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杉野遥亮:「芝居って何なのだろう」 「磯部磯兵衛物語」で感じた思い

「磯部磯兵衛物語」で主演を務める杉野遥亮さん

 7月12日にスタートするWOWOWの「連続ドラマW-30『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~』」で、主演を務める俳優の杉野遥亮さん。浮世絵タッチで描かれたギャグマンガの実写化に、「実写化は難しいと思いましたが、(監督の)細川徹さんのお名前や作品の世界観などを見て、危険だけど面白いものになる予感がしました。だから大船に乗った気持ちでした」と語る杉野さんに、役作りや今作を通じて得たものなどを聞いた。

 ◇オファーに喜びも役作りで「どう向き合うか悩んだ」

 原作は2013年から2017年まで「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された、仲間りょうさんによる同名のギャグマンガ。立派な侍になることを夢見るも、どうしたらラクしてかっこいい侍になれるのかと、サボることに一生懸命の磯部磯兵衛(杉野さん)が、武士校の級友たちや超人的な力をもつ先生や母上など、個性豊かな面々たちと織りなす青春時代劇だ。

 今作への出演で一番うれしかったことを「細川さんが、磯兵衛のようなキャラクターを自分にオファーしてくださったこと」と明かす。

 「(自分を)よく見てくださっていると思いました。お話をいただいた頃は、そんなふうに自分を見せていた意識もないですし、これまでの作品とも違っていました。だから余計にときめいたのかもしれません」

 これまで経験してきた作品や役とは「まったく違うので最初それにも戸惑いました」と明かし、「普段は役の感情や演じる人物の経験に基づいて考えますが、今回はどう向き合うかに悩み、(役作りが)難しかったです」とキャラクターの特殊性ゆえの苦労を述懐する。

 試行錯誤の末、「見え方とかビジュアル部分を固めていただき、それらを踏まえて磯兵衛のオーラというか雰囲気を確認し、磯兵衛の“まとい方”を感じることに専念しました」という考えにたどり着いたと説明する。

 ◇作品を通じて成長を実感 完成度に手応えも

 磯兵衛を演じての感想を、杉野さんは「気付いたら終わっていたに近くて。その時の自分だからできた役かもしれないです」と表現。「芝居って何なのだろうと、さらに謎が深まりました。課題を突きつけられた感覚はあります」と語る。

 「コメディーの難しさや繊細さに改めて気づけて勉強になりました。そういった意味では良かったですし、うれしかったです。磯兵衛というキャラクターもあって不思議とやり切った感は薄めですが(笑い)。良い作品が作れた手応えもあります」

 今年9月に29歳となる杉野さん。来る30代のイメージを聞くと「小さい頃は結婚して子供がいて大人なイメージがありました。今の自分は別にそうではないし、思っているよりも子供の部分も多いかな」と自己分析する。

 普段から「数字って何だろう。自分の年齢を忘れていることもあるので(笑い)」と無頓着な杉野さんだが、30代に向けて「もうちょっとしっかりしたい」と気を引き締める。

 最後に本作の見どころについて、「1エピソードごとに面白さが違っていて、いろんな角度から笑いを追求している。誰しもがどこかに面白いと感じるポイントがあるだろうから、それを楽しんでいただけたら」とアピールした。

7月12日から毎週金曜午後11時(全10話)、WOWOWプライム、WOWOW4K、WOWOWオンデマンドで放送・配信(第1話無料放送)される。(取材・文・撮影:遠藤政樹)

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