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GACKTさんと二階堂ふみさん、杏さんが出演する映画「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」(武内英樹監督)が11月23日に公開される。映画は2019年に公開された前作「翔んで埼玉」の続編で、GACKTさんは前作に引き続き麻実麗(あさみ・れい)、二階堂さんは壇ノ浦百美(だんのうら・ももみ)を演じ、杏さんは滋賀県人を導く美しい“滋賀のオスカル”桔梗魁(ききょう・かい)として初の男性役で出演する。3人に、続編に出演する心境やそれぞれの故郷への思いなどを聞いた。
◇続編オファー「1回断りました」
映画は、「パタリロ!」で知られる魔夜峰央さんが1982年に発表し、2015年に宝島社の「このマンガがすごい! comics 翔んで埼玉」として復刻された同名マンガが原作。今作は原作の世界観はそのままに、オリジナルストーリーとして描かれ、平穏な日常を手に入れた埼玉解放戦線が、さらなる自由と平和を求める中、東西を巻き込んだ壮絶な“ディスバトル”が繰り広げられる。
前作は、最終興行収入37.6億円を記録。大ヒット作の続編だが、オファーを受けたGACKTさんは「『やめましょうよ』って、1回断りました。『もういいじゃないですか』って」と冗談めかして笑う。
そんなGACKTさんの話に、二階堂さんは「私もやめといた方がいいと思いました」と笑いつつ、前作の反響から、続編を作る使命感も感じていたという。「不安が大きかったですけど、いまだにすごく『翔んで埼玉、見ました』っておっしゃっていただけるんですよ。じゃあ、西(関西)のこともやらなきゃいけないな、みたいな謎の使命感のようなものも少しあって。ちょっと楽しみでした」と明かす。
本作から参加の杏さんは、出演にあたって「滋賀出身ではないので、滋賀を代表していいのかな、という不安はちょっとありました。公開されて、(観客の)反応を見て初めてほっとするのかどうか……。いまだにちょっとドキドキしています」と吐露。
さらに「武内監督とは“月9”でご一緒させていただいていて、いつかまた一緒にできたらいいなと思っていたところで声をかけていただいて。監督の作品に参加できるなら、絶対間違いないなと思いつつ、やっぱり関西の人じゃないしな、大丈夫かなというのもありつつ、挑みました」と振り返る。
本作は、杏さんや片岡愛之助さんなど、前作に劣らず豪華なキャストも話題だ。GACKTさんもその豪華さに「本読みのタイミングで全員集まった時は『すごいキャストを集めたもんだな……』と思いましたよ。よくこれだけ集まったな、と」と感嘆する。制作過程では、本読みを経て、作品をより良くするために自ら手直しも提案したという。
「このままだと、もしかしたらスケールダウンするんじゃないかな、と思ったので、監督と『もっとスケールアップするための手直しが必要じゃないですか』とずっと話していて。そこから台本の書き直しや修正が入って、さらに良くなったんですよ」と振り返る。
そんな本作の特に印象に残っているシーンについて、「GACKTさん演じる麗と杏さん演じる桔梗のシーンがすごく美しくて、イチ観客としてちょっとほれぼれしちゃう。『絵になる2人だな』と」と二階堂さん。「本当に魔夜先生の世界観がそのままつながっていると思って、そこに感動しました」と感想を明かす。
◇故郷への思いは……
各キャラクターの“郷土愛”がぶつかる本作。そこで出演する3人に、故郷への思いを聞いてみると、「沖縄の街中で育った」という二階堂さんは「帰るたびに、新しい建物や新しい道ができていて……私の知っている地元とは今はちょっと違うんですよね」としつつ、「小さい頃は、大人と子供の境界線がはっきりない、というか……大人の街に子供がうまくなじんでいる感じが、私はすごく好きだったな。それが印象的ですね」と地元への思いを明かす。
同じく沖縄県出身のGACKTさんも幼い頃の思い出が残っているといい、「例えば、何か買い物をしに行く時にドルを持って行くとか。それが当たり前だった頃にいたんです。今、時代が進んで、そんなこともなくなっちゃったのかなと思ってたまに店に入ると、普通にドルが使える店がまだあって、妙に安心します」と回顧。時間の進み方も独特だといい「『何時』という約束をしないんですよ。『何日の夜』とか言う。それで『待った?』『今来たところ』という会話が普通にある県民性。仕事する上では成り立たない部分ではあるんですけど、なくしてほしくないな、という思いはありますね」と思い入れたっぷりに語る。
東京出身の杏さんは「良くも悪くも、さっぱりとしているところはあるかなと思うんです」と説明。「それがドライと言われることもあるんですけど、古き良き、というようなところはあると思います。あまりベタベタしないけど、無視するわけではない、という、ほどよい距離感はあるかな。あと、意外と緑が多いのかなって。大名屋敷がそのまま残って公園になっているところも多いから、昔ながらの緑がある気がします」と話す。
そう故郷への思いを語る3人に、最後に改めて本作の魅力を尋ねると、「大人たちが全身全霊をかけてくだらないことをしている、という面白さ」と杏さんは話し、二階堂さんは「ディスりたいわけではなくて、差別とか分断がこれぐらいバカバカしいことなんだ、と気づかせてくれる、そういう大義名分のようなものがある作品だから、胸にくるものがあるのかなと思います」と魅力を説明する。
GACKTさんは「今は携帯やiPadで当たり前に映画を見る時代。この作品で、映画館で感動、笑いを共有できて、それによって感動が何倍にも膨らむ、そういう映画館本来のあり方のようなものを初めて経験する世代もいるんじゃないのかなと思う」とし、「今って、世の中どんどん便利になっているじゃないですか。でも、わざわざ足を運んで、そこで見て……という行為に、また別の大きな感動が存在するということに気づいてもらえれば。それを知らない世代がいるなら、『感動する』ということの意味を分かってもらえるきっかけになるのかな、と思います」と本作に込めた期待を語ってくれた。
※GACKT ヘアメーク:タナベコウタ/スタイリスト:Rockey 二階堂ふみ ヘアメーク:足立真利子 ADACHI MARIKO/スタイリスト:髙山エリ 杏 ヘアメーク:高橋里帆(HappyStar)/スタイリスト:中井綾子(crepe)