ラノベ質問状:「大日本サムライガール」 “えらく危険な原稿”に戦慄

至道流星さん作、まごまごさんイラストの「大日本サムライガール」(星海社)
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至道流星さん作、まごまごさんイラストの「大日本サムライガール」(星海社)

 話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、「大日本サムライガール」(至道流星著、まごまご画)です。星海社編集部の岡村邦寛さんに作品の魅力を聞きました。

ウナギノボリ

 −−この作品の魅力は?

 キャッチコピーは「目的は政治の頂点、手段はアイドル」。日本を根底から変えようと尽力している演説美少女・神楽日毬(かぐら・ひまり)。彼女と偶然出会った日本最大の広告代理店社員である織葉颯斗(おりば・はやと)が、「政治家としてこの国の頂点に君臨させるために」日毬をアイドルとしてプロデュースしていく、というストーリーです。魅力は、現役の経営者でありビジネスと政界との修羅場を数多くくぐり抜けてきた至道流星さんが描く、「政治・経済・芸能」のリアリティーとダイナミズム。あとは日毬の突き抜けすぎたキャラクターですね(笑い)。

 −−作品が生まれたきっかけは?

 単純に僕が至道作品の大ファンでしたので、アプローチしました。僕はまだ編集者に転職してから1年足らずでして、サラリーマンとして働いている一読者の時期に至道さんのデビュー作「雷撃☆SSガール」と出会いました。衝撃でした。経済小説のエッセンスをキャラクター小説の分野で余すことなく発揮できる珍しい作品性に魅了され、至道さんの著作は全て読みあさりました。で、編集者になって一番始めにお声がけした作家さんが至道さんで、ありがたく原稿をお預かりして読んでみたのですが「……なんかえらく危険な原稿が上がってきた!」と戦慄しました(笑い)。

 −−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。

 興奮するのは、まずは新しい原稿をいただいたときです。内容そのものの面白さはもちろんですが、それをどうやってウェブやほかのメディアと組み合わせて盛り上げていけるか、それを考えるのがとても楽しいです。あとはまごまごさんからイラストが届いたとき。もうね……、ヤバいくらいカワイイ。疲れが吹き飛びます。大変なことは、この作品に関わっている皆さんのあふれんばかりのヤル気を暴走させないように抑えることです(笑い)。至道さんは本作品についてブログでも「本気」と公言していますし、ウェブページや演説動画、音声をつくってもらっている方々もノリが普通じゃない! まごまごさんとは日毬のキャラクターについて、延べ20時間くらい朝まで打ち合わせしましたからね……(遠い目)。

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 まずは連続刊行で8月に2巻、そして10月に3巻が発売されます。以降も続々と刊行していき「いっぷう変わった」新アイドルが次々と登場します(というかこの作品、変なアイドルしか出てきません)のでご期待ください。あとはウェブで作品の試し読みはもちろん日毬のブログ、音声(ひまりボイス)、プロダクションサイト、演説動画、そして日本大志会(日毬が総帥を務める政治結社)を体験することができます。皆さんが日毬を支持(ぶっちゃけていうと本をお買い上げ)していただければ、作品に出てくるCM動画や、CDデビューなんかもできる(はず)! 皆さま、神楽日毬に清き一票をよろしくお願いします!

 星海社 編集部 岡村邦寛

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