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花緑青が明ける日に:日本画家・四宮義俊の初の長編アニメ監督作 アニメ声優初挑戦の萩原利久&古川琴音がW主演 幻の花火めぐる2日間の物語

「花緑青が明ける日に」のティザービジュアル(C)A NEW DAWN Film Partners

 日本画家としての活動を軸に、新海誠監督や片渕須直監督などのアニメに参加してきた四宮義俊さんの初となる長編アニメ監督作「A NEW DAWN(英題)」の邦題が「花緑青が明ける日に」に決定し、2025年に公開されることが分かった。土地立ち退きの強制執行が迫る創業330年の花火工場・帯刀煙火店を舞台に、そこで育った若者たちと、幻の花火“シュハリをめぐる2日間を描くオリジナルストーリーで、俳優の萩原利久さんと古川琴音さんがダブル主演を務めることも発表された。萩原さん、古川さんは共にアニメ声優初挑戦となる。

 萩原さんは、帯刀煙火店の次男で、失踪した父親に代わり幻の花火を完成させようと奮闘する帯刀敬太郎、古川さんは、敬太郎の幼馴染で、地元を離れ東京で将来の道を模索している式森カオルをそれぞれ演じる。

 萩原さんは「初めて声優のお仕事をさせていただき、とても新鮮でした。最初一人でアフレコをしていた時にはなかなか手応えをつかむことができず、監督の『OK』だけを頼りにしていたのですが、最終日に古川さんと掛け合いで収録させていただいて、一人で録(と)っている時とは全く体感が違って。普段いかに周りの人や環境に支えられてお芝居をしていたのかと実感させられました。僕自身、最初に脚本やVコンテを拝見した時に『これはすごい作品になるんじゃないか』と感じましたので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います」とコメント。

 古川さんは「四宮監督が構想から8年という長い年月をかけて育まれた、大切な作品に呼んでいただけたことがとてもうれしく、声優は初めてでしたが体当たりで臨ませていただきました。声を録りながら、5年前のコロナのことを思い出していました。全国の花火大会をはじめ、伝統ある催事が次々と無くなっていくことを当時は憂えてばかりいましたが、今思えばそんな私の日常を支えてくれていたのが、現代のカルチャーを先導している日本のアニメでした。この作品は、日本画家出身の四宮監督がアニメで花火を描いた温故知新の芸術だと思います。その創作の一端を任せていただいたこと改めて光栄に思います」と語っている。

 ティザービジュアルも公開された。行政による立ち退きが明日に迫る帯刀煙火店で花火を作っている敬太郎の元を東京から帰省したカオルが訪れ、4年ぶりに再会するシーンが描かれている。幻の花火と呼ばれるシュハリについて語る敬太郎や、シュハリの秘密の鍵を握る青い顔料・花緑青の存在に気付きがくぜんとするカオルの様子を収めた特報もYouTubeで公開された。

 同作は、フランスのスタジオ・Miyu Productionsとの日仏共同製作作品。2024年5月に開催された「第77回カンヌ国際映画祭」マルシェ・ドゥ・フィルム「Animation Day」アヌシー・アニメーションショーケースで、世界中のさまざまな制作段階にある5作品の1本に選出され、話題になった。

 ◇スタッフ(敬称略)

 原作・脚本・監督:四宮義俊▽キャラクターデザイン:うつした(南方研究所)▽作画監督:浜口頌平▽美術:馬島亮子▽音楽:蓮沼執太▽製作:A NEW DAWN Film Partners▽制作:アスミック・エース、スタジオアウトリガー、Miyu Productions

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