この「月光 インタビュー」ページは「月光」のインタビュー記事を掲載しています。
福山雅治さんが、2024年10月13日に長崎スタジアムシティ(長崎市)のこけら落としとして開催したフリーライブ「Great Freedom(グレートフリーダム)」を自ら映画化した「FUKUYAMA MASAHARU LIVE FILM@NAGASAKI 月光 ずっとこの光につながっていたんだ」が全国で公開中だ。福山さんの脳内にある“理想のライブの音”と“理想のライブの映像世界”を追求した本作。ライブフィルムにかけたこだわりや、公開日に57歳の誕生日を迎えた今の思い、そして今後について聞いた。
◇こだわったのは“立体感のある音空間”
「Great Freedom」ライブは、総合演出、映像、音のすべてを福山さん自身が監修。52台のカメラで360°全方位から撮影し、音響はDolby Atmos(ドルビーアトモス)の技術を駆使し、細部に至るまで徹底的にこだわって理想の表現を追求した。
映画化にあたっては、映画用に再構築したドルビーアトモス音源と極上のライブ映像を軸に、新たに撮影された少年・福山(柊木陽太さん)の“まだ未来の夢すら描いていなかった日々”と、あの日、長崎全土で起きたリアルな出来事が映像として収められている。
少年期の福山さんを演じた柊木さんは、前作のライブフィルム「FUKUYAMA MASAHARU LIVE FILM 言霊の幸わう夏 @NIPPON BUDOKAN 2023」(2024年1月公開)にも出演。さらに、TBS系日曜劇場「ラストマン-全盲の捜査官-」(2023年)では、皆実広見(福山さん)の少年期を演じている。
福山さんにとって、2作目のライブフィルムとなった本作。監督として、「ライブの現場で撮れたものはあくまで素材。それを基に映画へと昇華し、映画館で体験してもらえる作品にしたかった」と語る。映像はもちろん、特に音作りに徹底的にこだわった。
「音源の作業には常にこだわっていますが、今回でいえばドルビーアトモスですね。さまざまな角度から音が飛んでくる。360度とは言えませんが、体感としては180度以上ある。観客の耳の高さに、どんな音を配置するか、現実には存在しない臨場感をどう表現するかを追求しました」
「実際のライブ会場では、座る場所によって音の聞こえ方がまったく違う。でもライブフィルムにすることで、現実には存在しないけれど、自分の頭の中にある理想の聞こえ方を、ドルビーアトモスというシステムで実現できるのではないかと考えました。歓声や打楽器、ギターの音などを左右、前後に配置し、立体的に構築していった。そうした立体的な音作には、最もこだわったと言えると思います」
その結果、非常に没入感のある音空間が生まれた。
「音の海の中にいるというか、多方向から音が飛んでくることで、自分がどこにいるのか一瞬わからなくなるほど、さまざまな音に包まれる空間を作ることができました」と充実感をにじませる。
◇休息も重要 睡眠は平均6時間をキープ
デビュー35周年を迎えた昨年は、音楽活動に加え、主演映画2本(「ブラック・ショーマン」「映画ラストマン -FIRST LOVE-」)が公開されるなど、多方面で活躍。多忙を極める福山さんのリラックス時間は?
「寝ているとき以外はリラックスしていないかもしれませんね。たぶん寝ていても完全にはリラックスできていない。ここ数年はずっとそんな感じで、思考が止まらないんです。体にはあまり良くないと思いますが、やれるところまでやってみようと思っています」
睡眠については「途中で目が覚めることもありますが、6時間は確保するようにしています」と明かす。
今作の公開日となった2月6日は57歳の誕生日だった。この1年をどう過ごしたいか尋ねると……。
「思い描いたライブを実現するには体力が必要ですし、理想のライブフィルムを粘り強く作るためには、編集や音作りに神経を張り詰めて向き合い続ける体力も必要。体力を維持し、さらに高められる部分は高めながら、やりたい表現に向かって変わらず続けていくことですね」という答えが返ってきた。
完成披露イベントで「ウエートトレーニングで100キロを3、4回挙げられる」と発言したことも話題になった。
「昨日までの自分に勝ちたいという、究極の“負けず嫌い”ですね。仕事や学業、エンターテインメントは思った通りの結果が出るとは限らない。でもウエートトレーニングは、やればやった分だけ数字が伸びる。非常にやりがいがあります。もちろん筋肉痛もありますし、追い込み過ぎてけがをするのはNGですが。数字を伸ばすには、きちんと休息を取り、睡眠も確保することが重要。それも含めてトレーニングなんです。確かな手応えを得られるものとして続けています」
「100キロも挙げられるとは意外」という声については、「意外だと思いますよ。僕の周りでもほとんど挙がりませんから。やはり継続ですね。筋量も大事ですが、続けることで正しいフォームが身についてくる」と分析。
さらに「信じられない」という反応には、「つまり世の中から疑われてるということですね?(笑) 疑われるのはミステリアスで、エンターテインメントとしてはむしろいいことだと思っています」との発言も飛び出した。
「FUKUYAMA MASAHARU LIVE FILM@NAGASAKI 月光 ずっとこの光につながっていたんだ」は、本編のあと、スペシャルトラックとして、1993年にリリースしたアルバム「Calling」の収録曲「Moon」の弾き語り映像(昨年11月に収録)が収められているため、終わったと思っても席を立たずに、最後の最後まで福山さんの頭の中に流れている音楽の世界を堪能したい。
(取材・文:細田尚子/MANTAN)