解説:愛らしさ、ナチュラルなたたずまいも魅力の畑芽育 “姉妹もの”で末妹好演 24年を振り返る

畑芽育さん
1 / 1
畑芽育さん

 映画初主演作となる「うちの弟どもがすみません」が12月6日に公開された俳優の畑芽育さん。そのほか今年は、主演1作を含む三つの連続ドラマにメインとしてキャスティングされ、愛らしい姿を劇中で振りました印象だ。22歳でありながら芸歴はすでに20年を超え、ここに来て、さらに輝きを増す畑さんの2024年の活躍を振り返りたいと思う。

あなたにオススメ

 ◇偶然? 「9ボーダー」「若草物語」でいずれも末妹役

 2024年の幕開けは、1月期の主演ドラマ「パティスリーMON」(テレビ東京系)だった。女性向けマンガ雑誌「YOU」(集英社)で2006~08年に連載されたきらさんによる同名マンガが原作。フランス洋菓子店を舞台にしたラブストーリーで、畑さんがテレビ東京のドラマに主演するのは初。恋愛経験ゼロのピュアな性格だが、何事にも一生懸命な新米パティシエの山崎音女(おとめ)を演じた。

 カンテレ・フジテレビ開局65周年特別ドラマ「GTOリバイバル」(4月1日放送)での生徒役を経て出演したのが、川口春奈さん主演の4月期ドラマ「9(ナイン)ボーダー」(TBS系)。父の突然の失踪を機に一つ屋根の下で暮らすようになった39歳、29歳、19歳の“大台”を目の前にした三姉妹が、モヤモヤや焦りを抱えながら、幸せになりたいともがき進む姿を描いた本作で、ゴハン作りやDIYするのが大好きだけど「低体温」気質という三女・八海に扮(ふん)した。

 さらに畑さんは、12月15日に最終回を迎えた堀田真由さん主演の10月期ドラマ「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―」(日本テレビ系)にも起用される。

 ドラマは、米作家ルイーザ・メイ・オルコットが手がけた不朽のベストセラー「若草物語」が原案。“もしあの四姉妹が令和ニッポンに生きていたら……”という着想で、舞台を現代に置き換えて描かれる、社会派シスターフッドコメディー。畑さんは、沼オトコにハマる、服飾学校に通うしたたか四女・町田芽(めい)を好演。偶然にも「9ボーダー」に続く“姉妹もの”の末妹役に、畑さんの愛らしさがピタっとハマっていた。

 ◇主演やヒロインを務めることも増えてきたが…

 芸能キャリアをスタートさせたのは1歳の時で、子役タレントやアイドル活動を経て、10代半ばから俳優として徐々に頭角を現すようになり、近年は、主演やヒロインを務めることも増えてきた畑さんだが、その芸能キャリアは決して順風満帆ではなかったという。

 1年前のインタビューで「小さなころからコツコツとやってきて『自分が思い描いていた人生じゃなくなるんだろうな』と、ちょっとあきらめていた瞬間もあって」と明かし、「今、こうやって皆さんのおかげでここまで連れてきてもらえて『小さなころからやってきてよかったな』と。子役のときに、悔しい、苦しい思いをして、いろいろなものを見てきてよかったな、と思っています」と話すなど、苦悩と喜びを交互に味わってきたことがうかがえた。

 さらに同じインタビューの中で、引く手あまたな状況について「今までに感じてきた悔しい思いやつらかった思いを発散していくターン」と位置付け、「浮ついた気持ちは全然ないので、もっともっと泥水をすすって、床をはいつくばって。これからも、もっといろいろな経験をしたい」と強い覚悟をのぞかせていた畑さん。

 透明感や少女性といった元来持ち合わせている魅力を役ににじませつつ、「等身大」ともいうべきナチュラルなたたずまいで作中で生きる姿を、この先もどんどんと見せてくれるに違いない。

芸能 最新記事