせりふでも、全身全霊を懸けて、がむしゃらにやっていた頃の思いは、今でも変わらないし、これからも絶対に変えちゃいけない。その思いを、ずっと大事にしていきたいです」と熱く語っていた。

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