最近では「ダークナイト ライジング」(12年)や「バトルシップ」(12年)などに出演のリーアム・ニーソンさんが、極寒のアラスカを舞台に繰り広げるサバイバルアクション「THE GREY 凍える太陽」(ジョー・カーナハン監督)が18日に公開される。ニーソンさんふんするオットウェイは射撃の名手。石油採掘場で働く作業員を、凶暴な野生動物の攻撃から守るために雇われた。その彼と作業員を乗せた飛行機がアラスカ山中に墜落する。生存者はオットウェイを含め7人。氷点下20度の大雪原に放り出された彼らが相手にするのは、殺人鬼でも宇宙人でもなく、縄張りを侵された野生の狼たち。人間と狼それぞれが、生きるための壮絶な戦いを繰り広げる。
ウナギノボリ
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監督、脚本は、ニーソンさんとは「特攻野郎AチームTHE MOVIE」(10年)ですでにタッグを組んでいるカーナハン監督。プロデューサーは、リドリー&トニー・スコット兄弟。となれば、壮絶なアクションを想像するが、実際は全くの別物で静かな描写が多く、人間ドラマとしての側面もあり、いい意味で裏切られた。
今作の要は狼。これがうそっぽかったら興ざめだが、アニマトロニクス(生物を模したロボットを使って撮影する技術)と本物の動物を使いこなした映像は出来がよく、また、配役がニーソンさん以外、あまり顔が知られていない俳優であることも、誰が犠牲になるのか見当がつかないという点で配役が奏功している。そして何よりこの作品に“特別”感を感じるのは、ニーソンさんが、妻ナターシャ・リチャードソンさんを09年に不慮の事故で亡くしているから。妻に去られた設定のオットウェイの苦悩の表情が、ニーソンさんの現実とシンクロし、胸が痛くなることもしばしばだ。俳優としてのプロ魂に頭が下がる。18日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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