相武紗季:初の母役「作らずに」 主演・小籔は「恐怖しかない」 「FLY!」インタビュー

映画「FLY!~平凡なキセキ~」に出演した相武紗季さん(左)と小籔千豊さん
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映画「FLY!~平凡なキセキ~」に出演した相武紗季さん(左)と小籔千豊さん

 吉本新喜劇座長でお笑い芸人の小籔千豊さん(38)が主演した映画「FLY!~平凡なキセキ~」(近藤真広監督)が10日に公開された。小籔さんと初の母親役に挑戦した女優の相武紗季さん(26)に話を聞いた。温水洋一さんが演じる宇宙人シカタが登場するユニークな台本に、相武さんは「『この映画大丈夫かな?』とさえ思ったんですけれど、温水さんを見て、これはいける(笑い)。これならどう転んでも面白くなる!」と自信を見せたが、映画初主演の小籔さんは「恐怖しかなかったですね。脚本を初めて読んだときは面白いとか分からなかった。『どうすんねん。相武紗季とこんなにしゃべってるけど』って、おそれしかなかったです……」と振り返った。(毎日新聞デジタル)

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 映画は、大阪の町工場のさえない工員・平野満男(小籔さん)と工場のマドンナの高崎ななみ(相武さん)との淡い恋や、遠い星からやってきた非モテ男の宇宙人シカタ(温水さん)との友情を描くヒューマンコメディー。相武さんは、小学1年生の男の子を育てるシングルマザーのななみを演じている。

 母親の役作りについて、相武さんは「子育ては(経験者の)友だちに聞いても、経験していないことを聞いて再現はなかなかできない」と割り切り、「今回は作らずに。なるべく子どもと仲良くして、現場で作っていこうと思った」と話した。撮影中は「1シーンごとに楽しんで、進むにつれて、私の中にもだんだん(役柄と同じ)淡い恋心が芽生えたら、と思いながら現場にいました」と自然体の演技を目指した。一方、小籔さんは「自分は(主人公の)満男であると思い続けるのが役作りかなと思い、撮影の時も相武さんをずっと見てイメージしてた。周りは『主役だからってずっと見やがって』って思ってたかも。僕はまじめに役作りをしていたんですが、気持ち悪かったかも……」と心配していた。

 インパクトのある宇宙人役の温水さんについては、共演時間が一番長い小籔さんは「温水さんは勝手に相方みたいに思えた。『このシーンどうやって笑かしますか?』とか相談させてくれて、すごくやりやすかった」と話した。相武さんは「普段は穏やかで落ち着いた方なので、逆に宇宙人とのギャップが面白すぎて、直視できなかった」と印象を語り、「(宇宙人の)出来上がりがこれだけ面白いから、すごくいいお芝居されているんだなって、一人で勝手にワクワクしていました」と笑顔を見せた。

 映画の公開について、小籔さんは「主演といったらやっぱりみんな『おっ』ていう。ハクが付いて、この1年はええかっこできた。親も喜んでいます」と喜びをにじませ、相武さんは「大人になったら、なかなかピュアな恋愛なんてできなかったり、踏み込めないと思うんですが、すごくいい感じでエンディングに向かっていくストーリーは、どなたでも楽しめて温かい気持ちになっていただけると思います」と見どころをアピールした。映画はシネマート六本木(東京都港区)ほかで全国公開中。

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