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解説:「9ボーダー」三女役好演の畑芽育 芸歴20年超えの22歳 ここ1年で主演ドラマ3作、過去に味わった悔しさバネに

畑芽育さん

 川口春奈さん主演の連続ドラマ「9(ナイン)ボーダー」(TBS系、金曜午後10時)。6月21日に最終回を迎える本作で、メインキャストとなる大庭家の3姉妹のうち、三女の大庭八海(おおば・はつみ)を演じてきたのが、俳優の畑芽育さんだ。22歳でありながら芸歴はすでに20年を超え、近年は、ドラマや映画で主演やヒロインを務めることも増えてきた畑さんはどんな俳優なのか。過去のインタビューの発言を交えてひもといてみたい。

 ◇1歳の時に芸能キャリアスタートも「子役のときに、悔しい、苦しい思い」

 「9ボーダー」は、父の突然の失踪を機に一つ屋根の下で暮らすようになった39歳、29歳、19歳の“大台”を目の前にした3姉妹が、モヤモヤや焦りを抱えながら、幸せになりたいともがき進む姿を描いている。

 19歳の三女・八海を演じる畑さんは、2002年4月10日生まれ、東京都出身。芸能キャリアをスタートさせたのは1歳の時で、子役タレントやアイドル活動を経て、10代半ばから俳優として徐々に頭角を現すようになる。

 2016年に始まった松本潤さん主演の人気シリーズ「99.9-刑事専門弁護士-」(TBS系)にはシーズン1から出演。2020年放送の連続ドラマ「女子高生の無駄づかい」(テレビ朝日系)で“ロリ”こと百井咲久に扮(ふん)し、話題になると、2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」では、尾高惇忠(田辺誠一さん)の長女のゆうを演じた。

 以降も作品を重ね、昨年から今年にかけて「最高の生徒 ~余命1年のラストダンス~」(日本テレビ、2023年)、「女子高生、僧になる。」(MBSほか、2023年)、「パティスリーMON」(テレビ東京系、2024年)のドラマ3作品に主演。ヒロイン役を務めた映画「なのに、千輝くんが甘すぎる」の公開(2023年3月)もあった。

 そんな畑さんだが、これまでの長いキャリアの中では悔しい思いも味わってきたという。

 過去のインタビューでは「小さなころからコツコツとやってきて『自分が思い描いていた人生じゃなくなるんだろうな』と、ちょっとあきらめていた瞬間もあって。でも、今、こうやって皆さんのおかげでここまで連れてきてもらえて『小さなころからやってきてよかったな』と。子役のときに、悔しい、苦しい思いをして、いろいろなものを見てきてよかったな、と思っています」と話している。

 ◇もどかしい気持ちも悔しい気持ちも、いっぱい経験していくべき

 一方で畑さんは、現状を「今までに感じてきた悔しい思いやつらかった思いを発散していくターン」と位置づける。

 今年4月1日にカンテレ・フジテレビ開局65周年特別ドラマとして放送された「GTOリバイバル」の生徒役を経て、放送中の「9ボーダー」では、ゴハン作りやDIYするのが大好きだけど「低体温」気質という三女・八海を好演している。

 透明感や少女性といった畑さん自身が元来持ち合わせている魅力を役ににじませつつ、「等身大」ともいうべきナチュラルなたたずまいで19歳の八海役を表現。木戸大聖さん扮する陽太への恋心を含めて「ほっとけない可愛さ」を劇中で振りまいている印象だ。

 話題作への起用が続くが、以前にも「オーディションに落ちたときとか、そういう悔しい気持ちって本当にバネになるので、大切に、自分の心にとっておいてます」「浮ついた気持ちは全然ないので、もっともっと泥水をすすって、床をはいつくばって。これからも、もっといろいろな経験をしたい」と意欲的に語っていた畑さん。

 「もっと成功も失敗も、もどかしい気持ちも悔しい気持ちも、いっぱい経験していくべきなんだな、と思います」という芯の強さで、ここからさらに俳優キャリアを積み上げていくことを期待したい。

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