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解説:「テミスの不確かな法廷」重要シーンで交差 “3人の27歳”

「ドラマ10『テミスの不確かな法廷』」第6話の場面カット (C)NHK

 松山ケンイチさん主演のNHKの「ドラマ10『テミスの不確かな法廷』」(総合、火曜午後10時)。ミラノ・コルティナ冬季五輪中継による休止期間を経て、3週ぶりの放送となった第6話(2月24日放送)では、「前橋一家殺人事件」で死刑となった秋葉一馬の無罪を求める再審請求審での陳述シーンが注目を集めた。“主役”は秋葉の娘・吉沢亜紀役の齋藤飛鳥さん。同シーンには、亜紀の弁護団に加わった弁護士・⼩野崎乃亜役の鳴海唯さん、さらにエリート判事補の落合知佳役の恒松祐里さんも登場と、同い年の3人の共演が実現した。

 ◇NHKドラマへの出演は今回が初の齋藤飛鳥

 齋藤さん、鳴海さん、恒松さんは1998年生まれの27歳という共通点はあるものの、歩んできたキャリアはてんでバラバラだ。

 齋藤さんは、人気アイドルグループ「乃木坂46」の元メンバーとしてあまりにも有名。乃木坂46は、2011年に「AKB48の公式ライバル」として誕生し、齋藤さんは当時、最年少の13歳で加入(1期生)。徐々に頭角を現し、2015年発売の11枚目シングル「命は美しい」以降は、2022年末の卒業(卒業コンサートは2023年5月開催)まで、すべてのシングル曲で選抜入りするなど、エース格としてグループを牽引した。

 乃木坂46在籍時からモデルとして、ファッション誌やイベントでも活躍。2021年には、「OKAMOTO’S」のハマ・オカモトさんとの冠バラエティー番組「ハマスカ放送部」(テレビ朝日)がスタートし、現在も放送中だ。俳優としては2017年の映画「あの頃、君を追いかけた」でヒロイン役、2020年に連続ドラマ化、映画化された「映像研には手を出すな!」では主演を務め、グループ卒業後も実写「【推しの子】」の星野アイ役などが注目を集めたが、NHKドラマへの出演は「テミスの不確かな法廷」が初となっている。

 ◇朝ドラ「あんぱん」好演も記憶に新しい鳴海唯

 2019年度前期のNHK連続テレビ小説「なつぞら」でドラマデビューを果たした鳴海さんのキャリアはある種、齋藤さんとは対照的だ。活動を開始したのは“3人の27歳”の中ではもっとも遅く2018年。「なつぞら」以降は、2021年12月公開の映画「偽りのないhappy end」で主演を務めるなど、着実にキャリアアップを続けつつ、求人情報サイト「レバテック」をはじめ、Nintendo Switch「超探偵事件簿 レインコード」「クラレ」「JCBカード」「若築建設」といったCMにも次々と起用されてきたが、この頃はまだまだ「知る人ぞ知る」存在だったようにも思える。

 一つの転機となったのが、2023年4月の芸能事務所「フラーム」への移籍。ほどなくして、同年の大河ドラマ「どうする家康」への出演が発表。自身初の大河ドラマで、「戦国最強」とも称される本多忠勝(山田裕貴さん)の娘にして、少々やんちゃな稲に扮(ふん)した。昨年は、NHKのオムニバスドラマ「地震のあとで」(のちに映画化)の第2話「アイロンのある風景」での主人公役を経て、「あんぱん」で6年ぶりに朝ドラに登場。ふだんはおしとやかだが、酒が入るとじょう舌になる“のんべえ女子”琴子を好演したこともまだまだ記憶に新しく、満を辞してのヒロイン役が今回の「テミスの不確かな法廷」と、ポイントポイントでNHK作品に起用されてきた印象だ。

 ◇7歳から“演じ”始め、キャリア20年の恒松祐里

 そして最後、恒松さんだが、子役出身で、“演じ”始めたのは7歳と、キャリアは20年となる“若きベテラン”だ。言うまでもなく、ドラマや映画への出演は“3人の27歳”の中ではもっとも豊富。映画「トウキョウソナタ」や「散歩する侵略者」などで知られる黒沢清監督から、かつて「末恐ろしい女優」と評されたこともあり、その実力に疑いの余地はなく、コメディーもシリアスもアクションも遜色なくこなせる懐の深さ、時に相手を射抜くような“目ヂカラ”も魅力だ。

 「テミスの不確かな法廷」では、表情を崩さないエリート判事補・落合として、作品の“スパイス”になっている。齋藤さん、鳴海さん、恒松さんが関わった第6話の再審請求審での陳述シーンは、“元死刑囚の娘”齋藤さんの涙の訴えがクライマックスとなったが、そこに至る過程での見事な緊張と緩和(正確には緩和からの緊張)の口火を切ったのは落合役の恒松さん。メディアの入った法廷で「カメラ目線になってしまう裁判長・門倉(遠藤憲一さん)」と「なぜか今日に限ってメガネをかけていない落合」の“テレビ移りを気にしてしまうおかしな二人”の助走があってこその盛り上がりだったと思うし、まさに安定と信頼の恒松さんの演技だった。

 「テミスの不確かな法廷」というドラマにおいて、今後の分岐点となるような重要なシーンで交差した3人の27歳。この世代(1998年度生まれ)は、芸能界に逸材がそろうことから以前より「花の98年組」「奇跡の世代」などと呼ばれて注目を集めてきた(大河ドラマ『豊臣兄弟!』で話題の白石聖さんもこの世代だ)が、改めて“層の厚さ”のようなものを垣間見た気がする。

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